表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

テンプレをぶち壊す少女

テンプレをぶち壊す少女~最弱勇者復讐編~

作者: アンチ最弱勇者復讐物委員会委員長

それでは始まり~

あたしこと『鬼百合小袖』はテンプレが嫌いだ。え? 何でって? う~ん……ま、生まれついての性質ってやつかな? あたしはテンプレが嫌いってのは呼吸をするのと同義ってこと。

特にクラス全員が勇者召喚されて能力が無い或いは超弱いだとかで虐められた奴が超チートな能力で無双して成り上がるっていう系統のテンプレ作品が大っ嫌いだ!


何でかって言うと初心者用のダンジョンの下になんでトンでもない難易度の裏ダンジョンがあるんだ? とかクラスのイケメン君、頭が良いくせに王国の人に騙されすぎじゃね? とか主人公のヒロイン達がただのイエスマンで人間味がなくね? とか色々な理由があるけど一番の理由は主人公が大っ嫌いだからだ。

だって根暗だから虐められてるのに自分では何も変えようとしないでそのくせ幼馴染みに助けられると惨めな思いをするって……何言ってんだあんた!? って感じた。それからチートな能力持ってるからって今まで自分を虐めてたり傍観していた奴等に即復讐とかありえないだろ! 人間を嘗めんな! 復讐なんてしなくても生きていけんだよ! ……てな感じであたしはこんなテンプレが嫌いだ。

で、ここからが本題なんだが……あんた達は『平行世界』って話を信じるか?

平行世界ってのは……わかりやすく話すとあたしが優等生の世界と不良の世界に分かれてる……って感じか?


平行世界の事を知った衝撃であたしは泡を吹いて気絶した。お陰で中学受験には失敗したが……まあ、それは脇に置いといて。それからあたしは何が起こっても良いように体を鍛えまくった結果(格闘家なあたしから適度な休息は取れと言われたから取ってたけど)並みの男に負けないほどになっていた。


そして高校に入るとあら不思議。あたしが大っ嫌いな最弱勇者成り上がり物の作品から飛び出してきたかのような奴等がぞろぞろいた。

特に最弱勇者になると思われている『雲山大和』はあたしが大っ嫌いな性格でピッタリと当てはまった。

そして3ヶ月後、あたしのクラス全員が勇者召喚された。


召喚した国の国王様はとても好い人(エスパーのあたしにテレパシーで考えている事を読んで貰って太鼓判を押してもらった)で国の為とはいえ戦乱がない平和な場所(正確に言うなら日本が戦争から遠い場所にあるだけなんだけどね)から来たあたし達に魔王と戦うか良く考えるように言ってくれた。


……クラスのイケメン君こと『天川優木』が速攻で戦う事を決めたせいで天川信者の大半のクラスメイトは一緒に戦う事を望んだけど(戦わない事を選んだのは生産系とかそういう非戦闘系の能力を持ってる人)。

因みに雲山もテンプレの如く無能力だったから戦わない事を選んでたけど図書館とかで闇の魔法やら禁術とかを調べてた。

……あれは絶対に無敵の力を手に入れたら復讐に使う為に調べてるんだと思ってあたしは不安になった。


召喚されて一週間後、あたし達は城の中にいると窮屈だろうということで外のこれまたテンプレの初心者用のダンジョンに行かされた。

で、テンプレの如く雲山が行方不明になった。アイツ、よく虐めている不良グループと(多分自分の意思で)一緒の班になった時に幼馴染みであたしの友達の『赤坂深雪』が「着いていこうか?」って言ったら「五月蝿いな! ほっとけ!」って言いやがった。しかもあたしが怒ったら「そいつと一緒にいると俺が惨めになるんだ!」とか何とか言って身勝手に怒りやがった。

多分だけど不良達に(わざと)見捨てられて超絶難しい裏ダンジョンでチートな能力(捕食とか強奪とかそこら辺)を手に入れてあたし達に(身勝手な)復讐をするために行動してヒロインっていう自分を否定しないイエスマンと出会うんだと思うとムカついた。

と、同時に悲しくもなった。あたしは確かに雲山は嫌いだが見捨てるほど嫌いじゃない。それに幾らまだ3ヶ月位しか付き合いがないとはいえクラスメイト同士が戦うのは死んでもごめんだ。


「どうすりゃ良いんだよ……」

「(なら百合子の出番?)」

あたしが頭を抱えていると前述したエスパーのあたしである『北条百合子』が話し掛けてきた。


「(百合子か? どうしたんだよ?)」

「(ふっふーん、今の状況を小百合に相談したら此処は百合子の出番って言われたんだ! ……で? どうするの?)」

「(決まってる。入れ替わるぞ)」

「(りょーかい! 百合子の身代わりよろしくね♪)」

「(わーてるよ、百合子も雲山の事をよろしく頼む)」

「(嫌ってるくせに面倒見良いんだね……)」

「(ま、ダチの思い人だからな)」

そう言ってあたしの意識は途絶えた。


…………


はーい、みんなのアイドル百合子だよ! こっから先は小袖と入れ替わった百合子視点でお送りするね♪


先ず百合子は科学者な百合子が作った装置(特殊な力を持つ百合子達が入れ替わった世界で全力を出せるようにする為の機械なんだって)をつけると百合子の能力の1つであるテレポートで雲山が行方不明になった初心者用ダンジョンに跳んでそれから透視で雲山の居場所を捉えるともう一回テレポートで雲山の目の前まで跳んだ。



「やっほ~~雲山! 無事かな? 助けに来たよ♪」

「!? お、鬼百合……? どうやって此処まで来た! そして何しに来た!」

百合子が雲山に話し掛けると雲山は振り向きながら剣を構えた。

ふ~ん……まだ小袖の言うイエスマンなヒロインには会ってないんだ。ならまだ付け入る隙はあるかな?


「何って……助けに来たんだよ?」

「うるさい! 俺はそんなの信じないぞ! どうせお前もアイツらみたいに深雪に心配されてる俺が憎いからって殺しに来たんだろ!? そうなんだろ!?」

……何これ? 被害妄想? 百合子がそんなに信用出来ないの?


「殺しになんて来てないよ、百合……あたしは雲山くんを助けに来ただけだよ♪」

「うるさい! 信用できるか! 殺される前に殺ってやる!」

そう言って雲山は百合子を殺そうと持っている剣で……斬りかかる前に百合子の念力で壁に叩き付けられた。


「そっちが先に斬りかかったんだからね? 殺られる前にやっただけだよ?」

「く、くそ……うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

百合子がそう言うと雲山は百合子を様々な能力で殺そうとしては念力等の能力で何度も壁や床に叩き付けられた。


「……もう諦めたら? あたしはさっさとあんたを連れ戻したいんだけど……」

「うるさい……うるさい! うるさい! うるさい! どいつもこいつも俺を馬鹿にしやがって! 中学の頃だってそうだ……」

「いきなりの身の上話、うざい」

そう言って百合子はいきなり身の上話を始めた雲山を念力で壁に叩き付けた。


「い、いきなり何しやがる……」

「つまりさーあんたがあたし……ひいてはクラスメイトに対して冷たいのはただの中学の頃の八つ当たりって事? だったら下らない八つ当たりで復讐なんてやめてくんない? 迷惑なんだけど」

「や、八つ当たりだと……」

「うん。どんな理由があるにせよ過去の事で今のクラスメイトに復讐しようとするなんて八つ当たり以外の何物でもないよ」

「う、うるさい……うるさい、うるさい、うるさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」

そう言って斬りかかってきた雲山を百合子は体術で床に叩き付けた。


「……あたしもさ中学の頃は虐められたよ? でもさ、それは中学の頃の話であって今じゃないんでしょ? だったらそれは過去の事って思ってやり直せば良いじゃん。少なくともあたしはそうやって中学の頃の虐めの記憶は克服したよ?」

百合子は昔の事を振り返りながら雲山に言う。


「……」

「それからあんたが虐められてるのはその根暗っぽい髪と眼鏡があるから。あたしの見立てだと素顔はイケメンっぽいんだけど髪を切ってその瓶底眼鏡を変えれば虐められないと思うよ?」

「…………連れ帰るのも、イメチェンするのもお前の自由だ。勝手にしろ」

「じゃあ、勝手にさせてもらうね♪」

「……へ?」

そう言って百合子は雲山を気絶させると髪を切って瓶底眼鏡をコンタクトレンズに変えてからステータスを表示させてやっぱりあった『捕食』と『復讐者』ってスキルを科学者な百合子が小百合に依頼されて作って百合子が貰った『能力玉』(簡単に説明するなら百合子達の能力を宿した道具で対象の能力を別の能力に書き換えられるんだって)で侍な百合子のスキル『時雨一刀流』と天使な百合子の『光魔法』に置き換えた後でもう2回テレポートしてお城に戻った後小袖と入れ替わった……



…………


「(小袖~あれから元復讐者君はどうなったの?)」

「(ああ、百合子から貰ったスキルを存分に活かして活躍してるぜ? それから深雪とも恋人になったよ)」

あれから数日後、私こと『小鳥遊小百合』は経過を小袖から聴いていた。


「(まあ、コンプレックス抱いてる幼馴染みを無意識で好きってのは御約束だからね~)」

「(そういうものなのか?)」

「(そういうもんなんだよ)」

私はそう言ってテンプレをぶち壊した事の快感の余韻に浸りながら小袖との話を終え……



「小鳥遊さん! 見付けたわよ! 速く楽器を調律して練習に合流しなさい!」

「は~い……」

音楽家を目指す私が入った音楽部の先輩に急かされながら部室に向かった……

如何でしたか? 深夜のテンションで書いたものですが後悔はしていません!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ