#48 なおメッキの模様
2025年 4月30日 (WED)
良い目覚めだった。
今朝は目覚ましの鳴る10分前にたまたま起き、筋肉痛は全て治っていた。
そのまま1階へ下り、顔を洗い、家のシャッターを上げると、朝日が部屋に入る。
そして、そのまま朝食の準備を始める。
久しぶりにコーヒーも淹れる。
あぁ、優雅な朝。
……さて、今日の対策を考えるか。
ダイニングの椅子に座った。
昨日、雄一に送られたあのメール、モルモットを捕まえるというやつ。
あれ、多分エヴォクション大量に出して大量誘拐しようぜ!って内容だよな。
しかも、幹部も出るとのこと。
なんやかんやで幹部とか新出単語だな。
でも、雄一曰く幹部なら柊命の場所についての情報持ってるかもとかなんとか。
それはまぁ……自分たちでどうにかすればいい。
問題は大量にエヴォクションが出るということだ。
それによって、大まかなヤツらの潜伏範囲は割り出せるが、あまりに広いようじゃ俺たちでカバー仕切れない。
他に同じような活動してるヤツらがいればいいんだが……
コーヒーを一口飲み、考え……にっっっが!
と、とりあえず、エヴォクションが大量発生する事に関しては、確実にカバー仕切れない。
なんせ、昨日の愛鈴の発言からして、もう南関東全域はエヴォクションが発生する可能性が高いとわかっているのだ。
もう……目に見える範囲で頑張るしかない。
修正力で……ね。
もうそれしか手がないし、猫の手も借りたいし。
「あ、おはよー」
「おはよ」
忍羽が階段を下りてリビングにやってきた。
「お米は先炊いといた」
「ありがと」
忍羽が目の前の席に座る。
「……今日、あのメール通りならかなりやばい事になるな」
「うん、なるね」
「俺らの他にエヴォクションとか魔物とかと戦ってるヤツっているんかな?」
「うーん、仮にいるなら1度くらい会っててもおかしくない気がするけどね」
「そうだな。俺たちが会ったのって港区の忍び道具作りのおじさんだけだもんな」
「どうする? 探してみる?」
「……いや、いいや。仮にいるなら勝手に戦ってくれるだろうし、恐らく探す余裕もない」
「だよねー」
「だから俺らのやる事は現状だと3つ。ひとつ目は幹部を捕まえて柊命の情報を聞き出す。ふたつ目はそれをもとに柊命を取り返す。最後に、根本の原因のあの魔法少女を倒して、その修正力で全てをもとに戻す。そしたら、多分お前たちも元の世界に戻れる」
「なるほど……そうやって考えたら先はそう長くないかもね」
「あぁ、もうひと踏ん張りだ。誤算がなければな」
「変なフラグ立てないでよ……」
何事もなく午後になった。
大学はサボった。
で、今は倉庫地下で鍛錬をしていた。
やっぱあのメールはデマだったのか……?
いや、でもあれ全体メールっぽかったよな……
突然、地下への扉が激しく開かれた!
「蒼馬! なんかSNS見たらもう出てるみたい!」
「マジ!?」
「結構近くの市民文化センターだって!」
「マジか! なんで揃いに揃ってあの公園の近くに出てくるんだよ! 呪われてんのかアソコ!」
地下から飛び出し、急いで向かった。
例の場所に辿り着くと、建物から出てきたであろう人々が襲われており、その周囲にはエヴォクションが3体と、魔物が複数体、そして1人の男がいた。
男は黄金の装甲で、目元には保護用だろうか、レンズがサングラスになったゴーグルをしており、背中にはジェット噴射機が付いている。
そして、何よりも両手についた黄金の拳が一際目を引く。
「なんだコイツ醜い!」
「おいおい、第一声がそれか」
「あ、ごめん本心出た」
男は笑顔でこちらの目をしっかり見る。
「はっはっはっ! 俺の名は”ゴルディジェネラ”! どんなやつが来るかと思えばヒョロいガキじゃないか! この俺様の筋肉を見ろよ」
「全身が金の鎧のせいで顔と首の筋肉しか見えねぇよ!」
「お、そうか……まあいい! 勝負だ小僧! 一度あのテイマーを退けた実力、見せてもらおうか!」




