#45 状況、一転じゃなくて二転かな
2025年 4月29日 (TUE)
目が覚めたら、ベッドの上だった。
「あ、起きた!」
「忍…羽……?」
重い体を起こし、ベッドの上に座る。
「昨日、戦いが終わったらすぐに倒れちゃって、それで全く起きなくて! もう心配したんだよ!」
「……あぁ、悪い……てか、柊命と愛鈴は!」
「愛鈴はもう起きてる。柊命は……どこにいるかわからない……」
「……そうか」
頭を掻く。
「とりあえず、起き……イテテテテ」
立ちあがろうとすると、全身に痛みが走る!
筋肉痛なんて久しぶりだ。
割とよく殺陣の自主練はしてたのに……
このくらい動いても筋肉痛ならないもんかと思ってた……
「蒼馬は安静にしてて」
「いや、今後のことも話し合っておかなくちゃいけないし、ひとまずは起きないと……」
全身の痛みに耐えながら、ゆっくりと起き上がった。
ふと、左手に違和感を感じる。
左手には、なんだか謎の機械が……あぁ、昨日なんか白い箱が変形してできたやつか。
左手から取り外した。
「これって……何なんだ?」
「あれ、蒼馬もわかってなかったの?」
「え? あぁ、なんかよくわからないまま持ってた」
「そっか」
「……昨日の夜で、状況が一転したな」
「うん、この先どうなっちゃうのかな」
愛鈴の部屋の扉をノックし、開くと、そこには袖で隠れてはいるが明らかに左腕のない愛鈴がベッドで寝ていた。
「愛鈴……」
そして、その側には2、30代ほどの男がいた。
「……誰?」
男は茶髪で、身長がかなり高い。
多分、180くらい?
「ああ、この姿で会うのは初めてだったか。僕の名前は柳沢 雄一、昨日お前と戦ったあの赤いやつだ」
すぐに身構えた。
「落ち着け、昨日のあんな戦い見せつけられて戦意失ったわ」
「この人さ、2人をここまで運ぶの手伝ってくれたの」
「そうか……」
警戒を解いた。
「しかし、どういう風の吹き回しだ?」
「いや、単にこういうのを見過ごせないだけだ。運結が起きたら僕も帰る」
……なんだかとっても不思議な感じだ。
「にしても、お前は何者なんだ? あのスーツ、ヒーローか何か?」
「ご明察」
「ヒーローって、もっとこう、正義のために戦うものかと勘違いしてた」
「人は善であれ、悪であれ、自らを正義だと錯覚してる事が多い。僕もその1人だと思う。結局は主観なんだ」
「……お前が、アイツらを正義だと思えゆる何かがあるって事か」
「……ああ、まあ」
「一体、アイツらは何が目的なんだ? 柊命を攫って……」
「それは……わからない。ただ、今はΩ魔法とやらの研究をしているらしい。恐らくその一環だ」
「Ω魔法……あぁ、なんかそんな資料あったな」
「僕も詳しくは知らないんだが、話によると新世界を創造できるらしい」
「新世界?」
「なんか……平和な世界。僕が知ってるのはそこまでだ」
「そうか……」
あまり有益な情報は聞き出せなさそうだ。
いや、有益な情報を聞き出すだけなら、もっと適任の人がいた。
「……っん、んー」
愛鈴が目を覚ました。
そして、手をベッドにつけ起きあがろうとするが、左手がなく、バランスを崩した。
一瞬よろめいたが、そのまま起き上がる。
「愛鈴!」
「忍羽……ちゃん?」
忍羽が愛鈴に抱きつく。
「よかった……心配だったんだよ……!」
「愛鈴……無事でよかった」
「ごめん…みんな……裏切るような真似をして……」
「愛鈴が生きてたからいいんだよ! 本当によかった!」
「……柊命は?」
「わからない、あの紫の魔法少女に連れられて行方不明だ」
「そっか、おかあさまが……」
「なぁ、教えてくれないか? 一体何があったのか」
「……うん」
愛鈴がベッドから足を下ろし、椅子のように座る。
「私ね、4歳のときに養子に出されて、そのときおかあさまと出会ったの。名前は運結 フミ、魔法少女を統括する協会の日本支部のリーダーしてるの」
「協会の日本支部……」
「おかあさまとエヴォクションの研究機関は繋がっていて、今回の施設の配置とか、そういうのは全部おかあさまが主導でやってる。例の無差別的な平行世界からの人物や生き物の転移もおかあさまが原因なの」
「……知ってて、黙ってたんだな」
「……うん」
「……俺はそういうのすんなりと受け入れられるほど場慣れはしてない。それに、許せるとか、許せないとかも考える気にはなれない。なんか、唖然としてる」
「……ごめん」
「だから、もうお前がした事は忘れようって思ってる。こうやって謝れたんだから、ああやってきたのも本性じゃないんだろ。だから、少なくとも俺は水に流したい」
「うん! 今は次のことを考えよう!」
「みんな……」
「お前だって、今も柊命のことで気が気じゃないんだろ?」
「そ、それは……」
「ま、ひとまずお前はお休みだ。俺らで柊命取り返してくるから、待ってろよ!」
「う、うん!」
「愛鈴、柊命がいそうな場所で思い当たるところはあるか?」
「え、えーっとね、ここ!」
愛鈴が地図を指差す。
「よし、じゃあ行くか!」
「蒼馬、君も安静にしないと駄目だよ」
「あ……」
シリアスタイムが終わったので、やっと後書きで自談が書けます。
実は私、インターネッツを触るのって今作が初めてで、Twitter(現X)とかでポストした事ないんすよ。
だから、レビューを返信するにも、他の作者さんの作品をフォローしたりするのもその一歩が怖い!
でも、精神が落ち着いてきたらいろんな人と相互さんになりたいですね。
ヒッヒッヒッ、インターネッツに何かを投稿する事の重大さで毎回心臓がドクドクしますぜ旦那ぁ!




