#終 歩み始める
目が覚めたのは、病院の一室だった。
……左腕がない。
「あ、愛鈴様! ようやくお目覚めに!」
「……私、どのくらい寝てた?」
「え? 大体一年ほど……」
「……そっか」
アレは夢だったのだろうか?
いや、左腕がない事が真実を物語っている。
「大変だったんですよ! フミ様は急に行方不明となって! あ!面会以来が凄く来てます」
近くにいた下っぱらしき魔法少女がリストを渡す。
「今は誰とも面会したくは……あ」
「どうかなさいましたか?」
「この人、呼んで」
「え、でもこの人ってフリーの弱小ヒーローじゃ……」
「今すぐ」
「……はい」
「愛鈴、無事だったか」
「私って一年も寝てたんだ」
面会に来てくれたのは、言うまでもなく彼、柳沢雄一だった。
「心配したんだぞ。なかなか起きないって」
「ねぇ、みんなは?」
「……わからない」
「そっか……」
部屋に重い空気が流れる。
「またさ、柊命達に会いたいな」
「だな」
「……でも、もうこんな事繰り返さないように私が魔法少女のリーダーとしてケリをつける」
「……確かに、今は運結フミが行方不明となって、魔法少女協会のトップに一番近いのはお前だ。だが、大変だぞ」
「そうでもしないと、顔向けできない」
「……そうか」
「あ、しばらく君の家居候するから」
「?????」
……全てが終わって、5年が経過した。
とある冬の事である。
「先生、何処へ?」
アシスタントが問いかける。
「ちょっと、散歩さ」
バッグを持って、身支度をする。
「好きなんですね、散歩」
「あぁ、散歩で外に出歩くことは、偶然的に色んな出会いがあるからな」
「運命的にじゃなくてですか?」
「偶然的に、だ。時間だし、君ももう帰っていいぞ」
「あ、じゃあ僕も今度出す同人誌描きたいんで」
そう言って、アシスタント君は帰りの身支度を始める。
「あ、何か買ってきて欲しいものってあるか?」
「そうですね……あんぱんで」
「連載が終わった記念だ。とびっきりの買ってきてやる」
家を後にした。
……なんやかんやで、電車で上野の方まで来てしまった。
ま、良さげなあんパン買えたしいいが……
アンダーコモンをバッグの一番下に、あんパンは一番上に置く。
また何か、出会いはないものか……
いや、自分から出逢いに行くのだ。
約束したから。
特に、忍羽とは。
何があっても見つけ出す……と。
突然、駅のホームから巨大な音が聞こえてきた。
以上、完結です。
謎は多く残されていますが、それは後々……
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