#83 Un bye friends⑦
次の瞬間、湖にポツンと、小さな渦潮が発生した。
さらに、それは道筋を指し示すかのように、次々と一直線上に発生していく。
ときに曲がり、再び一直線に進み始める。
……どうやら、間に合いそうだ。
鍔迫り合いをしていた剣を引き、彼女の攻撃を避ける。
そして、剣を地面に刺した。
「……? 一体何を?」
俺は人差し指をクイッと曲げ、「来い」という意味の挑発をかける?
彼女は訝しみながらも、剣を振り回し始める。
それを、一切受け止める事なく、血だらけの体で力を振り絞り、避け続ける。
さて、今は先ほどの花びらによる撹乱により、敵の剣は何故か自動攻撃ができなくなっているみたいだ。
しかし、ここから数メートル離れると……
いや、それを誘導するのも俺の仕事だな。
しばらくして、剣内の魔力が地面に流出し、空になった。
「じゃ、あばよ」
剣の柄を叩くと地面が爆破し、剣と俺はロケットのように宙に放り出される。
が、勢いは足らず、ダムを跨いだ向こう側、水深の深い湖へと墜落する。
強い衝撃と共に、水中に沈んだ。
……運が良かった。
多少狙ったとはいえ、ちゃんと最高な位置に落ちてくれた。
ダムによって彼女から俺は見えない。
剣の追尾攻撃は彼女の視界外でも効力があるのか?
否、先ほどの花びらには魔力撹乱の効果などない。
あの剣、少しでも見えなくなると挙動が不安定になる……と仮定しよう。
その場合、彼女はこちら側へとやって来なければ攻撃を当てられない。
さらに、だ。
花びら程度で挙動が不安定となるなら、水中にいるだけでも大いに効果があると思われる。
ただ、ここまで全て推測でしかないのだが……
小さな渦潮はダムを越え、こちら側までやってくる。
「随分と足場が悪いところに来たものだ」
フミがやってきた。
やはり、ダムを越えた。
それに、剣も飛ばして来ない。
警戒に越したことはないが、かなり好調だ。
彼女は2本の剣を持ち、ゆっくりと歩く。
水面を、ゆっくりと歩く。
「これで、フィナーレだ」
水中に潜っている俺に向かい、刃先を向けた。
……もうそろそろ。
多分そろそろのはずだ。
次の瞬間、先ほどとは比べ物にならない、一際大きな渦巻きが発生した!
「何!?」
「……間に合ったか」
渦巻きの中央に、一つの球が打ち上げられた。
プラズマの小球だ。




