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異世界なんて、くそくらえ!!  作者: こっぺぱん
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趣味で書き始めました。

この物語は、暴言・暴力的表現を含みます。


物語は素敵なものだと思います。

自由に表現を追求して、楽しく書いていこうと思っております。

評価いただけたら励みになります。


どうぞお楽しみくださいませ。

男の名は松本武蔵(40)、制作会社の営業で、独身である。


天気は快晴、気温21度。こんな日は誰もが、オフィスの窓から見える外の景色に嘆息するだろう。外に出て近くの神社に散策でもしたらさぞかし気持ちがいいに違いない。


そんな中、武蔵の表情は作り笑顔に満ちていた。


「実はこんなものも用意しておりましてですね」


武蔵は社内のデザイナーに予備で依頼したラフ案数枚をクライアントに見せる。武蔵のよく使う手だ。一番いいものはあえて見せず、クライアントがダメ出ししてきたら隠していた本命を見せる。


「いいですね。こんな感じのさっぱりとした青色だと印象もよくなりそうで」


武蔵は社内では割と優秀な方で、昨年度の売り上げの1割は武蔵の行動によるものだった。小さな制作会社ということもあるだろうが。


「やっと金曜日が終わった」


くたくたのネクタイを緩め、ソファーに寝転がる武蔵。冷蔵庫から冷えたビールを手に取り、テレビのリモコンの電源を入れる。この時間が一番幸せだ。武蔵は毎週金曜の夜だけお酒を飲むことにしている。飲み会や接客は別だが、土日も全くお酒を飲まない。そんな風にテレビを見ながら金曜の夜にソファーの上で寝落ちすることが何よりも至福だった。1週間我慢して飲むビールはやはりうまい。明日は久しぶりに休日出勤もないので近くの図書館にでも行こうと決めている。


「さむ…」


いつものことではあるのだが、毛布も掛けずに寝ていたようだ。武蔵の足に追いやられソファーの隅で縮こまっている毛布を手に取り、四肢を駆使し毛布を広げ、包まる。テレビには深夜帯のアニメが放映されている。異世界モノのアニメだ。主人公がステータスだかレベルだかの上昇に興奮している。


アニメ自体が嫌いなわけではない。むしろ好きな方だと思っている。ただ、平凡な日常から異世界に行くという設定自体がなんとも幼稚なように感じ、肌に合わないのだ。異世界に来た自分は特別なのだと、中二病の夢を叶えるような中二病のためのアニメ。馬鹿馬鹿しい。見はじめたら面白いですよ、と後輩に言われ何度か挑戦したことはあるがどうしても集中できず苛立ちを覚え、2話目を見ることはなかった。テレビを消して、再び眠りにつく。


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