#38 東京湾(70km)
2025年 4月28日 (MON)
早朝1時、いよいよ約束の日となった。
私は窓を開け、鳥が部屋に入ってくるのを待った。
するとすぐ、1匹の鳩が足に手紙を結びつけ、部屋の中に入ってきた。
そして、それをほどき、読む。
『嗚呼、私の愛しの愛鈴。いよいよこの日がやってきました。あなたは置き手紙を残し、この手紙下部に記した場所に来なさい。貴方の成長、そして成果を楽しみに待っています』
「……いよいよかな」
手紙に書いてある通り、事前に準備した置き手紙を部屋の机の上に置き、準備していた服に替え、運動靴を履いた。
そして、スマホの主電源を切り、大きなカバンを持つ。
……それと、ピンクのマグカップをカバンにしまった。
あぁ、ついにこの時が来ちゃった。
ここ3週間くらい、楽しかったな。
柊命……
「それじゃ……さようなら」
窓枠に足をかけ、そのまま夜の街へと駆け出した。
「……ん?」
気づけば朝になっていた。
カフェで過ごしていたのは……夢?
いや、あのときの服を着たまま寝てたみたいだし、運ばれたのか?
なんか、めちゃくちゃ体の疲れが取れた気がする。
時計を見ると……10時、多分遅刻だな。
朝食、多分作るの任せっきりになっちゃったかもな。
少し反省しながら階段を降りる。
すると、そこには柊命と忍羽がいた。
「え? ああ、蒼馬。やっと起きたか」
「もう、何度起こそうとしても死んだように起きなかったんだから」
もしかして俺、昨日一服盛られたか?
「とりあえず蒼馬、寝起きで悪いんだがコレを見てくれ」
「ん? なんだ?」
柊命から1枚の紙を渡された。
『ごめんなさい。どうしても巻き込みたくなかったです。探さないでください』
「これ……どう思う?」
「アイツ……1人で何か抱え込んでるみたいだな」
「これ探しに行かないとだよね!」
「ああ、オレも同意見だ」
「どうやって探す? 今回はガチのノーヒントだぞ」
「それが、アイツの部屋を忍羽に探ってもらったら、大体の想定がつけそうなものが見つかった」
「いつのまにそこまで話が……」
「これなんだけどね……」
忍羽が1枚の紙を手渡す。
『運結愛鈴、お前の大事な魔法少女の仲間たちは預かった。返してほしければ1人で東京湾のあの場所に来い。お前ならどこかわかるだろ』
「範囲広!?」
「とりあえず、3人で東京に向かうぞ」
「あ、あぁ! すぐに準備してくる!」
電車で1時間、とりあえずレインボーブリッヂの近くに来た。
「ま、ここにはいないよな」
ヒントは東京湾だけ。
正直なところ、大分無理のある話だ。
「どうする? 別れて探すか?」
「いや、この辺りまでくれば、アイツの魔力の気配を感じてしがみつぶしでいける」
「魔力の気配?」
「ああ、一度体内に取り入れた魔力だからな。全神経を集中させれば半径2キロ以内に愛鈴の魔力があれば探知できる」
「2キロ……不可能じゃないがかなり難しい……」
「あ!待って! そういえばこの辺りに例の忍者用の道具を作ってる人がいるみたい! その人なら何か人探しにいい物を持ってるかも!」
「本当か!?」
「うん! 人探しの道具は結構需要があるから、多分取り扱ってるはず!」
「よし! 行くぞ!」




