現代日本のパチンカスとは表の顔、真の姿は世界を牛耳る大富豪
年一更新くらい更新遅いです。
負けた。
現代日本のパチンカスとは僕のことだが関係ない。負けても負けても彼女がいる。僕は勝ち組だ。と思う。
スーパーの中で本日の夕飯を漁る。
『タルタル紅鮭メンチカツ半額。……いいな、今日はコレにしよう』
レジに向かって歩き出す僕の心はホクホクだ。
なんてったって紅鮭だぜ、メンチカツだぜ、タルタルさまだぜ。
スーパーを出て車に乗り僕は彼女の家の方へと車を走らせた。
僕の彼女は障害だ。障害を持つ人が通う施設にいる。
僕も世界のはみ出し者として在籍している。彼女は変わった子だ。もちろん当たり前だ。
産まれたその時から世界を担う人として産まれた彼女を僕が、僕の親が放って置く理由はなかった。
今は夜十一時五◯分彼女は寝ている。
それでも彼女の家の前を通る。
近くの公園で二人の男女に会う。
彼女のための警備を任せている二人だ。
「空、麦。今日の聡美はどうだった? 体調と何を食べて何が欲しそうだったか教えてほしい」
空と呼ばれた男が
「宮崎県産の豚肉を使った自家製野菜のゴーヤチャンプルと地元県産の卵……」
つらつらと産地と品目と料理名を言って行く空。
「あとは今日も世界情勢を気にしてましたね」と麦が最後を締め括った。
「宮崎県産の豚肉はこれからもここらの地域全体に新しいものが行き渡るようにしておいた方がいいね。ありがとう。空、麦。聡美が前に気にしていた海ゴミ問題の方は進展あったかな?」
「圧縮加熱でダイヤモンドを作る方向性で大体の利益を上げました。しかし赤字です。ゴミ一トン一万は無謀なのではないでしょうか我が君」
「いいんだよ麦。百年後を危惧してのことなんだから」
「物流の航行規制はされたもののグループ内の株価は姫君の予言通りです」
「ありがとう空、引き続き聡美の護衛を頼むよ」
そう手のひらをかざすと二人は闇夜に溶けていった。
そして僕は今度こそ帰路についた。
僕は『平和農園』という障害者施設に通うやや臆病な青年として日々パチンコで生計を立てている、という設定で聡美と過ごしている。
「いただきます」
先程買った半額のタルタル紅鮭メンチカツと先月買った牛乳と先々月買った納豆が僕の晩飯だ。
オートファジーも趣味で始めたから明日は夕飯と夕飯のダブル夕飯だな夕方四時はきっついなぁと首を捻りながら明日のエッチまで眠りにつく僕だった。
時間は二十年前に遡る。
聡美が高校生、僕が聡美を好きになって三年ほど経過した年だ。
当時は平助こと彼女の弟が一番の天敵だった。
平助は聡美のことを姉以上に想い持ち前のイケメンオーラで聡美をたぶらかし始めたのだった。
空と麦に早急にことに当たるよう指示しことなきは得たものの平助は最愛の姉に
「死ね」
と叫ばれ拒絶され大きな傷を負わせてしまった。
経緯はよくわからないが聡美に血のつながりのない人間を好きにさせる魔法を施したらそうなったらしい。
しかし、僕は遅れをとってしまう。
晶くんが現れ、聡美を掻っ攫われてしまうのだった。
その時の僕の落胆と言えば伝える術もなく。
しかし、晶の母親に障害を嫌う癖を強くし困難を乗り越えた僕!
悪うございます。
聡美、チミは僕のものなんだよ。
そうやって聡美自身に念話やあの手この手を使って僕はやっと彼女を手に入れた。
けれど、本当に聡美は僕でよかったのだろうか。
本当は他のやつが好きなんじゃないだろうか。
不安は尽きない。
僕には聡美と離れていても繋がることのできる能力があり、聡美も気に入って
「エアちんちんまた使ってるー」
と電話をよこすことがある
隠しカメラは最新の熱源センサーにした
音とともに録画機能も付けた
聡美は僕を嫌うそぶりも見せずに時折
「別れよう」
という、彼女の真意はどこにあるのだろうか。
麦にも空にもわからないと言われた
「僕のどこを好きになってくれて付き合ってるのかな」
「性液の匂いが好きだから」
彼女は変わった答えをくれた。
「誉さんが運命の人だって思ったの」
「誉さんだけなの、こんなに感じてこんなにいい匂いに愛液がなってこんなにいい匂いの性液は」
「誉さんとだけ毎日エッチしたいって思うの」
その言葉だけで充分だったのかもしれない
彼女が聡美が望む戦争のない世界を作るには、海のゴミを全て取るには
他にも大小様々な願いがあったが、僕は心を読んで、聡美の望んだ世界を作り上げていった
そうすることがグループ全体に良い影響を及ぼしていた
今もアメリカとイランが戦争をしている
ウクライナとロシアも戦争している
それでも僕は介入しない
介入せずに影響を及ぼしている
彼女は戦争をしても勝てないと言った
なら、きっと勝てないのだろう
彼女は自分が死んだら神になると言った
多分なるのだろう
彼女はもうすぐ死ぬ
「私長生き出来るかなぁ」
「できるよ」
僕はそう答える
血を吐く彼女をしっかりと見届ける予定だ
夜はアメリカとの停戦合意を取り付けるべく起き続けなければならない
あとどのくらい金を積めばあの国は収まるのか
果てしない
終わり。
拝読ありがとうございます




