#68 画竜添生③
帰ってきたぞ……1日2話投稿が!
目を開いた次の瞬間、世界は黒と白で染まり切っていた。
そして、彼女の背後には長い体を持った龍が現れていた。
「”絶界・画竜添生”」
龍は雄叫びを上げると、周囲を飛び回り始めた!
「なにこ……なんか白黒になってる!?」
「うわっ!? 本当だ!」
気づけば自身や雄一、それに彼女の体までもが白と黒になっている。
まるで絵の中にいるかのようだ。
「行け! 画竜!」
シンプル!
絵に描かれた龍はその指示を受け、すぐに私たちの方に飛んでくる!
電車のように速いスピードで突っ込み、再び高い位置へと戻る。
「この画竜添生ってのはね、絵に描いたものに生を添える術なんだよ。ま、生を添えると言ってもこんな事もできるけどねッ!」
彼女は一瞬で大砲を描きあげ、導火線に炎の絵を描くと、大砲から鉄球が放たれた!
「うわッ!」
大砲は綺麗な軌道で私たちの方へと飛んでくる!
「ほらほら、どんどん行くよ!」
彼女は次々と大砲を描き上げていく!
そこに再び、龍が飛んでくる!
「ひゃッ!」
あまりの速さに避けることしかできな……雄一が龍を掴んだ!?
「これでも喰らえ!」
雄一の足が白黒の炎を宿し、強力な蹴りを龍の背中に浴びせる!
しかし、龍は全く効いている素振りを見せない!
「なんだこの……」
そう言いかけた瞬間、雄一は振り下ろされた!
強く地面に衝突する!
「ッ……アイツのタフさ、尋常じゃない。さっきのヤツらと段違いだ」
「そりゃそーだよ。だって今までは紙を破る行為に等しかったけど、今は君たちを含めての絵の世界なんだから。絵の内側から紙を破くことは無理だよ」
流畏咲は懐から筆を2本取り出し、こちらに投げる。
「このままじゃつまんないしさー、君たちも何か描いてみてよ」
「はぁぁぁぁ!? 舐めてるでしょ!!??」
ムキになり筆を使い、力強く大砲を描く!
「行けぇ!」
導火線に火をつけ、大砲を発射し……!
発射しようと……
……
大砲は、ほんの50センチほど飛び、すぐに落ちた。
「あははははは!!! ふひひへふふへほひ!!! そんな!! そんな下手な絵じゃ!! そんかヘンテコなのしかできないよ!! ははへひふほひへ!!」
カーッ!
イラつくやつ!
あと笑い方キモッ!
「雄一も何か描いてよ!」
「……」
「雄一…?」
「……」
「おーい」
「僕……ウサギとワンコしか描けない……」
「……可愛い…チョイスだね」
大砲もどきを吹き飛ばし、2人の間を龍が通り過ぎる!
「いやーあははははひふふへほほひへはへ!!! こりゃ傑作だね!!」
「笑うなぁ!」
私たちの画力じゃ勝てない!
こんなとき、他のみんななら……
「それじゃ、そろそろお開きにでも……」
「うわ!? なんだこの空間!?」
勝った。
そう確信した。
漫画家志望で絵だけは一丁前な男、陽奈山蒼馬が来たのだ。




