僕は何だってしますからね!
目を覚ますと、葉子にしっかりと抱き締められていた。ぼんやりとしてて、どうにも何をしていたのか思い出せない。腕を軽く叩いて起きた事を教えると、もっと強く抱き締められてしまった。何でさ。
「……駆、起きた?」
「おはようございますー」
「起きたの、駆ちゃん!」
「やっと目え覚ましやがったか」
きょろきょろとして三人の姿と、ファリアを確認した。えーと、何で?
「何を面食らっておる。忘れたか? あの黒ずくめの魔物の事を」
「あー……ああ! そうでしたそうでした!」
「我の事は既に話してある。全て、な」
「ええ!? ……まあ、それならそれで良いですか。洸と渚ですしね」
「うむ、お主ならそう言うと思うておったわ」
今話さなくても、いつかは多分話してたよね。それを考えたら、言葉はあまり良くないけど手間が省けた。
あんな事があった後だし、信じてはくれたと思う。受け入れては、くれてるのかな?
「駆ちゃん、守ってくれてありがとね。命の恩人よ」
「照れ臭えが俺からも、な。ありがとよ。情けねえ事に、俺は動けなかった。俺じゃ間に合わなかった。お前がいてくれて、マジで助かったぜ。この恩は忘れねえ」
大丈夫そう? 良かった。良かったけど、恩は違うって。
「いやいや、恩はむしろ僕が返したんですよ。それに二人はその……大切ですから。洸と渚を守るためなら、僕は何だってしますからね!」
すっごく恥ずかしいけど、それだけは宣言してやった。洸は僕にとって大恩ある相手だし、渚は人となりの素敵な人だ。二人とも幸せでいて欲しい。
二人を脅かすようなものは、全力で排除してやるから!
「そうかよ。それじゃ俺らも、お前のためなら何だってしてやるよ。なあ、渚?」
「ええ。私達にとっても、駆ちゃんは大切な人よ。駄目だなんて言わせないから」
「えー!? ……えっと、お互いにって事で?」
「おう。そんで良いだろ」
嬉しいけど、気恥ずかしいね。
「……わたしも。わたしも三人のためなら……」
おずおずと、葉子が言った。もっと堂々と主張して良いんだよ?
「よし、じゃあ四人だな」
「そうですね。それが良いです」
「葉子も、私達を守ろうとしてくれてありがとうね」
「……ううん。あれは、軽率だった。……わたしが変に動いたから」
「良いのよそんなの。皆こうして無事だった。それで良いじゃない?」
「次は俺もよ、しっかり動くからな。あんな情けねえざまには二度とならねえ」
「……わたしも、二度とならない」
そうそう、次に繋げれば良いんだよね。僕も次は、もっと上手くやろう。葉子はいち早く動いていた。僕も同じくらい早く動けていたら、きっと違ってたんだ。
常に気を張ってたら疲れちゃうけど、心構えは出来るはず。その差が、ほんの一瞬を分ける程度の差が、明暗を分けたりする。僕も気をつけておくよ。
走り出した車はまた緩やかに行く。今日はこのまま真っ直ぐ戻って、一旦僕の家に場所を移す事になった。お出かけという気分でもなくなってしまったし、僕の身体も心配だからという三人の提案だ。
上がってもらうのは特に問題も無いので受け入れた。そしたら渚が手料理を作ってくれるという話に。途中で買い物などして帰途に就いた。
ちなみに買い物の間、僕は車内でお留守番だ。服の前側が真っ赤だからねえ。マンションに着いたら部屋までは荷物で隠した。
さて、部屋に着くなり人の部屋を漁るのはやめようか!
「一つや二つくらい何かあんだろ?」
「ありません!」
「と言いつつ、だろ? わかってるって……お、こりゃ何だ?」
「……それ、母さんから駆にって」
「マジかよ。お前の母ちゃんどんだけだ……」
引ったくってまた隠した。全く!
部屋まで帰って来たから、ファリアもフレアも外に出た。ファリアの姿は既に見てたわけだけど、フレアはここで初めてだったらしい。聞いてはいても見ると違うようで。
「よろしくお願い致しますね」
「お、おう」
「よろしく……」
さて、今の内に着替えちゃおうかな。
「お主は湯でも浴びて来い。血の汚れは落ちとらんからの」
「それもそうですね。では失礼して。ファリアとフレアにお相手は任せますよ」
「心得た」
「お任せ下さい」
「……じゃあわたしは駆の世話をする」
「お断りします!」
断ったんだよ……断ったのに入って来たんだよ……。出た後の洸のにやけっぷりったらもう。すねを蹴ってやった。
「効かねーな」
「くそう!」
こっちが痛かったし!
でも、来てもらえて助かってはいた。血を流し過ぎたみたいで、ちょっと動いただけなのに恐ろしく怠くなっちゃって。結局お世話されてしまった。
助かったよ。助かったけど滅茶苦茶恥ずかしかったよ……。
下まで……洗われちゃった……。
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名前 ラン
種族 ハーフエルフ
性別 男性
階級 四
筋力 六
敏捷 一六
魔力 二〇
魔導器 強化属性剣
拡張機能 変幻自在 小領域作成
魔術 魔力操作 魔力感覚
技術 看破 識別
軽業 跳躍
恩寵 旧神ナルラファリア
ID 〇二六〇〇〇〇〇〇一
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