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電脳獣被害者が透明人間になる世界で俺と彼女は引き裂かれ続ける(XXC  作者: 京夜騎士団長
第一章 始まりは2年前から
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俺、戦えます!

覚悟を決めたその瞬間、アレクが敵の爪を受けていて空いた胸ぐらを駆け抜けて飛び出し、横腹を下段から上空に向けて相棒たる刀を振り抜いた。

「うらぁっ!まだ・・・だ!」

その斬撃は宙へと飛び立ち、緑色の閃光を放って舞い戻ってくる。俺とアレクが一旦退いたのを機にその斬撃が敵に向かって飛んでいき、切り裂き、敵の胴を過ぎる前にほぼ九十度回転し、再び敵に向かって飛んでいく。

その繰り返しを僅か数秒で五十連撃見舞う。斬撃が敵を切り裂く度にブシュブシュブシュブシュという肉や骨を切り裂く音が響く。

「コンボスキル、破壊の舞い」

最後に斬撃はその光の軌跡を残して俺の手元に戻ってきた。それを剣先で受け取り、このコンボは終わる。

瞬間、敵の身体についた切り傷がブシャァ!!!と豪快な音を立てて広がり、滝のように黒い血が溢れ出した。

《ガ・・・ギャ・・・ゴフッ・・・》

風穴の空いた喉笛あたりからヒューヒューと微かな呼吸の乱れる音が数秒だけ鳴ったあと、ギラリと光る真っ赤な目は光を失い黒く染まった。

エモノを鞘にしまうと同時にまた足から力が抜けて尻もちをついてしまう。

「へぇ、思ったよりやるじゃねえか」

口笛を吹くアレクは髪をかきあげた。

「いえ、武器がいい物なんで」

呼吸を荒げながら武器を撫で、中学生の時これを獲得した日のことを思い出した。

「いいや、それだけじゃねえ。使い手の練度がよく現れていた凄ぇ技だった。努力を惜しまねぇ奴は嫌いじゃねぇ。さっきはヘタレ扱いして悪かったな」

今日尻もちをつくのは何度目だろうとか思いつつ、俺は伸ばされた彼の手を取った。

「だが安心してる場合でもねぇ。ほかの奴らの援護にも行かねぇとなんねぇからな。俺はあっち側、グレンやアイリスとクレアの方へ行く。お前はユーリを頼んだぞ」

「分かりました!お気をつけて!」

翼を広げた彼の背中に叫んだ。

「誰に言ってんだ!」

それだけ言って彗星のごとく軌跡を残しながら彼は遠く離れた仲間の元へ飛んでいった。

「俺も行かなきゃ」

かつて俺を遥かな天空へと導いてくれたジャヴァウォックウイングという、最速で飛べる翼をゲーム内から召喚して装備し、ユーリのいる方角へと急いだ。

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