8 犯人
隼人は、みやびに信じてもらえていない事にショックを受け部屋を出て行ってしまった。みやびは、隼人に悪い事をしたのだと思った。
隼人じゃないなら誰?夢を見直せば何か判るかもしれない。そう思い。少し寝る事にした。すぐに眠れるわけがなかったが、数時間後、やっと眠りにつく事ができた。
いつもの夢……。現実に…なってしまった……ゆ…め…。……犯人は、隼人?…それとも……。あれ…?…え!?……こんな事って……。
ガバッ!!
「あれは……、…いや……。だけど……。」
みやびは、夢で、真実を知ることになってしまった。……犯人は……。みやびは、気が遠くなった…。
犯人の真っ赤に染まった身体…。…月明りが、犯人を映し出す……。
月明りに、映る犯人が愛の死体の前で、愛の頬を撫でながら、悲しそうに映る…。
それは、奇妙で……綺麗に見えた。残酷な犯人なのに、その姿を見ても、恐くなかった。ベットから出たみやびは、部屋に、誰かいる事に気づいた。
「みやび?夢……見たの…?……犯人…判ったの……?」
隼人は、フラリとみやびに近づく。
「来ないで!!!!」
怒鳴るみやび…。それでも、近付く隼人……。
「みやびは…知る必要なんてなかったんだ……。……何で…見てしまったの?」
隼人は、泣きながら、みやびに近付く。
「いやーー!」
隼人は、みやびを強く抱きしめ言った。
「みやび……。…夢で見たんだろ?…俺が…愛を…殺すところを……。みやびの為に……みやびを守る為に……愛を……。」
「どうゆう事?」
隼人は、更に強くみやびを抱きしめた。
「愛は…知って知ってしまったんだ…。…みやびの事を…。誰にも知られる事なく……。俺だけが、知ってた事を……。」