1曲目 終末の幕開け
「なんかつまらないな~」
広瀬奏は教室の宙を見てそう呟いた。世界はつまらなさ過ぎる。音楽の消失が深刻化していくにつれて、音楽の授業ですらつまらない物となってしまった。歌も歌わず、楽器も引かず、ただただ雑学、つまり音楽の歴史について聞かされるだけだった。
奏は机に伏せるような体勢を取った。やる気という文字が全く見えない。
「痛っ」
奏にいきなり物理的なダメージが与えられた。本の角で叩かれたような痛みだ。
奏は痛みがした頭のてっぺんを手で撫でる。痛みがした部分はひりひりとした感じが残っている。
「コラッ! 何呟いているんですか広瀬さん?」
奏は音楽担当の天石先生に怒られた。手には教科書を持っている。すぐに奏は理由を言う素振りを――しなかった。
「いきなり何するんですか! 死んだらどうするんですか!」
「死にません。こんなことでは死にません。それより広瀬さん、アナタさっき何を言いましたか?」
天石先生は奏に問い詰める。奏は未だに頭を撫でてはいるが、思いだすしぐさをし始めた。五秒前、十秒前、一分前の自分を振り返る。じっくりと絞り出すように思い出す。
他の生徒が不思議そうに奏を見ている。いや、不思議というよりも引いていると言った方が正しいのかもしれない。
奏は数秒間悩んで思いだした結果、
「……なんでしたっけ?」
何も覚えていなかった。数秒前の事を覚えていなかったのだ。自分の行いの間違いに気づけないのだ。それに頭が来たのか音楽の先生はまたも炸裂させる。
「廊下に立っていなさーい!」
怒鳴り声と共に教科書チョップが再び奏に発射される。
奏は避けられる物だと微塵も思っていなかったので、一か八か真剣白刃取りで止めに入った。が、
「ぐふぅ」
止める事は出来なかった。そのまま脳天に直撃したのだった。意識がだんだん薄れていき、眠るように奏は気絶した。
☆
放課後。奏の親友である小鳥遊鈴音は奏の指導が終わるのを一人で待っていた。
「それにしても遅いな~。今回は何をやらかしたんだろ?」
鈴音はスマホの時計を確認してそう呟いた。
世界で音楽が全面禁止になった後、奏の指導は多くなった。
奏は昔から歌う事が好きで、度々音楽について語ってしまう。それゆえに指導部に目を付けられている。ちなみに今月はこれで一九回目だ。素晴らしいぐらいに指導されている。笑いが出るくらいだ。
「いや~お待たせ~!」
指導部の戸が開き、元気そうな声を出し奏が出てくる。
それを見た鈴音は少し驚いている。指導された後なのになんでこうも元気なのだろうと。奏の表情は満面の笑みである。ホントに不思議だ。
「もう終わったの?」
「うん終わったよ。次、指導されたら校長室で保護者召喚される!」
「ええ! それってまずいんじゃ……。大丈夫なの?」
「何事もファイトだよ! 大丈夫に決まってるよ!」
そうかな~と呟くように鈴音は心配そうな顔をした。そんなことをしり目に奏は陽気に玄関に走って行った。たぶん、今後の自分の未来については全く考えていないのだろう。
外履きに履き替え、学校を出て少し歩いた時に鈴音が聞いてきた。
「一応聞くけど、今回も音楽?」
「そうだよ。授業中に本音を言っちゃって……」
奏は頭を掻きながらそう言った。鈴音はあきれ顔だった。
「音楽の授業なんだから歌わないのはどうかと思って」
「でも歌ったら、破界者になっちゃうよ?」
破界者。知的生命体でもなく、未確認生命体でもない、はたまた宇宙人でもない存在。その正体は歌を歌い突然変異した人間。ありとあらゆる攻撃が全く効かず、無敵の存在。そのため人類は、そんな破界者達を無法地帯、あるいは国立公園内に密集させ、置き去りにしている。
しかし、奏はそんなことを聞かされても顔色を一切変えず、笑顔のままだ。
「なるのは怖いけど、歌手の人達でもなって無い人もいるから大丈夫だよ!」
奏のその一言を聞き、ため息をつく鈴音。どう説得すればいいのだろうと思っているのであろう。
「そのさ、歌と命、どっちが大事かそれくらい分かるよね?」
「うん! そんなの一発で見切れるよ!」
鈴音の質問に自信満々の奏。親指を突き立て鈴音に見せてくる。鈴音の表情はあまり期待が持てるような感じではない。
「どっちも大事だね!」
予想すらできない答えが奏から飛び出してきた。昔からの親友である鈴音ですら唖然。唖然を通り越して沈黙。奏は頼んでもいないのに理由を語りだした。
「いや~。普通は命なんだろうけどさ~。私にとっては歌も命ぐらい大事って言うか、なんというか。とてもじゃないけど選べないんだよね~。だからさ、両方っていうことで! 質問の内容には一つだけとは言ってなかったしね! どう? すごくない? って、どうしたの? 鈴音? 鈴音ってば!」
「もういいよ……」
鈴音はそう言うとさっさと歩き、奏から離れていった。奏もさすがにやりすぎたと思ったのかすぐに駆け寄りに行く。
「ごめん。ごめんってば。流石に私も調子乗っちゃったよ」
奏が謝るものの鈴音はうつむいているだけだった。その後も幾度となく謝ったが、鈴音が返事をすることはなく、そのまま別れてしまった。
☆
どこか昔懐かしい面影が残る住宅に着いた。これが奏の家だ。大きくもなく、小さくもなく、住みやすそうな家だ。
「ただいま~。おばあちゃん、今帰ったよ~」
奏は玄関の戸を開けて家の中に入る。正面には長廊下が続き、階段がそびえ立つ。靴を脱いだすぐそこには茶の間と台所に続く戸がある。
「おかえり。早く手を洗っておいで」
おばあちゃんの声が台所から聞こえた。どうやら今は夕飯の準備をしているらしい。奏は靴を脱ぎ、洗面室で手を洗いに行く。
(さっきあった事、おばあちゃんに話した方が良いのかなぁ……。でも、あんまり心配させたくないしなぁ……)
奏は、先程の鈴音とのやり取りを思い出しながら手を洗っていた。石鹸のすっとするような匂いが鼻から侵入してくる。意外と奏自信も悩んでいるようだ。
「奏ちゃ~ん。もう少しで晩ご飯だからね~」
「わかったよ~。おばあちゃ~ん」
おばあちゃんの声に反応し、返事をする奏。急いで手を洗い、台所に向かう。
「手伝うよ、おばあちゃん」
奏はそう言うと玉ねぎの皮をむき始める。白く綺麗な玉ねぎの肌には、まだ少し黒いカビが付いていた。それを見るや否や水でこすりながら洗いだす。
「ああ。ありがとね、奏ちゃん」
おばあちゃんにお礼を言われ、表情にはあまり出ていなかったが、奏は少し嬉しそうだった。
それから約四十分後に夕飯が出来上がった。ご飯と味噌汁をそれぞれ器によそり、さっき剥いていた玉ねぎが入った炒め物を皿に盛り付ける。盛り付け終わり、テーブルの上にバランスよく置くと席に着き夕飯に入る。
「いただきまーす」
奏は炒め物に手を付け、それをご飯と一緒に味わう。表情を見てみると、とても幸せそうだ。
「いや~。いつどんな時でもおばあちゃん特製の玉ねぎの炒め物はおいしいなぁ」
「今日は奏ちゃんが手伝ってくれたからね。普段よりさらにおいしいよ」
おばあちゃんに褒められ、奏は照れ隠しをする間もなく照れる。
箸を進めいていると、おばあちゃんにあの話について触れられた。
「で、鈴音ちゃんと何かあったの?」
ご飯を口に運ぼうとする箸と共に手が止まる。思わぬ所を突かれたという感じだ。
奏はすぐさま聞き直す。
「何言ってるのおばあちゃん? 特に何にもないよ」
「そうかい? なんかいつもより口数が少ないからねぇ。何かあったのかなと思ったんだけど……。気のせいかねぇ……」
おばあちゃんはそう言うと、食事を再開する。
奏の表情はその話から徐々に明るさを失くしていった。大分悩んでいるのだろう。一つの悩みでおばあちゃんまで心配させてしまったのだから。
そんな奏を見ておばあちゃんはあるイベントの事について話してきた。
「そういえば、今日近所の人からチケットを貰ったよ」
「え、何のチケット?」
「近々、シンセードームって所で国際サミットが開かれるらしくってね。たぶんそのチケットだったと思うんだけど……」
奏はその事を聞くと、「へぇ」と言う風にうなづいた。正直、自分には関係ない、興味がないものだと思っているのだろうか、深くは聞かず、夕食を終え二階の自分の部屋に上がって行った。
その夜の出来事。奏は放課後の指導時に出された反省文二枚分を書いていた。
現在その反省文の進み具合と言うと、一枚目の三行目までしか書かれていないという恐ろしいくらいスローペースだ。嘘でもいいから決意を書こうとするも、奏は指導対象生徒なので、ほとんど考えられるものは前回までに出し尽くしている。なので、他の文が思いつかないのだ。
「どうしよっかな~。やっぱ鈴音に助けてもらうべきだったかな……」
奏は鈴音に助けを求めるべく、無料メールを送ろうとした。が、やっぱり例の出来事があったせいか諦めてしまう。
「今送ったらますます悪くなっちゃうだろうしな……」
奏はそう言いながら、鞄の中からある物を出す。それは一本のマイクだ。コードはちぎれ、ウィンドスクリーン(頭の部分)も所々へこんでいる。
しかし、それを見ながら奏はうつむきながら問いかける。
「お母さん……私どうしたらいいの?」
奏はマイクを撫でながらそう呟いた。
奏の母親である広瀬双葉は世界的有名歌手であった。それもあってか奏は歌がとても大好きだった。
ある日の生放送。その日は丁度奏の誕生日で、テレビの前で奏は母親の双葉の出番をわくわくしながら待っていた。
そして、双葉の番になった。客席からはその日一の歓声が沸いていた。やがて歓声が止むと、双葉は歌いだし、観客やファン、視聴者、さらに関係者達、そして奏を自信の歌声を以て魅了した。やがて歌は終わり、歓声がまた響きそれに双葉が応えている時だった。マイクを通じて双葉の苦しそうな声が日本中、世界中に響いた。それに対して観客、ファンは静まり返った。世界中が静まり返った。
関係者達が心配そうに双葉を陰で見つめていた時、双葉は変貌を遂げた。破界者へと姿を変えたのであった。観客やファンは一斉に悲鳴を上げた。破界者へと双葉が変貌した事にではない。双葉が関係者に扮した機動隊によって銃で乱射された事に。
双葉は血を流しながらその場に倒れ込みつつも、近くに置かれていたカメラに向かって呟いた。
「奏……お誕生日、おめでとう……」と。
呟き終わると共に、機動隊に止めを刺され、そして殺された。本来ならば、破界者は人間が作り出した兵器など聞くはずがないのだが、双葉の場合、破界者の体の割合が小さかったらしく、それゆえ効いてしまったらしい。
それから数日が経った頃、家に戻ってきたのはデビューからずっと使い続けてきたマイクだけだった。
「ん、そういえば」
奏はふとある事を思い出した。
それはさっきおばあちゃんの口から出た国際サミットのチケットの事だ。
何故こんな時に、国際サミットの事を思い出したのか理由は分からないが、奏なりに良い事思いついたのだろう。さっきより顔色が良くなっている。
「そうと決まれば早速!」
奏は部屋を飛び出し、一階の茶の間へ向う。夜の階段をドタドタと勢いよく踏み鳴らし一階に。
「おばあちゃん!」
「おや? どうしたの奏ちゃん?」
慌ただしく二階から降りてきた奏におばあちゃんは振り返る。あまり驚いていないのは日常茶飯事にこういうことがあるためである。
奏は早速、おばあちゃんにさっき思いついたことを言った。
「おばあちゃん。さっきのチケットの事なんだけど……」
奏では少し、ほんの少し溜めて言い放つ。
「もし良かったら、私に譲ってくれないかな?」
おばあちゃんは奏の口から出たその言葉に少し驚く。なにせ今まで政治や情勢に一切興味を示さなかった奏から言われたのだから。
おばあちゃんは「少し待っててね」と言うと、奥の戸を開け出ていく。チケットを出しに行ったのだろうか。数分かからず戻ってきた。
「はい。これだよ」
おばあちゃんは持ってきたチケットを奏に渡す。渡した枚数は二枚。たぶん、推測ではあるが、親友の鈴音の分が含まれているのであろう。
「わあ。ありがとう、おばあちゃん!」
奏は喜んでチケットを受け取る。
そんな奏におばあちゃんは気に掛かっている事を聞いた。
「で、なんで急にチケットの事を思い出したんだい?」
「え、えと、それは……」
奏は心理を突かれる。やはりおばあちゃんには弱い奏である。奏は口を噤み、言葉を濁していたが、観念したのか今日あったことを全て話した。次やらかすと保護者召喚になる指導の事も、学校帰りに鈴音と喧嘩をしたことも。
「……なるほどねぇ。道理で元気が無かったわけだねぇ」
「私もふざけ過ぎたと言うか、心配させすぎたと言うか、なんというか……」
奏は「あはは」と失敗を隠すように笑った。
「奏ちゃん。いいかい?」
おばあちゃんは何かを想ったのか奏の肩に手を置く。
「奏ちゃんは悪くは無いんだよ。ただ、心配させたく無くてそうなっちゃうんだろ? でもね、奏ちゃん。鈴音ちゃんとは友達なんだから、心配させないで、ちゃんと頼って、ちゃんと考えれば良いんだよ。分かったかい?」
おばあちゃんは奏を励ますと、肩に置いた手を退かした。
間違いに気付いた奏はもう一回チケットを見る。チケットの枚数は二枚。二枚ある理由にはもう気付いた。おばあちゃんからの気遣いというものだ。
(ありがとう、おばあちゃん。私、絶対に仲直りするよ。絶対に!)
奏は心から心でそう誓い、部屋に戻って行った。そして、反省文を始末するのだった。
☆
「おっはよー!」
奏はいつも通りを通して、鈴音を迎えに行った。いつもとほとんど変わらないように見せてから謝ろうという作戦なのだろう。
「……めずらしく今日は迎えに来るの早いね?」
鈴音は少し緊張しながら奏に言った。自分としても昨日の事が気にかかっているようで、何となくぎこちない。
「いや~、ちょっと急用があってね。それで早いんだ」
真っ向からいつも通りを突き通す奏。しかし、もうすでに怪しまれている。いや、怪しまれすぎている。いつもは大体五分遅れで来るのだが、今日に限って一五分も早いのだから、怪しまれるわけがない。そして、もう分かりきっていると思うが、いつも通りでもない。
「それじゃ、行こうか?」
奏は鈴音にそう言うと、自ら手をとって通学を開始した。鈴音はいつもはとらない美男すぎる行動に戸惑う。
「奏、ちょっといい?」
鈴音はあまりにもいつもとは違う奏に心配になり(もちろん違う意味で)真っ向から問う。
「なんかいつもと明らかに違うよね? 何か変なことでもあった?」
「えっ! いやいやいやいや! そんなこと無いよ? いつもと同じじゃないか!」
「いや、全然いつもと違う気がするんだけど……」
鈴音は、自分の目の前で手を引いて、跪いて、深々とお辞儀をして答える奏に冷静にツッコミを入れる。奏は未だに自分の行動に気が付いていない。そのため、周りを通過して行く人々がそれを見る度に目を丸くする。恥かしい。鈴音はそう思った。奏でより鈴音の方が先に恥かしいと思った。
「もうどうしたの? 正直に言ってくれない?」
「えと、その……一日遅れだけど、昨日はごめん。私、自分で何とかしようとしてた。心配させないようにしてた。けど、それが心配させちゃってた。ホントにごめん」
奏は鈴音に確かに向き合って答えた。これからは親友を心配させないと決めた瞬間だった。
「そう、か……。わたしの方こそごめんね。あんなことでカリカリして無視しちゃって」
そして今度は鈴音の方から謝り答えた。それはこれからもずっと一緒だと言う風に聞こえた。
「で、少し聞いていい奏?」
「何?」
「いい加減そのポーズやめてくれない? 周囲の目が痛いんだけど……」
鈴音に指摘され、今の自分を見つめる奏。数秒沈黙し、分かった所で静かにポーズを止めた。
「ありがとう。言ってくれて」
そして静かに礼を言った。その時の顔はもう死んでいた。魂が抜けてなにもかも空っぽになっていたような顔だった。
その後数十分歩いた時、奏はあることを思い出す。そう、国際サミットのチケットの事だ。それをすぐ鈴音に喋り出した。
「え、国際サミット?」
「そう! 昨日、おばあちゃんが近所の人から貰ったんだって! 丁度、チケット二枚あるからさ、どう?」
「どうって言われても……。ていうか、何でいきなり行こうと思ったの?」
「えと、その、あー、最近の世界の事について知ろうかなと思って。丁度、課題も出されていたし!」
鈴音に鋭い所を突かれ、焦り出す奏。どうやら親友である鈴音にもその目的は言えないようで、理由的にはかなりテキトーな事を言った。。トップシークレット中のトップシークレットらしい。
「そうなんだ。じゃあ、わたしも行こうかな。確かお父さん出るらしいからこの目でちゃんと仕事ぶり見たいし」
鈴音は奏のテキトーな理由を聞いて、参加することにした。もっともその理由は奏よりちゃんとしたものではあるが……。
鈴音の父親である小鳥遊宋樹郎は政治家であり、主に破壊者関係について議論をしている。推測ではあるが、今回の国際サミットでも破界者について話すのだろう。
「そういえば鈴音のお父さんって政治家だったね。サミットに出るんだ?」
「出るけど、もしかして知らなかった?」
「うん、全く」
即答だった。もしかして、これも推測なのだが、奏は今回の演説内容すら知らないのではないかと思われる。一つの目的に賭けているのだと思う。
「そんなことより、早く学校行こうか? サミットについては着いてからまた考えよう」
奏はそう言うと、鈴音の手を引き学校へと向かった。その時ばかり鈴音の表情は楽しそうだった。
☆
北海道・大雪山国立公園に聳える石狩岳。緑が美しい山だが、今は破界者達がはびこる無法地帯と化している。
その山の中で、一人の少女がひたすら破界者達を殺していた。名は久遠朱音。人類で最初の破界者になった人間。
「どうした? まだ居るのだろう? さっさと出てこい! ペルセウスの化身であるこの私が貴様らを地獄に招待してやる!」
「グォォ」という奇声が森の中から響き伝わる。
朱音はそう言い放つと、剣を大剣に変化させ、奇声が聞こえてきた方向に駆けだす。
「待っていろ。必ず全てを殺しそして叶えてみせる。私の願いを……」
そして破界者を見つけると、大剣を振りかぶり切りつけ掛かった。