強敵たち
大ホールに戻るとアクセルが手を挙げた。
「遅くなったけど決勝進出おめでとう」
「ああ……なんとかな」
満身創痍で応えると彼女は口角を釣り上げた。
「ほんっと大苦戦だったみたいだね」
「うるさい。そんなことより、他の奴の様子はどうだった?」
「もちろんここまで残っただけあって強者揃いなんだけど、頭一つ出てるプレイヤーは三人だね」
「どいつだ?」
「今戦ってるのだと右端の女。名前はラクサス」
そう言ってホログラム映像を指差す。
「アイツか。たしかにすばしっこいな」
「あの速さに対抗出来るのは多分君くらいだろうねぇ。次にそこにいる赤髪の男、名前はディバイン。彼の戦闘を見たけど毎回確実に敵を一撃で仕留めてる。どんなアバター能力があればあんな火力が出るのやら」
アクセルは手のひらを返してやれやれと首を振った。
「一撃はすごいな……それじゃあ武器破壊も気をつけなきゃな」
「そうだね。最後に君が気にしていたあのフードの奴。中学生くらいの身長を生かした素早さと身のこなし、そしてレイピアから繰り出される剣撃の速さ。どれを取っても一級品さ。さっきの二人よりも攻撃が当たりにくい分手強そうだ」
アクセルが大ホールにいるフードの奴を指す。頭の上にフラッグが付いている……ということはどうやら本戦決定らしい。
「そうか……ありがとう。さすがは情報屋アクセル様だな」
俺が敢えてからかうように言うと、男っぽいアバターでは気持ち悪くしか見えない内股になり、顔を紅潮させてもじもじしながら呟く。
「あ、ありがとう」
「ん?なんか言ったか?」
「な、なんでもないよ!」
「は?わけわかんねぇの」
俯くアクセルにそっぽを向き、フードの奴を見たが、奴がその視線に気付くことはなかった。奴の視線はずっとホログラム映像の中だった。




