1-1 はじまりはじまり
なろう自体初めての試みです。お暇でしたならぜひお目通しください。
僕の名前はサイキョウ・ツヨシ。ある日突然、僕の頭上に稲光が降ってきたと思いきや、こっちの世界に転生してしまった元高校生である。幸いにも、僕にはこっちの世界では魔法の才能があるらしく、街のギルドですんなりと勇者登録を済ませたあと、僕は成り行きで仲間になった美少女魔法使いムチリーと、見習いシスターのポプラと共に旅に出ることにした。それにしても二人とも本当にかわいい。あっちの世界ではめったにお目に掛かれないほどの…
「きゃあ!ツヨシさん、あそこにモンスターが!」
ポプラが叫んだ先には、街道に一匹のスライム。取り立てて騒ぐほどの敵じゃあないけど、ここは女の子にいい所を見せなくちゃね。
「まかせて! ”天空に集え、数多なる星の光!|聖なる十字架≪セイント・クロス≫!”」
空からまばゆいほどの光が降り注いだかと思うと、すさまじい爆発音とともに街道が光と砂埃に包み込まれた。スライムめ、かわいそうなやつ…僕とエンカウントしたばっかりに…
「さすがツヨシさんですぅ!」「さすがは私が見込んだ男だ。」
と、ムチリーとポプラが駆け寄ってくる。よし、掴みも上々!僕の旅は始まったばかりだ!…
…ツヨシが放った魔法の後、砂埃と瓦礫の下に一匹のスライムの少年がうずくまっていた。何を隠そう、この一匹のスライムの少年こそ本作の主人公、名をプルタブと言う。
「いてて…あのお兄さん、見境なく魔法をぶっ放すんだから…」
ぽんぽん、と土ぼこりを払いながら立ち上がり、後ろへ目を配る。どうやら先ほどの御一行はすでにはるか遠くへ行ってしまったようだ。
「それにしてもあのお兄さん…もしかして勇者だったのかな?」
プルタブが呟く。勇者とはギルドで登録すると送られる称号であり、主にモンスターの討伐や困った人々への救済などから得られる報奨金で生業を立てている者のことを言う。大きな手柄を立てた勇者は多くの報奨金が送られ、中には一国の王に気に入られ寵愛を受けるものもいると言う。
「いいなぁ。早く僕も勇者になりたいなぁ。けど、それにはまず街に行かないと。」
と、前に目を向ける。眼前には高原と水平線が大きく広がり、一陣の風が高原の草葉を揺らして駆け回っている。そして街道の先にはプルタブの目的地、「交易の街 メジハ」を目に捉えることができる。
「よし、とりあえずは街に行って、それからギルドに勇者登録申請書を出してこよう。そう、そして僕は立派な勇者になるんだ…!」
プルタブは大きな意気込みを胸に、そして大きな一歩を踏み出した。これは立派な勇者を目指す、一匹のスライムの物語である。
ただの趣味として小説を書いてみました。一話は短め。はじまりだからね。次話はもうちょっと長く書くようにします。暇になったら続きをちょこちょこ書いていきます。けど、暇でも書かないときもあるかも。ご容赦ください。