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異世界なんて、くそくらえ!!  作者: こっぺぱん
2/4

00:02

06:00

スマホのアラームが鳴り響く。


土日だろうが武蔵は平日と同じように早朝から動き出す。数少ない休日を無駄にしないためだ。顔を洗い、歯を磨き、コーヒーを淹れる。砂糖とクリームはたっぷりと入れ、ソファーに座り新聞を読み始める。情報収取は趣味のひとつだ。


興味を持った情報についてとことん調べ尽くす性格の武蔵はこうして新聞から情報を掬い取り、それをネタに図書館で気になることを徹底的に調べ尽くす。そんな至福の休日が急遽出勤に変わることもあるため、逐一メールをチェックすることも忘れない。いつの時代も部下の尻拭いをするのは上司の役目だ。


08:45

お気に入りのジーンズと無地のTシャツに着替えて家を出る。


天気はくもり、気温18度、アウトドア仕様にカスタマイズされた腕時計がそれを教えてくれる。時々山登りに行く武蔵は、登山者用のスイス製の腕時計を着けて常に天気や気温をチェックしている。高度計、気圧、温度計、デジタルコンパス、クロノグラフ、カウントダウンタイマー、ペースメーカー。仕組みはよく調べてはないが、現在気圧から天気図を作成し腕時計の画面上に天気予測を表示してくれるらしい。ランニングにも適した最高の腕時計だと自負している。同僚にはそんなださい腕時計やめろよと言われるが大きなお世話だ。身の丈に合うような人間になってから言ってくれ。


09:00

図書館に到着。


隣駅にある図書館へは電車ではなく徒歩で向かう。武蔵のこだわりだ。なんせデスクワークが多い平日だ。休日に少しでも体を動かさないとどうにも体の調子が悪くなる気がする。


この時間はまだ人も少なく落ち着いている。いつもの窓際の席に荷物を置く。朝日が直接当たるこの席はビダミンDの生成に欠かせない。さらに10:00になると屋内の柱に太陽が隠れ、この席には日光が当たらなくなり、ちょうど1時間の日光浴ができるのがキモだ。


今日の主題は決めてある。それは神話だ。朝の新聞に「売れるストーリーは神話の構成に似ている」という見出しでコラムが掲載されていた。ストーリーを巧みに使うことで、相手を納得させ、商談を成功させる、という内容で、コラムの最後にはおすすめの本が載っている。特段神話が好きというわけでもないが、ストーリーについては興味を持った。それが仕事に活かせれば幸いだ。


図書館の中央に設置されている本棚の地図を頼りに、神話コーナーへと向かった。


だが、棚は空っぽだった。棚の上部にA4の紙が貼ってありなにやら文字が書いてある。


【神話コーナーは異世界コーナーに異動となりました】


「いやいや。神話と異世界はジャンルが違くないか」

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