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#56 忍びっぽさとは?(哲学)

 八王子に着いた。


 てかもう夕方。


 これ、このままだと気づいた頃には日付変わってるんじゃね?


「それで、柊命はどこにいるの?」


「あぁ、この近くの…トンネル超えた先の大学がいっぱいある所の…山っぽい所だな」


「だいぶアバウトじゃない?」


「一応詳細な地図は貰ってるから問題ない。近くまでタクシー拾って行くぞ。仮眠取るなら今のうちにな」


「どれくらい時間取れるの?」


「10分前後だな」


「それなら寝て休憩よりも寝ない工夫をするよ……」






 てな訳で森の中。


 木々が生い茂る中進んでいくと、ひとつのマンホールが見つかる。


「ここで合ってるはずだ」


「今回はマンホールなんだね」


「普段は鉄の扉みたいなので隠してたけど、最初の頃はマンホールで隠してたんだよ。ただそれだと街中でバレる可能性があるから」


「どちらにしても大概バレるくね?」


「まぁ、それはそうなんだけど、雨水が入ってくることに後から気づいてね……」


「……もしかして設計者バカ?」


「うーん……バカってよりも建築のど素人だね」


 何故途中で鉄の扉を設置し直さなかったのか謎なマンホールを取り外すと、地下への道が広がっている。


 底は深く、見えない。


「また階段か……」


「もうやだ……」


「あれ、エレベーター口もあるはずだよ」


「だよな」


「えマジ!?」


 元敵組2名がそんな事を言い出した。


「え!? どこどこ!?」


「あいや、僕たちはここには来たことないから……ただ、どこもエレベーターはあるはず」


「流石にあの階段を毎回毎回上り下りするのはバカでしょ。だからエレベーターと階段口、裏口があるの」


「3方向の出入り口……挟み撃ちの形になるな……」


「別に今回は挟み撃ちする必要ないよ……」


「確かに」


「まぁ今回はさ、仕方ないけど階段降りた方がいいかもね」


「うーん、まぁ帰りにエレベーター見つかるかもだしそうだね」


「というか、今はいかに楽して降りるかよりどうやって柊命を救い出すかだな」


「ひとまず降りてみよっか」




 長い階段を降りた先、案の定鉄の扉がある。


「……どうせこの先に研究員とか培養液に漬けられたエヴォクションがいるんだろうな」


「もうテンプレだね」


「いや、今回はそうとも限らないかも」


「マジ?」


「今回は入り口を見るに旧型っぽいし、それに普通の基地より重要度が高いから独自の形をしてる可能性の方が高いかな」


「そうか……」


「ひとまず開けてみよう。僕が先陣を取る」


 そう言うと雄一が勢いよく扉を開いた。


 その先にはいつもと違い、玄関ホールのようなものがある。


 前方には地下へと進む階段、その先には木材の大きな扉があり、玄関ホールの左右には長い廊下が続いている。


 さらに階段にはレッドカーペットが敷かれており、壁も清潔感と高級感のある白い素材で、あたかも屋敷のようであった。


「随分と変わってるな」


「これ、多分話にだけ聞いてた2番目に重要な施設かも……」


「そうなのか?」


「うん。行ったことはないんだけど、重要な研究のほとんどをここで行ってて警備用のヒーローや魔法少女もある程度いるみたい」


「警備が1人もいないんだが?」


「これ、誘い出されてるのかもね」


 全員が部屋に入ると、ひとりでに扉が閉まった。


 扉を開こうとしてみても、固く開かない。


「……罠じゃん」


「でも今追い込まれてるはずなのに警備来てなくない?」


「なんだろうこれ……もしかしておかあさま的に普通に捕える以上の何か目的があるのかも……」


「怖いなそれ」


 雄一が警戒を解き、こちらを向く。


「……これからどうする? 罠を警戒して集団で行動するか、一刻も早く柊命を見つけるためにバラバラに分かれるか?」


「まぁ、罠と捉えた方がいいよな」


「それならさ、私だけ別行動でいいかな?」


 突然、忍羽がそんな事を言い出す。


「え!? なんで!?」


「いや、忍びの本分って隠密行動だからさ、敵に見つからなければ戦う必要もないし、それに別れた方が見つかりやすいでしょ?」


「まぁ、確かに……でも見つかったらかなり…….」


「大丈夫! 忍びだから罠がありそうな場所とか丸わかりだよ!」


「……じゃあ頼むわ。俺らは右の部屋を調べるから、左の部屋を頼む。終わり次第ここで合流な」


「了解!」


 そう言うと、一瞬にして姿を消した。


「……正直さ、今までの感じ的に忍びかどうかわからなかったんだけど…本物だった」


「あまり忍びっぽくはないよね」

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