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#31 「不二宮族はね、機械を使わないんだよ」

2025年 4月14日 (MON)


 大学は、連日休業となった。


 理由は単純、昨日のドラゴンだ。


 非常に不可解で悲劇的な昨日の惨状は、人々を大きく混乱させた。


『昨夜、埼玉県内にて100名以上の男女が重傷を負いました。当日、事件現場の周辺では「ドラゴンのようなものを見た」といった投稿が相次いでおり、警察は事件の詳細を調べています』


 これ、慣れてきたからアレだけど、普通にオカルトが現実に侵食したとんでも問題だな。

 

 ……なんか柊命が頭抱えてる。


「大丈夫だよ柊命! きっと数日もすれば見つかるって!」


「ああ、だが1日も早く見つけないと……」


「どうしたんだ?」


「いや、ほら、昨日初めて敵を逃したから、目に見えて被害がヤバくて、ちょっと気が滅入ってるみたい」


「あ、あーなるほど」


「救えたはずなのに……」


 これは……大分きてるな。


 昨日の夜はあまんまりそんな感じがしなかったが、今朝になってそのツケが数字になって帰ってきたのだ。


「大丈夫だよ柊命! 結局は生き返るし! それに撃退したおかげで被害は少なく済んだんだからさ!」


「ま、まあ……」


 重い空気を感じ取り、忍羽が話の舵を変えようとする。


「と、とりあえず! 今日はメモに書いてあった施設の方行かない? ほら、何かヒントあるかもだし」


「賛成だ」


「私も賛成」


「オレは……悪いが1人で捜索させてもらう。何か進展があったら教えてくれ」


「わ、わかった……」


 柊命は早々にご飯を食べ終わると、武器の入ったキーボードケースを担ぎ、出ていった。


「いってきます」


 ガチャリと、玄関の扉が閉められた。


「柊命……大丈夫かな?」


「わからん。ただやってる事は間違えてるわけじゃないし、それにアイツの不安状態が続くと戦いどころじゃならなくなるかもしれん」


「うん。確かに今は一刻も早くどうにかしないとだね」


「……柊命はね、勇者だから。人一倍責任感が強いの。異世界で希望として召喚されて、希望の象徴になったから。自分が頑張らなくちゃ、自分がなんとかしなきゃ……って」


「背負いすぎじゃない? だって彼、14歳のときに転生したんでしょ? 当時だって、今だってまだ子供だよ?」


「確かに最年長俺じゃん」


「もっと、自由に生きてくれてもいいのに……」






 梨疾羅の所属していた研究機関。


 到着からわずか5分で鎮圧。


 研究員はまたどっか行った。


 というか、以前制圧したところと全く同じ構造だったな。


「部屋構造はあんまり変わらないみたいだな」


「それじゃあ、手分けして見ていこっか」


「柊命……大丈夫かな……?」


 愛鈴は朝からずっとこんな様子である。


 廊下手前側から見て、俺が奥の部屋、忍羽が真ん中の部屋、愛鈴は最手前の部屋だ。


 最奥の部屋を開いてみると、以前のように嫌な匂いが充満していた。


 しかし、今回はデカいダンボールはない。


 前回は嫌な予感がよぎってできなかったが、ダンボール箱を1つ、ゆっくりと開いた。


 閉じた。


 臓物が入ってたわ。


 しかも動いてる。


 これは……san値チェックかな。


 ダイスないな、うん。


 考えないことにしよう。


 俺は何も見てない。


 そっと部屋を出た。


 次に、真ん中の部屋に向かった。


「忍羽、調子はどうだ?」


「あ、蒼馬! 凄いよこれ!」


 忍羽は部屋の奥に置いてあったタンスを開ける。


 すると、中から出てきたのはクナイに針、それに……ねずみ型の機械?


「なにこれ?」


 ねずみ型の機械を無警戒に手に取った。


「忍者たち御用達のラジコンだね。ねずみの中身は特注なの。これは……爆弾みたいだね」


「爆弾!?」


 手に持っている物体が急に重く感じる。


 手汗がだらだらだ。


「あ、いや、今は発動しないよ。安全ピンを外してチョ◯Qみたいに引っ張って走らせるから。そしたらね! 壁とか天井、ワイヤーの上に海の底だって走れるんだよ!」


「それってラジコン?」


「ゼンマイ爆弾!」


「だよな……」


「職人の人の連絡先もあるからお金さえあれば依頼できるかも!」


「あー……一応、俺の財布も限界はあるからな。ポケットマネーで兵器は作れないぞ」


「そんな大層なものじゃないよ。あ、これ3つくらい使った形跡があるけど、全部まだ使えるよ!」


「なんでだろ?」


「多分、試しにやってみたけど機械音痴だったのかな?」


「チ◯ロQに音痴もクソもないだろ」


「で、こっちのタンスには銃と実弾がこんなに!」


「あ、俺ンチの銃と同じモデルだ」


「なんか警察の持ってるやつらしいね。これ」


「弾は……数えるのも面倒な量だな」


「わーい! これで私も戦えるよ!」


「ひとまず、その辺りは持ち帰るか。その前に愛鈴の様子を見てみよう」


 廊下に戻り、手前の部屋に向かった。


「何かあったか?」


「いや、前の施設とほぼ内容が同じだね」


「収穫なしか。ま、武器が手に入るだけ有難いんだけどさ」


「どうする? 戻る?」


「……そうだな」


「今日は階段少ないから楽だわ……」

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