表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

第一章 王女継承と蜂起の影 第一節(8)

「困ったな、一日目で弱音を吐かれては、私も先行きが心配になるではないか。さて、もう話は良いだろう。アルテミス、今日から王女ではなく、女王になったのだから、まずは、玉座に座ってみよ」

「あ、はいっ」

アルテミスは、黄色で染色された生糸で全体が仕上がっている玉座を見つめると、ゆっくり肘置きに手をかけ、徐々に腰を掛ける。

さらさらとした手触りに、ふんわりとした感触がお尻を包み込んでいく。

「ふわふわ~」

アルテミスは思わず、顔がほころんでいく。

「この玉座は、代々この城に受け継がれる平和の証である。金の装飾もなければ、宝飾もされていない。この玉座には、常に部隊や国民と平等な立場であり続けるという志を示しているそうだ」

アルテミスは父の話を半分に、ふわふわした玉座を堪能している。

「このお城は、お父様みたいな人がずっと守ってきたのですね」

ふわふわを堪能していたアルテミスは、次第に王座の細部が気になり、目を凝らして肘置きを見つめながら言った。

「うむ…」

「あ、ここ、ほつれてる」

肘置きに綻びを見つけると、アルテミスは摘まんでいじくっている。

「かなり年期の入ったものだからな。…これこれ、あまりいじると、ほつれが大きくなってしまうではないか」

父は、すかさず止める。

アルテミスは綻びから手を離すと、天井を見ながら、ふわふわの弾力を利用して、身体をぽんぽん跳ねて遊んでいる。

「お父様、この天井の綺麗な女性は誰なのですか?」

「…これか。これは、私が一番愛している最高の肖像画だ」

父もアレスも天井を見上げる。

「とても綺麗な方ですね。長い髪に小さな顔立ち、すごく優しそう」

アルテミスは天井に描かれている女性の肖像画の全体を見渡して言う。

「そうだろう、まさしく絶世の美女だな。アルテミスに少し似てはいないか?」

父は腕を組むと、にこやかな表情で言った。

「え?私ですか?私はこんなに美人ではないです」

「いや、似ているであろう。アルテミスも絶世の美女であるからな」

「私、素直に受け取ってしまいますよ、お父様」

「お世辞ではないのだがな。これ以上言うと、アレスに親ばかと言われてしまうから止しておくか」

聞いていたアレスは、優しい眼差しでアルテミスを見ている。

ご試読、誠にありがとうございます。

こちらのページは、ケータイ、パソコンのどちらからも読むことができます。

(画面の大きさに合わせて、見やすい最適な状態に自動設定します)


本書は、Amazon kindle(電子書籍)にて好評販売中です。

ぜひご覧ください♪

http://urx2.nu/gtRL


本書は、定められた管理機関において、著作権を保守しております。

著作権についてはこちらをご覧ください。

http://moonpj.com/#copyright


コメント:毎週日曜日の21時に更新します。また来てくださいね♪

ツイッターでも待ってますっ!

https://twitter.com/MoonProject_45

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ