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#59 ギャーシャベッター!!!

「…ま……蒼馬……」


 気がつくと、そこは洞窟の中のようであった。


 硬い土のような壁と床、洞窟って言ってもリアルのアレじゃなくてファンタジーっぽい。


 というか、空の明かりが届いてないはずなのに周囲がよく見える。


 そして、目の前には忍羽がいた。


「よかった……やっと目覚ました……」


「ここは?」


「わからない…気づいたらここに……」


「……あのモグラの仕業か」


 恐らく、先ほどのモグラたちの攻撃の後、地面が崩れて落ちたとか、そんな感じだろう。


「他のみんなは?」


「この辺りにはいないみたいなの」


「弱ったな……愛鈴は手負いだし、柊命はまだ本調子じゃないだろうし……アイツらが雄一と一緒にいる事に賭けるしかないか」


 痛む全身をゆっくりと上げる。


 そして、固い土の上にゆっくりと立つ。


「……携帯は圏外か」


「どうする? ひとまず上に上がってみる?」


「そうだな。ずっと地下で仲間を捜すよりはそっちの方がいいかもしれない」


 土の道を歩き始める。


 天井はかなり高く、道も広い。


 そして、綺麗な一本道が掘られている。


 あのモグラかなり仕事が丁寧なんだな。


 道は果てしなく続いていて先も見えない。


「かなり長いね」


「そうだな」


「しりとりでもする?」


「りんご」


「ごりら」




 数十分後


「骨粗鬆症」


「ウイルス性急性胃腸炎……あ」


「それもう言いたかっただけだろ」


 しりとりは終わったが、未だに先が見えない。


「これ……どこまで続いてるんだ?」


「でもいつか出口が見つかるよ」


「まぁ……それは……いや、これもう天井を突き抜ける方が早くね?」


「でも道具ないよ?」


「そうだな……分身で頭数だけは増やすか」


 懐からカードを取り出そうとする……が、見つからない。


「あれ?」


「どうしたの?」


「いや……なくしたかも」


「えぇ!?」


 身体中探してみるが、カードは見つからない。


 落下する最中に落としたか?


「……流石にこの広い洞窟の中探すのは無法だな。惜しいが手放すか」


「本当にいいの!? 探すの手伝うよ!?」


「安心しろ。パターン的に多分柊命と愛鈴のカードもその内出てくる。それでやりくりするさ」


「わ…わかったよ」


「それより今は外に出るのが先だ。天を突くドリルでもあればな……」


「それ前にも言ってたね」


「あぁ、そういえばそ……」



 ……ん?



 0.05秒の思考の末、気づけば運動靴を履いた足が彼女の顔面目掛け蹴りを放っていた。



 彼女はそれを片手で受け止める。


「どうしたの? 蒼馬」


「お前、この会話がいつのか覚えてるか?」


「えーっと、4月の8日かな?」


「午前? 午後?」


「午前だね」



 足をすぐに引っ込め、腹に向けさらなる蹴りを入れる!



 今度の攻撃は抑えきれず、彼女はそのまま洞窟の壁にぶつかる。



「今ので確信した。お前、偽物だな?」


「何……言ってるの……? ひどい…じゃん?」


「まず、以前ドリルの話をしたのは4月8日の午前、このとき、お前はまだダンボールの中だった。何気ないその場限りの会話だったし、愛鈴と柊命から聞いたって線もきっとない」


「……」


「誰だ? あのときのイカか?」


 少女はその体が溶けていき、エヴォクションへと姿を変える。


「……やっぱり、お前は変身系の何かだな? あのイカは間違いなく絶命して灰になってたはずだ」


「……チッ。だが少し違うな」


「イカが喋った!?!?」


「ここはお前の夢の中だ。お前自らの意思で逃げることはできないし都合のいい妄想もできない。ちなみに、俺はアンタの知識と認識から生まれた寄せ集めの虚像だ」


 エヴォクションは再び体を溶かし、真っ黒な人形の影となった。


 トパーズのような目が暗い洞窟の中で輝く。


「暇つぶし、付き合うぜ」

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