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#26 月下美人③

 ほーんとどうしたもんかね! 


 梨疾羅は飛行機のレプリカの上をちょこまかちょこまか動き、次々とクナイを投げ、ときどきワイヤーで展示物を飛ばしてくる。


 強化エアガンで対抗するが1発も当たらない。


 んなゲームのつまらん勝ち方みたいな動きされたら困るし、これが決闘と言われてもすごく腑に落ちない。


「お前戦う気あんのかよ!」


「こういうのだって戦法の1つだよ!」


 うっぜぇ!


 倉庫地下の天井の低い空間で修行してたのバカみたいじゃん!


 しかも建物の中の明かりが月明かりしかなくて暗い!


 あーもうクソだクソ!


 エアガンをベルトに引っ掛け、剣に持ち変える。


 そして剣でワイヤーを斬り、弾性力によって鞭のように飛んでいくが、以前と違い容易く避けられる。


 あーもう策ねぇよ!


 俺の想定が甘かった!


 とにかくエアガンを撃つ。


 しかし当たらない。


 相手のクナイは正確に心臓を狙ってくる。


 しかし、これは修行の成果もあり、全て剣で弾ける。


 流石にストックはあるはずだ。


 持久戦ならまだ勝ち目はあるし、クナイが減れば必然的に相手は近づいてくる。


 ワイヤーだってあくまで服の中に仕込める程度しか持っていないはずだ。


 エアガンを撃つのをやめた。


 これは、いかに相手に消耗させ、こちらが温存できるかだ。


 最低限の動きで攻撃を無力化し、体力を温存しつつ手数を減らさせる。


 まぁ、もうそれしかないよな。


 時に攻撃を防ぎ、隙を見てワイヤーを切る。


 それの繰り返しだ。


 お前が先に面白みのない事しだしたんだからな!


 そんなことをし始めて1分ほど、相手の動きが変わった。


 クナイを同時に数本投げ、剣で弾かせないようにしてきた。


 ワイヤーに気をつけつつ、それを今日の動きで避けようとする。


 が、クナイが1本掠る。


 両方を気をつけつつだとキツイな。


 しっかし、流石に消耗してきてるはずなのに投げる量を増やすのはいかがなものか?


 いや、その狙いはすぐにわかった。


「回収回収♩」


「あ! おい待て!」


 急いでエアガンを撃ちまくる。


「イテッ!」


 ついにエアガンが数発当たった、


 ずっと弾いてたからその場を離れさせてクナイを回収するのが目的だったか……


 梨疾羅はすぐに天井に吊されたレプリカの上に退避した。


 何発か当たったが、強化されてるとはいえエアガン。


 そう上手くはダメージが入らない。


 あと何時間かかるんだこれ……


 これ、持久戦をやってても埒があかなくなりそうだ。


 作戦変更、無茶してでもデカい一撃ぶつけたい。


 エアガンをしまい、完全にフリーになった右手にニッパー、左手でワイヤーを掴む。


「何をするつもり……?」


 ルートどりは……悪くないな。


「こうするんだよ!」


 ニッパーで手で掴んでいる部分より後ろ側のワイヤーを切った。


 すると次の瞬間、ワイヤーは強力な弾性力で弾け、異常な勢いで俺の体を吹き飛ばす!


 そして、ワイヤーの合間を潜り抜け、一気に梨疾羅の目の前へと近づいた。


「サプラーイズ」


 即座にニッパーで彼女の頭を狙い、振り下ろす!


「流石に猶予が長いよ」


 クナイで攻撃を止められた。


「そりゃこの戦いの汎用戦術だからな。別に奇襲とかを狙った攻撃じゃない。目的は”こっち”」


 ニッパーでレプリカにもともと取り付けたあったワイヤーを切る。


「なにやッ!? バカッ!」


「じゃ、頑張ってねー」


 俺はアウターを脱ぎ、周囲に張り巡らされたワイヤーに巻いて左手で掴み、手持ちのジップライのように降りた。


「なッめんな!」


 梨疾羅は袖から、ワイヤーを出し、輪っかのようにすると、俺と同じくジップラインの要領で離脱した。


 その瞬間、レプリカは落下した。


「流石に私の技だもん! 対策くらい取ってるよ!」


「そりゃそうか」


 右手でエアガンを取り出す。


「それは聞いてない!」


 決まったスピードで動き続ける彼女を狙い、弾を撃ちまくる。


「ッ……」


 梨疾羅はワイヤーをしまい、高所から降りるのを選択。


 実際、そこまでは高くない。


 ワイヤーだらけで降りると体に切り傷がつくリスクがあるだけだ。


 梨疾羅は落下の最中、体を捻らせたが、2、3回ほど、ワイヤーに体を擦られた。


 そして俺は安全に着地する。


 彼女は一定間隔でワイヤーを設置するが、その位置関係的にはジップラインの使い方をしても、ワイヤーに当たるリスクは低い。


 よし、だんだんわかってきたぞ。


「……もう、こうなったら!」


 梨疾羅は何か玉のようなものを床にぶつけた。


 あれって……まさか!


 玉が割れると、中から白い煙が溢れ出した。


 以前、彼女が撤退に使ったものだ。


「おま、また逃げる気か!」


 次の瞬間、背中に異常な衝撃が伝わった。


 1度くらったこの衝撃、ワイヤーの質量だ。


 すぐにうつぶせ、ワイヤーの下を潜り抜け離れる。


 周囲からワイヤーのブチブチいう音が次々と鳴る。


 何も見えない空間から次々とワイヤーが鞭のように周囲を威嚇する。


 見えない空間から次々と鞭が飛んでくる恐怖の空間が誕生した。

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