#72 画竜添生⑤
巨大な両腕! 肩に乗った大砲! 背中に積んだ大きな剣!
そしてデカい顔!
影がその全貌を現す!
巨大ロボだ!
「昔叔父さんと考えたロボ! 臨海ガーディセフィラ(仮)!」
「なにそれ!?」
「巨大ロボだ! すげぇ!」
なんか雄一が今までで1番元気になってる!?
これだから男は!
私もこういうの好きだけど!
「お前ら、乗れ!」
「乗れるのか!?」
「あぁ乗れるとも!」
ロボが腰を低くし、手を差し出す。
雄一がめっちゃ元気に手の上に乗った。
私も少し遅れながら手の上に乗る。
するとそれは上がっていき、コックピットの前までたどり着いた。
コックピットが開くと、中央に少し広いスペースがあり、そこには両手両足に謎の装置をつけた蒼馬が立っている。
その横には律儀に2人分の席がある。
「すごいちゃんとしてるね。即興で3人席にしたの?」
「いや、これは元々3人席だ」
「???」
コックピットが閉じると、ゆっくりとロボが動き出す!
「ヤバい! 龍来たよ!」
「任せろ!」
蒼馬がグローブのような装置をつけた右手を突き出すと、ロボの右手も突き出された!
龍の顔面が拳に衝突し、悲鳴を上げながら喰い下がる!
「雄一! なんかボタンを押せ!」
「これかッ!」
座席の近くには多くのレバーとボタンがある。
そのうちのひとつを雄一が押すと、ロボの肩からミサイルが発射された!
ミサイルは空中を舞うように動き、2発とも龍にヒットする!
「すげぇ!」
「まだまだ!」
蒼馬が右足を90度曲げ、強く踏み込むと、ロボは背中から光を出して加速し、一瞬で龍の目の前へと辿り着く!
「トドメだ! 決めてくれ忍羽!」
「う、うん!」
目の前にある一際大きなボタンを押す!
「それは自爆ボタンだ!」
「えぇぇぇぇぇぇ!!??」
機体が白く光ると、一瞬にしてインクを撒き散らし、爆発した!
それがモロに龍に当たる!
私たち3人は外へと投げ飛ばされ、地面に落下した!
幸い、あまり高くなかったおかげで大したダメージは受けなかった。
ロボは龍もろとも爆発し、その勝利を収めたのだった。
あの流畏咲すら呆然としている。
「……あ、見事な戦いだったよ」
「そうかな……」
「あとは君だけだ」
「彼女誰?」
流畏咲はゆっくりと脇差を握る。
「面白いものが見られたよ。私は満足だね」
「どうする? まだ戦う余裕ある感じ?」
「うん。でも、しばらくはいいかな」
次の瞬間、彼女は脇差をその胸に突き刺した!
「!?」
胸から、青い液……血のようなものが溢れ出る。
白と黒だけの世界、唯一の色彩が目を惹く。
「じゃ、私はこれでおいとま」
そう言うと、彼女の肉体は白い蝶となり、去っていった。
「なんだったの……アイツ……」
蝶が全て飛び去ると、世界に色が戻る。
「とりあえず、退けられてよかった」
「……あ、柊命と愛鈴の所行かねぇと!」
蒼馬が走り出す!
「え! あっ! そうだ! 行かなくちゃ!」
「僕たちも急……なんかヤバいのいないか!?」
街の方には、ドラゴンのような見た目の青緑の怪物が暴れていた。
「……何あれ!!??」
「ただモノじゃなさそうだ」
蒼馬が、静かに怪物を見つめる。
「どうやら、新しい力の使い所が来たみたいだな」
そう呟いた。
「新しい力?」
「忍羽、雄一、力を貸してくれないか」




