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#6 あまりに呆気ない退場

2025年 4月8日(TUE)


「今日はあんま食材買えなかったからコンビニパンな。あと、昨日炊いといて忘れてた米でおにぎり作っておいたからよければ持ってって」


「ありがとう。マジ助かる」


 昨日出現した怪物……いや、エヴォクションの場所を割り出し、決戦の日となった。


「いやーお前らの勇姿見届けたかったわ」


「お前は大人しく大学行っとけ。その方が安全だろ」


「あはは……期待しとく」


 階段を駆け降りる音が聞こえた。


「場所! わかったよ! この家の近くに流れてる水路から下水道に入った地下にあるみたい!」


「うわめっちゃ近所じゃん」


「家の庭に不発弾埋まってた気分だ」


 柊命と愛鈴はそれぞれ荷物を持った。


「んじゃ、今から行ってくる」


「おー頑張れ」


 玄関の扉がガチャリと開けられ、家の中には俺だけが残される。


 ……さて、ついてくか。






 数分住宅街を進んだ後、すぐ近くの川に着く。


 川と言ってもコンクリートで舗装された川、実質的には雨水を逃すためだけの道のようなものだ。


 二人はそんな川、いや水路に降り、下水路へ進んでいく。


 当然、俺も少し距離を置いて追いかける。


 邪魔だとはわかってる。


 でも好奇心は止め度を知らない。


 一度痛い目に遭うべきだと自分でも思う。


 そんな訳で、以前オオカミに襲われた時使いそびれた倉庫の秘密兵器を持ってきた。


 これで多少は力になれるはず……


 進むこと2分、下水路の左側の壁に大穴が空いているのが見つかった。


「何これ?」


「わからん、これじゃね?」


「あ、階段になってる!」


「んじゃ、オレが先陣切るから続け」


「りょーかい」


 二人は警戒しながら穴の中に入っていく。


 …‥警戒してるなら俺に気付けよ。


 ゆっくりと後に着いていく。


 すると、突然左肩をツンツンと突かれた。


「?」



 振り返るとそこにはボロボロとなった先日の怪物が……



「ギャァァァァァァァァアアアア!!!!!」



 アウターの内ポケットから秘密兵器、回転式拳銃を取り出した!



 そして、焦りすぎて拳銃をメリケンサックのようにして怪物の頭を殴りまくる!



「な、何だ!? ……蒼馬!?」


「なんでいるの!?」


 化け物が腕を掴む!


「ウワァァァァァァァァ!!!!」


 引き金を一度引き、乾いた破裂音と共にその拳銃から煙が上がる!


 そして、その弾が化け物の眉間にヒットした!


 怪物は一瞬硬直した後、後方へと倒れ痙攣し、数秒後には完全に動かなくなる。


「……」


「……蒼馬?」


「……はい?」


「まず何から聞けばいい?」


「火曜は大学の講義取ってないです」


「ちがう、そうじゃない」


「連れてってください」


「……いや、それは別にいい。解決したら蘇るだろうし、ここまで来ておきながら説得するのは諦めた。ただそれじゃない」


「拳銃ってかっこいいよね」


「そうだな。本物なら尚更な。本物ならな」


「……」


「……」


「……警察には……突き出さないでください」


「なんで本物の銃持ってんの? あんなに俺の武器は目立たせるなって言ってたのに」


「……倉庫に……入居したときからあったんだよ……」


「お前ん家の倉庫は防空壕か何かなの?」


「仕方ないじゃん! あったんだから!」


 我ながら、なかなかの逆ギレである。


「それにさ! 拳銃って鈍器にもなるんだよ! すごくない!? これは軽すぎて無理だけどね!」


「は? いや……もういいよ。俺も人の事言えないし……」


「あれ、もしかしてまともなの私だけ……?」


 静寂が訪れる。


「……ギリ反論できん」


「いや、でもあんパン盗んだし犯罪起こしたって点だと同類だな」


「確かに」


「いや私と君たちじゃ罪の重さが違うでしょ! ほら、先行くよ!」


 崩壊した壁の先、地下への階段は果てしなく続いている。


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