#71 母なる凶星、還るは彗星⑥
彗星は、その巨大な腕で、足で、街をどんどんと破壊していく。
そんな中、俺と愛鈴は魔力の回復の為に無人の店に入り、特に糖分の高そうなものを口に突っ込む。
「柊命ぁ……甘いの飽きたよぉ……」
「今だけだ、我慢してくれ」
糖分や脂肪が多く含まれるものは魔力への変換効率が高い。
そのため、これらを取っていればいずれ異常的な量の魔力を補給できる。
それで一か八かいけるかどうか。
「どのくらい魔力回復した?」
「4割くらい……」
「そうか。俺は1割だ」
「柊命ぁ!」
「仕方ないだろ体の構造が違うんだから」
今はひとまず、魔力を貯めるしかない。
「うぅ……多分、これ以上食べても魔力回復は促進できないだろうし、あとは時間で解決すると思う。多分もう戦線復帰した方がいいかも」
「ああ、そうするか」
コンビニから出て、彗星の方を見る。
ドラゴンのような容姿をした巨大な怪物。
視界に入れただけで恐怖が込み上げる。
……こっち来てる!?
確実に今、彗星と目があった。
そして、ゆっくりと、一歩ずつ、街を破壊しながら近づいてくる!
「戦えるか愛鈴?」
「うん、できる限りやってみる」
武器を構える。
そして、彗星は地を鳴らしながら近づいてくる。
「一撃で仕留めるぞ」
「うん」
2人で剣を持つ。
剣の柄に着いたキーホルダーが風に揺れる。
剣に、全ての魔力を注ぎ込む。
刀身が、赤と桃色の光を纏い始める。
闇夜、停電した街に彗星と剣の光だけが響き渡る。
……一閃。
「「”火之迦具土・デイブレイク”!」」
太陽が如き熱と光を纏う剣が振り下ろされた!
その一撃は、街を真っ二つに割り、彗星の体に衝突する!
光が、街を包み込む!
数秒後、光が消え、その結果だけが視界に残った。
「やったか!?」
「いや……あれは!」
彗星は、相も変わらずそこに佇んでいた。
もう、終わりだ。




