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第一章 王女継承と蜂起の影 第一節(7)

父の顔を見上げると、アルテミスの表情が普段の表情に戻っていく。

「なんだぁ、よかった。そういえば、お父様、身長縮みました?」

父の腹心は背中を向ける。微かに肩が小刻みに揺れているのがわかる。

「アレス。なに後ろを向いている」

「す、すみません。女王が面白いことをおっしゃるので」

「まったく、どいつもこいつも。アルテミス。これは少し種があるのだ。実は、王であった頃は、常に厚底のブーツを履いて生活をしていたのだ。だから、身長が高く見えていたのだろうな」

「なんで、厚底を?」

「身長が低いと、整列した部隊の最後尾に私の顔が見えなく、士気も落ちてしまう。また、民衆の前でも、すべての人に私の顔が見えないと、不安になってしまう」

「え、でも私、大きくないです」

「アルテミスは、大丈夫だ。アルテミスは、すでに部隊や民、皆と共有する術を身につけた」

「なんのことですか?」

「アレス。新米へっぽこ女王に報告してやりなさい」

父の腹心であるアレスに言った。

「はい。本日、城下街に配属する偵察の定時報告によると、早朝より、挨拶で使われていたお辞儀の代わりに、昨日(さくじつ)、女王がなさった、右手を胸に置く行いが挨拶の動作に加わり、今までのお辞儀をする挨拶が見られなくなったとのことです」

「え?」

アルテミスは、父の腹心のアレスに顔を向ける。

「私も城下街に降りて、偵察を行いましたが、皆、表情が良く、昨日よりも活気に満ちていました」

アレスは、アルテミスが一番聞きやすいだろう優しい声を選んで話す。

「噂とは早いものだ。常に王族の仕草や動作は見られている。城下街の流行は、王族が大きく関わっているのだ」

父は腕を組み、天井に描かれている女性の肖像画を見ながら言った。

玉座の真上に位置して天井全体に描かれている美しい女性は、玉座を覆うように描かれている。

「はい、気をつけます」

「いや、今回はアルテミスの行動がひとつにまとめる良い仕組みとなった。これで城下町のみならず、王国全土にアルテミスの名が広まるだろう」

「私、そんな有名人になりたくないです」

「最高位の名を轟かせておかねば、王威もなくなってしまうから、良いのだ」

「…はい。王様って大変だなぁ」

アルテミスは下を向くと、地面の模様を足でなぞっている。


ご試読、誠にありがとうございます。

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