#14 セリフ中は御法度でしょうが!?
「今日こそお前の首をとってやるぞ! 洸ヶ崎!」
「やれるものならやってみなよ不二宮!」
これ……もうなにが起こってるんだ?
気づけばもう、周りの人々は音もなくいなくなっていた。
「お前……オレら4対1だぞ?」
「なら同数にするのみ!」
少女が指をパチンと鳴らすと、建物の屋上からゴリラとオオカミとデカい鷹が現れた!
廃課金桃太郎だ!
「コイツは……バクハゴリラにナナツキオオカミ! それにタイボクダカ! どうしてこんなところに!」
なんで柊命はそんなに詳しいんだよ。
これも異世界の生き物か?
「ははは! これで4対4だ! 見たか洸ヶ崎!」
「これはマズい……のか!?」
「正直……わかんない」
「パワーバランス的にはコイツら、強くも弱くもないんだよな……いや、多分勝てる」
「そっか……じゃ、やるか」
以前のように銃などは持って来てない。
なんせ何かしらの理由で職質されたり落としたりしたら一発アウトだからだ。
だから以前のように確実に激しい戦闘が起こる場合以外で持ち歩くことは今後恐らくない。
多分、うん。
だから、最低限の護身用として代わりに別のものを持ち運ぶようにした。
バッグから携帯式の杖を取り出す。
しかも、鉄製のかなり頑丈なタイプ。
中、高時代に殺陣の経験があり、本物の銃以外の武器の扱いは結構できる。
殺陣をすれば強くなるというよりかは派手な戦い方ができるようになるだけだが、道具や体の扱いに慣れることには変わりないし、護身くらいにはちょうどいい。
柊命は大剣を構え、愛鈴はステッキを使い変身する。
忍羽はというと……実は今のところ戦闘員じゃない。
なんせ、本人が武器を持っていないし、得意武器を手に入れられる環境にないのだ。
彼女の得意武器は銃とクナイ、あとは仕事用の機械らしいのだが、そのどれもない。
いや、銃はあるのだが、もう弾がないのだ。
昨日の5発、あれでラスト。
忍羽いわく「得意武器が使えないなら最低限の護身具を持つよりも自身の身体能力を過信して体術で戦う方がマシ」との事。
「忍羽……行けるのか?」
「あのガキは私がやる。みんなは魔物たちを」
「ガキぃ!? 私とアンタは幼馴染だろうが洸ヶ崎!」
「黙れ! 不二宮の古めかしい唾が飛ぶ!」
コイツら過去に何があったんだよ!
「あぁもう! 行け! 私のしもべたt……ぐふぇあ!」
セリフの真っ最中に忍羽の強烈な右ストレートが決まった!
「忍羽!?」
魔物たちはセリフの途中ではあったがその意図を汲み取り、雄叫びをあげて襲いかかる!
なお忍羽にやられている最中の少女を助ける素振りなど一切ない!
まずゴリラが柊命に向かって襲いかかる!
振り下ろされた拳を巨大な刀身で受け止めるが、その脅威的力によって僅かに押される!
次に鷹が愛鈴の方へと飛び掛かった!
愛鈴の細い腕を鷹が掴み、空中へと放り出す!
その行方を追いたかったが、その目を上空に向ける余裕はない。
オオカミが、こちらにゆっくりと向かっていく。
「前に家で襲われたときは手も足も出なかったがな、今度の俺は一味ちがうぞ!」
杖の先端をオオカミへと向けた。
オオカミは低く唸り、こちらの様子を伺う。
その眼光は一瞬たりともよそ見をせず、鋭い目つきでこちらの目を見続ける。
……オオカミが先に動いた!
鋭い牙を立て、こちらに飛び掛かる!
準備はしていたから反応はできる。
が、避けるには動きが速すぎる。
無論、最初から避けることなど考えていない。
杖の先を上げ、オオカミの喉元に杖の先端が置かれる。
オオカミは勢いのまま喉へ杖が刺さり、そのまま手足を伸ばして倒れる。
その前足は俺の足元にはギリギリ届かない。
オオカミは僅かによろめきながらもすぐに立ちあがろうとする。
そのよろめいた隙を狙って杖でオオカミの頭を強く殴る!
オオカミは横に倒れることはなく、そのまま一回転して立ち上がり、体勢を整えた。
オオカミはまたすぐこちらに飛び掛かる。
今度は反応しきれずに杖に噛みつかれた。
そして、杖は非常に強い力によって奪われ、オオカミの足元に捨てられる。
「あっ……」
結構自信満々だったんだけどな……
一転攻勢、オオカミはこちらを威嚇し、また低い唸り声を上げる。
……まずくね?
バクハゴリラ:そのまんま爆発するゴリラ
ナナツキオオカミ:満月に現れるボスオオカミを満月になるまでの間護衛するオオカミ。集団行動
タイボクダカ:一つの木に巣を作り定住し、その木はたった2年で鷹から貰って栄養によって100年ほどの大木となる
こういう情報ってさ、後書きに載せようとするとなろうでしかできないんだよね。
次回作までに他の媒体で似たようにやる方法探さなくちゃな……




