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6、


 ドンドンドン………誰かが乱暴に寮のフォセットの部屋の扉を叩いたので困惑しながら開けると姉のノエリアが入って来た。

 この学園は高等部までは通いか寮が選べるのだがフォセットは一応理事長からの指示で寮に住むように言われていて選択肢がなくこれは仕方なかった。

 一方で姉のノエリアは自分で選んでいて同じ寮にいたので訪ねて来てもおかしくはないのだが彼女から接触してきた事に違和感を覚えたフォセットは面倒臭さがその目に現れていた。


「フォセット!貴女何故いきなり学園に入学したのよ!」

「お父様と理事長様からの指示ですが何か?」

「えっ?理事長?何故?」


 予想外の思わぬ大物に簡単に考えていたノエリアは戸惑った。


「私もいきなりでしたけど学園に通えと通達が来たので一応確認したのですが間違いはなかったので指示に従ったまでですね。もし貴女が退学しろと言うのなら私には決定権がないのでそれ相応の理由を示して理事長様を通して下さい」

「…わかったわ。それなら退学とまでは言わないけどここに居るなら無能のフリでもして大人しくしてなさい。いいわね!」


(相変わらずだな…)


 フォセットは呆れた視線を向けたがノエリアは気付いてなさそうだった。


「まぁ一応は大人しくはしますよ。但し、周りに求められたら私はそれに応えるだけですから我が家のためにもその辺りは貴女もしっかりと理解してくださいね。

 これはお父様からの命令でもありますからそのつもりでお願いします」

「わかったわ」


 フォセットはノエリアの様子を見ながら少しだけ含みを持たせるような話し方をしたのだがノエリアが全く気付いて無さそうな素振りを見せたので更に呆れていた。

 ノエリアは流石に理事長と家を出されると戸惑いそれ以上は何も言えず引き下がるしかなかったのだが言いたい事だけはしっかりと口にして少しだけ気が済んだのかまだ不服そうではあるがやっと退室した。


「暇なら勉強でもすればいいのに…まぁ、やるのは本人だからいいけど…」


 これ以上の面倒事は御免だと思ったフォセットの切り替えは相変わらずだった。




*****




「フォセットー!」

「あぁ、エビーチェ様、ごきげんよう」


  翌朝教室へ向かっているとエビーチェに呼び止められた。


「昨日は早速お父様に手紙を出したの。そしたらまずは話を聞きたいって仰ったから今度の休息日にお願いしたいの」

「わかりました」

「ついでに勉強教えてくれない?」

「いいですよ。私で良ければ」

「有り難う助かるわ。実はもうすぐテストだから困ってたのよ」

「わかりました」


 フォセットはエビーチェが困った様子で頼む姿がなんだか可愛く感じてしまい気付けば自然と頷いていた。


「よかった。今日からお願いします」

「わかりました。宜しくお願いします」


 この日からテストが始まるまでエビーチェはフォセットに教えて貰う事にしてフォセットは今まで人に教える事がなかったので少しだけ不安もあったが良い刺激になるだろうと切り替えると少しだけ楽しみになっていた。








ここまで読んで下さって有難う御座います。

登場人物紹介です。

フォセット…双子の姉のノエリアの妹。

ノエリア…フォセットの姉。

エビーチェ…キャラメツ伯爵家の令嬢

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