群青の檻──記憶を奪われた十二人が、廃都で「他人の死」を配信される。

群青に塗られた空の下、記憶を奪われた十二人が目を覚ます。
街は動かないのに、世界は“見ている”。
彼らの一挙手一投足は、誰かの娯楽として再生され、死はハイライトに編集され、コメントで採点される。
他人の死を見せられ、やがて自分の番を待つ恐怖。
けれど彼らの首筋に刻まれた識別コードには、もう一つの意味があった――「観察者」と「被観察者」を入れ替えるスイッチ。
主人公・桐生は知る。ここは監獄ではない。
“見られる快楽”に支配された外の世界こそが檻なのだ、と。
群青の空が割れるとき、最後に映るのは、誰の視点か。
生き延びるだけでは終わらない。
「配信を止める」――この世界で、いちばん難しい勝ち方を選べ。