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#75 あと1週間

 目を覚ますと、自室のベッドの上であった。


 近くに置いてあるスマホを開く。



2025年 5月6日(TUE)



 どうやら、随分と寝坊してしまったみたいだ。


 どうやら4日ほど寝てしまったらしい。


 あれほどの事があったのに、体には傷ひとつない。


 ……アンダーコモン、共通的常識の中から特異性を引き出す装置。


 なんというか……まぁ、すごいな。


 語彙が消失しちゃったが、とにかくすごい。


 こんなとんでもアイテムだったんだな。


 特異性を忠実ってのもよくわからないが。


 ゆっくりとベッドから起き上がり、パジャマから別の服へ着替え始める。


 ゆっくりと階段を降りると……


「だーかーらー! あと1週間もないんだって! 無理にでも起こそうよ!」


「あの状況下で無理やり起こせるもんか! もうかれこれ3日以上経ってるんだぞ!」


「僕個人としては、コレばっかりは彼に頑張ってもらうしか……」


「でも、そんな事したら……」


 なんの話?


「おーお前ら元気にしてたか?」


「あ、蒼馬! 起きたんだ! 大変なんだよ! 大変!」


「どうした? 4日前のアイツ倒せてなかったか?」


「いや、倒せてた。あれは倒せてたんだけど……」


 雄一が何も言わずににスマホの画面を見せる。


 それは、彼の以前所属していた組織、愛鈴の母がトップとなっている組織による一斉メールだった。


「日本全国を……奇襲!?」


「あぁ、どうやら13日に決行するらしい」


「マジか結構すぐじゃん!」


「ヤバいよほんと! 相手の基地の場所わかってないよ!」


「なんか前も見たねこれ」


「今のうちに力を蓄えておかなきゃな……蒼馬、体の調子はどうだ?」


「好調。ただ寝過ぎた」


「戦えるか?」


「無論」


「そうか。なら、あと今すぐにヤツらの本拠地を探さないとな」


「……なあ蒼馬、オレらが初めてヤツらの施設に侵入したときの事覚えてるか?」


「ん? あぁ、まだ出会って1週間も経たない頃だな」


「そのときの資料、覚えてるか?」


「資……料……?」


「その頃は雄一はいなかったし、一応話しておくか。”新世界における研究、施設の設置計画”ってやつだ」


「……あぁ! あったそれ!」(#10参照)


「その資料の中にあった”不特定多数の存在を平行世界から継続的に招き入れる”って術、それの使い手を倒せば、修正力の力でこの世界が元通りになるんじゃないか?」


「なるほど!」


「それなら全部解決できるじゃん!」


 しかし、柊命と忍羽の顔は晴れない。


「……だが、ひとつ問題がある」


「……私たちも、同時に修正力で消えるって事でしょ?」


「……あぁ」


 修正力によって、この世界に人や怪物、魔物が流れ込んできた元凶を絶てば世界は元に戻る。


 が、同時にそれは俺らの別れも意味する。


「……もう少し、ここにいたかったな」


「僕はあまり長くいなかったが、深く同意する」


「オレも、また異世界に戻らなきゃ……いや、使命から逃げるわけにも……な」


「嫌だ! 柊命とは離れたくない!」


 ……弱った。


 仮にこの世界が助かるとしても、コイツらと別れることだけは御免だ。


 1ヶ月も一緒にいるとな……


 ただ、そこでこの状況を放置しておけば、やがて全国で問題は発生するし、この戦いだって永遠に続く。


「……なぁ、今日はみんなでどこか出掛けないか?」


「急に?」


「あぁ、もう昼だからあまり遠方には行けないだろうがな」


「……そうだね。私も最近遊び足りなかったし」


 忍羽が立ち上がった。


「……私も、柊命とデートしたかったんだよね!」


 今度は愛鈴が立ち上がった。


「はぁ!?」


 勢いで柊命も立ち上がる。


「僕も行こう。この世界に来てからずっと働きっぱなしだったし」


 最後に雄一が立ち上がる。


「それじゃ、行くか」

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