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第一章 王女継承と蜂起の影 第一節(2)

 刻一刻と継承の儀が近づく夜更け、アルテミスは寝むれなかった。11歳の私には、王の意味すら理解できていない。父の王務を近くで見ていただけで、ただのお仕事だと思っていた。しかし、父が時々見せた、鋭い眼差しで部下に指示をする姿は、鮮明に残っている。私には、あんなに優しい目なのに。

(王…。私は…)

 いつの間にか、私は眠っていたようだ。

徐々に空は明るくなり、朝がやってくると、一羽の大きな鳥のかけ声で動物たちは目を覚ます。

小鳥たちの鳴き声と共に、人々の声が聞こえ始める。

アルテミスも眩しく顔に射す朝日の光で、目を覚ましたが、光の当たらない布団へ潜る。

間もなく眠気が、再びまぶたを閉ざしていく。

すると、窓の外が賑やかになっていることに気がついて、再び目を開ける。

布団が恋しい身体をゆっくりと起き上がらせる。

窓枠の隅からそっと外を覗くと、城の広場にはたくさんの民が集まっていた。

重い身体と呼吸を合わせながら身支度を済ませ、急いでバルコニーへ向かった。

「アルテミス。よく眠れたか?うむ、その顔はよくは眠れていないようだな」

すでに父はバルコニーの手前にいた。アルテミスを待っていたようで、バルコニーの手前に立っていた。

アルテミスが到着すると、息を整える間もなく、親衛兵が私たちを取り囲むように護衛し、バルコニーへ上がった。

私たちの姿を見た民衆は、歓声を響かせた。

歓声が私たちに集中する中、集まったたくさんの民がアルテミスの目に映る。

拍手をしている人や正座をして頭を地面につけている人、腕を組んでいる人。様々だった。

子供たちは、駆けて競い合っている。

城と街を繋ぐ街道を見ると、広場に集まらず、仕事に勤しんでいる民もいる。

父は規則という、しがらみを嫌い、民には自由に生きて欲しいと強く願っていたためだろう、王を迎える仕方を定めていなかった。

しかし、幼いころの私の記憶には残っている。

王務をしている父の横で、おままごとをしている私を愛おしむような優しい目で見ては、自由なことが本当に自由なのだろうかと、つぶやいていた。

ご試読、誠にありがとうございます。

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