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こんなに善良そうなのに!

 急遽でっち上げた姉弟設定だけど、さすがに突っ込んだ事は聞いて来ないでくれたから何とかなった。


 面白いのが、内山さんと織川さんの二人が鳴海の胸にわりと釘付けだった事。織川さんの方が大きいんだけどね。鳴海のは形がすごいから。


 でも、気にしてたのは全然違う事だった。


「鳴海さん、ブラはしてないんですか?」


 織川さんがぶっ込んだ。この子、もしかして天然?


 飯島さんと日野さんは危うく飲み物を噴き出すところだ。


「き、清美! それはさすがに聞いちゃ駄目な奴!」


「付けとらんぞ」


「鳴海さんも答えなくて、ええええ!?」


 忙しいね内山さん。


「下着は付けん主義なのでな」


「そんな主張しなくていいんですよ、馬鹿!」


「それじゃ下もです?」


「無論だな」


「だだだ大丈夫なんですか!?」


「ああもう……。姉はこういう人なんです。気にせず放っといてやって下さい」


「くくく、見ろ駆。純朴な少年の愛らしい反応を」


「純朴な少年で遊ばないで下さいね!?」


 飯島さんは居たたまれない様子で顔を背け、日野さんもさすがにその視線を明後日に投げた。可哀想に。


「あー何って言うかよ。あんたの姉貴だなって思うわ」


「えー!? 似てませんよ!」


「いや、似てると思うぜ?」


 そんな馬鹿な!?


「武蔵には見抜かれておるようだな?」


「絶対似てません! こんなに善良そうなのに!」


「善良『そう』と自分で言うておるぞ」


「はっ!? ……はめましたね、姉さん!」


「ただの自爆であろうが!」


「わかりました、言い直します。こんなに善良」


「喧しいわ!」


「酷い!」


 何皆して笑ってんのさ。


 葉子が無表情のままひくひくしてて怖い。それ、可笑しくなってる状態なの?







 プレイヤーが六人もいるので、自然とASの話題が増えてしまう。ただ、都合良く鳴海は僕から話を聞いているという事になってるので、然程問題は無かった。彼女も乗る話題を選んで話してくれるので、僕も安心していられた。


 その話題が振られるまでは。


「なあ、広人達も掲示板は見てんだよな?」


「私と清美はよく一緒に見てるよね」


「そうですね」


「俺も見てはいるよ。雑談のところだけ、追える範囲でだけどね」


「最新のスレは?」


「読んだよ」


「俺も」


「そうか。じゃあ知ってるわけだ」


 なんて話を四人でする前置きがあって、日野さんが代表して言った。


「葉子はよ、変質者集団襲撃事件に巻き込まれてたんだよな?」


 その話、掲示板に乗ってるの!?


「……うん」


 あら、隠さないのね。何て書いてあったのか知らないけど、巻き込まれただけなら、やましい事なんて無いし大丈夫か。


「話し辛かったら言ってくれよ? もしかして、連れってのは……」


「……駆」


「いやいやいや! 何さらっと答えてんですか!?」


「……駄目だった?」


「もう遅いですけどね!?」


 全く躊躇わなかったし!


「え!? で、でも女二人って」


「駆さんは女性にしか見えないからね……」


 内山さんの疑問には飯島さんが答えた。


 でも誰さ、掲示板にそんな事書いたの? ちょっと酷くない?


「すごい感謝してましたよ。今頃は次のスレッドに移ってしまってると思いますから、後で一つ前のスレッドを探して読んであげて下さい。終わりの方でした」


「……わかった、見てみる」


 葉子はあんまり気にしてないみたいね。彼女ならまあ、そうか。僕は多分見ないな。何故か僕、掲示板で話題になる事がよくあるみたいだし。怖くて見れない。


 そんな中、内山さんだけ挙動不審だ。


「ね、ねえ葉子? か、駆さんと泊まりに行ったの? それって、やっぱり……?」


「……やっぱり?」


「その、ほら。……こ、恋人になったとか……?」


「……あ、武蔵」


「お、何だ?」


「……昨日、掴んだ」


 葉子は唐突に僕の手を取って握る。ここで発表しちゃうんだ……。もう好きにして。


 内山さんの声が部屋の中に響く。他の三人も驚いた様子ではあるけど、彼女程大きなリアクションではなかったね。


「それって恋人になったって事!? 本当に!? でも順番逆じゃない!? 恋人になってからお泊まりするよね!? だってその、ほほほら……し、したんでしょ?」


「……した? ……昨日した?」


「いやそれ多分違いますから! してませんしてません!」


「……昨日キスした」


「言わなくて良くないですかそれ!?」


「どちらからですか?」


「……わたし」


「そんな気はしてたぜ。小悪魔のくせに女相手だと奥手そうだからな、駆さんは」


 小悪魔じゃないし! しかし本当に隠さないねこの子は!


「ほれ、お主はしばし黙っとれ」


「わ! もご、もごもご……!」


 顔を胸に沈められた。そのまま拘束されて脱出出来ない。筋力六が憎い!


 うわあ……下着付けてないから感触がダイレクト……! 服の上からというのもなかなか……じゃなくて! 誰か助けて!?


「おい見ろよ広人。すげえ羨ましくねえ?」


「ノ、ノーコメントで」


 飯島さんは僕と似てる気がする。女性に慣れてなさそう。でも内山さんや織川さんとつるんでて、慣れないのかな? あんまり関係無い?


 そう言えば、皆さん名前でお互いを呼ぶようになってるね。より親しくなったってわけかな。良い事だ。


 ところでこの拘束、いつまで?




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  名前 ラン

  種族 ハーフエルフ

  性別 男性

  階級  四


  筋力  六

  敏捷 一六

  魔力 二〇


 魔導器 強化属性剣

拡張機能 変幻自在   小領域作成

  魔術 魔力操作   魔力感覚


  技術 看破     識別

     軽業     跳躍


  恩寵 旧神ナルラファリア


  ID 〇二六〇〇〇〇〇〇一

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