#66 Under Comon②
アンダーコモン、共通的常識の中から特異性を引き出す機械。
つまり、忍羽の世界では「忍び」という存在が他の世界から見て特異的なものであり、雄一の世界では「ヒーロー」というものが特異的……
「特異性って、その世界にひとつって訳じゃないのか」
「あぁ、現に愛鈴と雄一は共通した世界の存在だが、その『ヒーロー』と『魔法少女』という性質はどちらも特異的だ」
「……なるほど。ま、それはいいとして、ひとつ解せない事がある」
「なんだ?」
「アンダーコモンにカードを差し込んだときの音声、『シノビ!』とか、『ヒーロー!』とかって鳴ってるが、それが特異性を象徴するものだとすれば、俺の『オリジン!』ってのは何なんだ?」
「なるほど……俺も知りたいなそれは」
影はやる気なく答えた。
ま、そうだよな。
多少は他の存在の意思も混在しているらしいが、あの影自体は俺の記憶を寄せ集めて作った存在みたいだし。
「ところでお前、そろそろ話を本題に戻さなくていいのか?」
「え……あぁ! そういえば目覚まさなくちゃか!」
「忘れんなよ」
影がゆっくりと立ち上がる。
「俺と手合わせしてみないか? もしかしたらそのときの衝撃で起きるかもな」
「あぁ、そうしよう」
影が大きくなり、剣の影のようなものが彼の手に握られる。
「始めるぞ」
赤いリコリスのカードをスロットに差し込む。
『Linker Brave!』
赤い花びらが散り、中世の旅人のような装いを形成する。
そして、手にリコリスの花束が添えられると、弾け、片手斧となる。
「……斧?」
自身が手に持っているソレをよく見てみる。
……うん、斧だ。
赤い光沢のある装飾のされた斧だ。
いや剣じゃないの?
オリジンの方と被るから?
影が先制攻撃を仕掛けた!
「っぶねぇ!」
右手に持った斧で、その剣を受け止める。
いつもより力が入る!
「”獄炎直天”!」
炎を纏った一撃が振り下ろされる!
影は避ける事なく攻撃を受け、真っ二つとなった!
が、しかし! そのままふたつの影へと分裂した!
そして、その手に持っていた剣は、気づけば銃へと変わっている!
「どうやら物理干渉は聞かないみたいだな」
リコリスのカードを抜き、ピンクのコスモスのカードを差し込む。
『Linker WitchG!』
ピンクの花びらが散り、青い魔法少女のような装いに……
俺の威厳が……
ピンクの服にはそぐわない青い髪が伸び、ティアラのようなものまで……
その手にはコスモスの花束が握られ、弾け飛ぶとステッキへと早替わりする。
「……ッ」
体の震えが止まらない……
「「草」」
「おま、ふざけんなよ!」
杖に力を溜めると、魔弾が放たれる!
弾はひとりでに飛んでいき、それぞれの影の方へとホーミングしながら近づいていく!
「”コレクスター”!」
魔弾は次々と放たれ、影に命中する!
次の瞬間、影はひとつへと戻り、何重ものバリアを作り出す!
そして魔弾は、すべて1枚目のバリアによって止められてしまう!
「ならコイツで!」
青薔薇のカードを取り出し、セットしようとする!
その時! 青薔薇のカードが撃たれ、地面に落ちた!
「は?」




