いつの間にか臆病風に吹かれていませんか?
セリフ無し形式に挑戦です。
キューブの目
『ネズミ』のロコ太郎は恋をして『ドキドキ』しています。
しかし彼は臆病なので告白する勇気がありませんでした。いつか臆病を治せたらいいなといつも悩んでいました。
そんなある日、みんなが『寝静まった』とき、ふと住処にしている人間の『携帯電話』を覗いてみるとメールがきていました。どうやらこの人間は病気を治すために『飛行機』で外国に行くようです。
ロコ太郎は凄腕の医者ネズミの噂を思い出しました。その医者はちょうどこの人間がいく病院の隣の家に住み着いているのです。凄腕の医者ネズミなら臆病も治せるに違いないと、ロコ太郎はこっそりと人間についていくことにしました。
ロコ太郎は医者ネズミに会うことができました。しかし、医者ネズミは断ってきました。臆病の治し方なんて知らないの一点張りです。しかしロコ太郎は何でも良いから、治りそうな方法を教えてくれと必死に頼み込みました。
すると医者ネズミは折れて勝負で決めるように言ってきました。『サイコロ』をお互いにふってロコ太郎の方が大きくて勝ったなら治しますが、ロコ太郎の方が小さくて負けたら帰るという内容の勝負です。
ロコ太郎は勇気を出して勝負しました。
結果、ロコ太郎がサイコロ勝負で勝ちました。
医者ネズミは、臆病を治すには『太陽の花』と呼ばれる物から採れる種が必要だと言いました。
しかし、今は時期が悪かったのです。ほんの先月ならたくさん採れたのですが今はまったくありません。その種はとても栄養があるので、地面に着いた瞬間に地面がおいしいおいしいと飲み込んでしまうらしいのです。だから探しても絶対に見つからないと医者ネズミは言ってきました。
ロコ太郎は決心しました。何日かかっても絶対に見つけてみせると腹を据えて諦めない覚悟を決めました。
何日も一生懸命に探すと、『蜘蛛の巣』にひっかかっている太陽の花の種を見つけました。
やっと見つかったと喜んだロコ太郎でしたが、ふと我に返りました。
臆病は治療できないと医者は言っていました。
臆病の反対は、勝負を踏み出す勇気であり、頑張ることを誓う決心であり、腹を据える根気なのです。ロコ太郎は臆病を治すために「勇気」を出して勝負して、頑張ることを「決心」して、何日かかっても見つけてやると「腹を据えて」探し続けたのです。
これのどこが勇気の無い臆病者の選択なのでしょう。
これのどこが決心無しの臆病者の選択なのでしょう。
これのどこが腹を据えていない臆病者の選択なのでしょう。
いつの間にかロコ太郎は自分の中にある勇気に気づき、少しだけ臆病が治ったように感じました。
臆病がほんの少しだけ治ったことを医者ネズミに告げると、医者ネズミはとても喜んでくれました。みんな辛いのは当たり前で、前に踏み出す一歩があるかどうかが臆病とそうでないかの違いであると医者ネズミは教えてくれました。
医者ネズミの言葉に感動したロコ太郎はすぐに帰ることにしました。この決心が燃え尽きる前に会いたいからとすぐに飛んで行きました。
そして月日が経ち。いま、ロコ太郎は顔写真を載せた結婚式の『招待状』を書いています。
満面の笑みを愛する妻と一緒に浮かべた写真を添えて。。。