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#33 わかんねぇって!

 残滓の解析結果が出た。


 場所は別に遠くはなかった。


 というか、魔法陣を使った事じたい疑うレベルだ。


 なんと、この公園の中だ。


 訳わからん。


 いや、出入り口が小さいから魔法陣で出したのか?


 まあいいさ。


 とりあえず、愛鈴たちに連絡するか。


 電話をかけた後、その残滓の示す場所へと向かった。






 辿り着いたのは公園内のとある池。


「ここ……だよな?」


 間違えてはいない……はず。


 どこに入り口があるんだ?


 ……恐る恐る池に入ってみる。


 底はそこまで深くない。


 数歩進むと、足元に何かがぶつかった。


 覗いてみると……鉄製の床扉だった。


「ビンゴか」


 扉の持ち手を掴み、引っ張ると、扉が水面より高い位置まで上がり、そこから開くと、地下へと続く階段が出現した。


 わざわざ浸水しないように入り口が上がるのか。


 ……でもどうしてこんなに人目のつくところに?


 いや、今は問題解決が先決だ。


 地下へと続く果てしなく長い階段を下っていった。






 階段を降りると、普段とは違い木製の扉が置かれていた。


 扉を開くと、その先には木の壁……動かせそうだったから押してみたら、すぐに壁は「ガッシャーン」という音と共に倒れた。


 背面だったためわかりづらかったが棚のようだ。


 ああ、なんか液が漏れ出てる……


 棚を踏み、部屋の中へと侵入する。


 いつもの感じを考えると……いわゆる保管庫だろう。


 そこから部屋の扉を開けると、思った通り廊下に出た。


 なるほど、今回はいつもと逆方向から攻められそうだ。


 ヤツらの研究施設、どこも形状同じなんだな。芸がない。


 大部屋へと繋がる扉を蹴破り、中へ入った!


「カチコミじゃ……あれ?」


 が、その先に広がっていたのは予想外の景色だった。


 普段なら研究系の謎の部屋でエヴォクションが培養液に浸けられていた。


 が、目の前にいたのは普段の部屋の数倍は大きく高さもある部屋に、ダンジョンのような床、そして石の壁に松明の灯り。


 左壁面にはとても幅の広い階段が、右壁面には巨大な檻が、そして部屋の奥には……


「勇者ちゃん、いらっしゃ〜い! タワシの残した証拠、わかってくれたかしら〜」


「ざけんなよ! 何が大きくてわかりやすいだ! 結構時間かかったぞ!」


「あらそう? まあいいわ!」


 男は手元のステッキを一振りすると、巨大な音と共に、彼の背後の巨大な柵が降りていく。


「さあ! やっちゃいなさ〜い! タワシの可愛いペットちゃ〜ん!」


 その背後から現れたのは、昨晩のあのドラゴンであった。


「うふふ、最高の餌やりの始まりよ〜!」






 柊命の報告を受け、俺らは昨日の公園へと向かっていた。


 昨日の騒ぎのせいでタクシーもバスも近くを通れない。


 実は線路も今日は走れていない。


 交通大打撃!


「……やっと着いたぁ」


 だから走ってきた。


「はぁ、はぁ、そ、それで愛鈴? 指定の場所はどこなの?」


「うーんとね、確かこの時計みたいなオブジェクトの近くだね」


 着いた場所は円状の道で、その中心に1段ほどの石レンガで区分けされた芝生のエリアがある。


 そして、そのさらに中心には3本の鉄柱に色んな円盤がついた謎のモニュメントがある。


 愛鈴は、その近くの鷹の置物に近づいた。


「あ、これっぽい!」


 愛鈴が鷹のクチバシの裏を触ると、石レンガで区分された部分が真っ二つとなり、開いた!


「えぇぇぇぇ!?」


「ほら、入り口出て来たみたいだよ」


「いやいや、動じなさすぎだろ!」


「今すごいことが起きてたよ!?」


「慣れっこだよ。スイッチの場所も勘」


「えぇ……」


「と、とりあえず! 先に進もう!」


 大穴を覗くと、地下へと続く階段となっていた。


「また階段か」


「仕方ないから早く降りようよ!」


「……なんか聞こえない?」


「「え?」」


「ちょっと、耳傾けてみて」


 忍羽の言う通りに耳に意識を集中させると……確かに何かが聞こえる。


 なんだこれ……ドタドタ……ドタド……


「なんか……足音多くない?」


「まさか……」


 俺たちは全員、1歩下がった。



 次の瞬間、雪崩のように大量の魔物たちが穴から飛び出してきた!



「……うわ」

「多い……」

「やるしかなさそうだね」


 俺は楽器ケースに入れてきた剣を、愛鈴は変身し、忍羽は午前に手に入れた銃を構える。


 そして、魔物たちは自我を失ったかのように激しい動きで襲いかかってきた!

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