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85%くらい実話

続・御神木

作者: 青色豆乳

注:ここからは先日実家に帰ってから聞いた話になります。前の話「御神木」で色々フェイクを入れていたので、つじつまの合わない所があったらそのせいです。小説ではないので文体もちょっと変わってしまいました。

裏話を結構ぶっちゃけているので、小説のままでもういいと言う方は読まれないほうが良いかもしれません。前作はシリーズの一覧からどうぞ。

 先日、子どもたちと夫の車で実家に帰省したら、母から例の御神木の話の続きを聞いた。母は、兄が住職になってから兄を手伝うために家と寺を行き来している。

 母を積んで、全員で寺に行くことにした。移動中、亡くなった大叔父の後始末がいかに大変だったかの愚痴を聞かされた。

「もうこんなんネタにするしかあらへんわ!」

 と母が言うので、先にネタにしたことを心の中で謝った。


 ――――


 前の話では触れなかった、母方の家系について少し説明したい。

 寺とは私の祖母の実家である。私の曽祖父が僧侶だった。曾祖母は、「御神さん」の言葉を聞ける人だった。そうだ、と伝聞でないのは、私が小学生の時まで曾祖母が存命だったからだ。

 曾祖母は、依頼を受けて、人や物の探し物を預言によって見つけたり、未来について預言したりしていた。多分、千里眼と透視と未来予知、過去視などができたように思う。


 母と祖母が曾祖母の思い出話をしていた時、こんなことがあった。

 親戚の女性の結婚が決まった時、相手の家を見に行って、曾祖母が反対したそうだ。しかし、その頃、もう曾祖母は足が悪かったんじゃないかと母が聞くと、じゃあ御神さんに拝んでいる時に、見に行ったのかもしれない、と祖母が言う。

 でも、実際はその頃曾祖母は亡くなっていたのである。最終的に、曾祖母が夢枕に立って、女性の母親に伝えたのだ、という話だった。


 何を言っているのかわからないと思うが、私もよくわからない。なるべくそのまま彼女らの言い分を書いたつもりだ。私が子どもの頃はこれが普通だと思っていたが、家を出て客観的にみると大分変な人たちである。


 このように私の育った環境というのは、大真面目にこんなことを語るような家であり、時折、生者と死者の境目があいまいだった。


 ――――


「アンタね、この間あげた、お念珠、大事にしてる?あれな、ほんまにご利益あるねんで。癌やった人が治ったって言うねん」

 母が言った。そうですか、母よ、最近は意外と癌って治る病気ですよ。

 お念珠というのは、例の御神木で作ったやつである。

 前の話でまな板を作ったと言うのはフェイクだった。まな板を作ろうとしたのだが、乾燥させたら木が反ってしまったので、お念珠を作って当寺のグッズとして配っているのだ。しゃべるまな板は嘘だった。そんな物はないので安心してほしい。あれは、一度書いた話が物足りなかったので、ChatGPTにこの話をもっと怖くしてくれと頼んだら考えてくれたオチだ。

 え?皆さんのChatGPTはあんな気の利いたオチは作ってくれないですか?ちなみに無料版ですよ。

 

「ほんでな、他の人にその話して、お念珠あげたら『ほな、家のお母さん病気やからあげるわ』っていうねん。」

 母のマシンガントークが絶好調である。

「そしたら、お母さんの病気は治ったんやけど、そのコが死んでしもたんよ」

「は?」

 母は笑顔であった。それは、そういうノリで話す話なのだろうか。違和感を感じるのは、私がもう他家の人間だからか。


「すごいやろ」


 ――――


 さて、春休みの帰省も終わり、母を寺まで送った後、私は夫の運転で家に帰るところだった。

 後部座席では、帰り際に兄からお念珠を貰った子どもたちが騒いでいる。おそろいで腕につけてみたり、長男などはお気に入りのサメのぬいぐるみのしっぽにはめてみたりしている。


「一本だけだったのに……二本追加されてしまった……」


 母も兄も、ラッキーグッズのノリでお念珠をくれたけれど、本当にこれはそういう物なのだろうか?

 とりあえず、子どもたちがこれを友達にプレゼントしないよう気を付けようと思った。私ももちろんそのつもりだ。

続きがないといいですね。

お読みいただきありがとうございました。

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