#53 溶金・下
彼を殴った感覚は虚空に消えた。
刹那、背後の残像が実体を持ち、強力な一撃を叩き込まれた。
激しい衝撃と共に、その場に倒れた。
「……!」
「どうだ! これが運結様の力だ!」
震える腕で地面を支えにしながら立ち上がる。
再び彼は残像を生み出し、二手に分かれながら距離を詰める。
今度は残像の方を殴ってみるが、やはり手応えがない。
「馬鹿め!」
そのまま、本体から強い一撃をぶつけられる。
「……!」
アーマーから煙が噴き出す。
「お前はヒーローにはなれない! ヒーローってのはな、強いだけじゃないんだ! どれだけ賢いか、どれだけ立ち回りが上手いか! ただそれだけなんだよ! お前は今、ヒーローとしても、あの世界に住む人間としても、絶対に楯突いちゃいけない人に喧嘩を売っている! そんな阿呆、もうヒーローじゃねぇんだよ!」
再び残像を生み出し、同時に殴りを入れようとする。
それを、両手で受け止めた。
「なに!?」
「……僕、信じてた」
「は?」
「社長は、ヒーローは、魔法少女の適性がない少年少女でも輝けるって教えてくれた」
「お前、何言って……?」
「あの世界は、魔法少女達が台頭してから、テレビの特撮でも女の子が活躍するようなものばっかりで、僕たちみたいなのは輝けないんだって……」
拳を受け止める力が強くなる。
「それでも、ヒーロー達が台頭してからは、僕も人のために、命を賭けて守る事ができるんだって……だけど、ヒーロー事務所に入って、現実を叩きつけられた……ヒーローは、ただ正義のためには輝けない」
「だから……だからどうし……!」
「ヒーローはッ! 男の子の憧れだったんだ! 輝けるって! 守れるって! みんな信じてたんだ!」
拳を止めていた手を押し返す。
突然の事に、彼は尻餅をついた。
「僕は……理想の正義を追い続ける。仮に先を誰も走ってなくても、自分の正義が他人と相違したとしても、僕は理想のヒーローになる! 誰かを守り、本物の夢と希望を与えるヒーローに!」
全身のアーマーから、大量の蒸気が溢れ出す!
そして、アーマーは熱を帯びる。
「”ボルケーノアクセル”」
その場に残像が残るような、素早い動きで彼との距離を詰め、拳を顔面にぶつける!
「なッ!?」
彼は吹き飛び、無様に地面を転がった。
「クソが!」
力強く立ち上がる。
“ボルケーノアクセル”、全身に多大なダメージ、そして相手に多くダメージを与えたときに短時間発生させられる加速、攻撃強化技。
この短時間でケリをつける!
「舐めんなよッ!」
彼は再び分身する!
拳が振るわれる前に蹴りを入れると、もう一方が残像から本体へと成り変わる。
その新たな本体を殴ると、残像が新たな本体となる。
高速な動きで、その全ての攻撃を無力化する!
このままだといたちごっこだ。
ふと、アーマーの違和感に気づいた。
蒸気排出口から、1枚のカードが飛び出す。
「これって……なるほど。受け取れ!」
素早く、陽奈山にカードを投げた。
それには、黄色いガーベラが描かれている。
「なるほど、悪い忍羽! あと少し1人で耐えてくれ!」
「えぇ!? う、うん! 頑張る!」
陽奈山は、カードをスロットに入れた。
『Linker Hero』
「反応した! 変身!」
蓋を押し出すと、黄色い花びらが散り、それがまさにヒーローのような黄色い装甲を形取る。
「な、なんか色違くない!?」
「いいから加勢してくれ!」
「おうよ!」
陽奈山がこの混戦状態の中乱入し、2人でゴルディを攻撃していく!
僕が残像を倒した瞬間に、陽奈山が本体に攻撃を与え、陽奈山が残像を倒した瞬間に、僕が本体にダメージを与える!
彼の分身は解除され、後方に倒れる!
「行くぞ陽奈山」
「あぁ、幕引きだ!」
スロットからカードを引き抜き、右の手の甲のスロットに差し込む!
『Liast Drive』
「やめろ! オレはゴルディジェネ様だぞ!」
「”コメット・ブレイク!”」
陽奈山の片足から黄色い光を放つ!
「”ヴォルイーガ・メテオ”!」
僕の足からも赤い光が放たれる!
そして、2人同時に飛び立ち、本体と分身に同時にキックを決めた!
「クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
彼は巨大な爆発と共に、無惨にも膝から崩れ落ちた。
エヴォクションと魔物たちは負けを悟ったのか去っていった。
そして、陽奈山の変身が自動で解除される。
「やった! 特撮キックだ! 俺一度やってみたかったんだよね!!!」
「それは…よかったな!」
マスクの下、僕は最高の笑顔で彼と手を交わした!
オッス、オラ筆者!
なろうとは少し疎遠な話だがカクヨムで公式コンクールが始まるらしいな!
オラワクワクすっぞ!
で、これはそれに向けた宣伝かって?
……違うんすよ初見さん。
我開催期間は17歳故に参加権なし。
参加できるけどさ、親の同意が必要やねん。
創作やってる人って、一定数親バレしたくない人がいんねん。
つまり……さ、出られんねん。
オラFu*kFu*kすんぞ!
とまぁ、そんな愚痴です。
本作は多分恐らくきっと10月中に完結します。
例のコンクールが終わったら、次はcon作品じゃない方の新作出しますかね。
ま、con作品がどうこうって3作目でようやくわかるようになるんですけどね。
実はもう、3作目に向けた伏線をちょくちょく……ね




