プロローグ
こんにちは。
この小説は実は魔女のドウヨウより前に出来ていた小説となっています。なのでクオリティとしてはこちらの方が低めとなっています。それでも良ければどうぞ読んでください。
人々が賑わう道を横切り、薄暗い路地裏に足を踏み入れた。迷路のように入り組んだ場所を進むと、地面にはまるで血のような跡が増えていく。ここでは抗争が日常茶飯事だ。血の跡に驚いていたら、この場所では生きていけない。さらに奥へと進むと、乾ききっていない血の痕跡さえ見つかる。鉄のような匂いを我慢しながら歩くと、目の前に建物が現れた。そこは、路地から少し離れた場所にある「夜の影」と呼ばれるマフィア組織の拠点だった。そして、この組織にはある噂が絶えない。
「たった5人で1つの組織を壊滅させる化け物集団」
「たった5人」というのは、部下を置いて幹部だけが向かったわけでも、大勢が行って5人が生き残ったわけでもない。この「夜の影」は、5人で1つのマフィア組織なのだ。そんな組織の一員として、1人目が月影瑛谷。この「夜の影」のボスとして知られ、その端正な顔立ちで噂されている。2人目が道旗佳緒。ボスの護衛兼補佐を務める彼女は、女でありながら屈強な男をも投げ飛ばすことで有名だ。3人目が花実透。交渉を主に担当し、そのふわふわとした雰囲気からは想像できないほど交渉が上手く、失敗したことがない。4人目が籾静夜。武器の製作を担当し、ボスである月影瑛谷を実験台にすることもあるという噂が流れている。5人目が岸和古湊。情報の管理や収集を担当し、ツンデレで悩んでいるとの噂も最近耳にした。5人で組織を潰すなんて不可能だと考えていた者たちが次々と消えていく。これが「夜の影」の恐ろしさだ。