ノエリア③
その後の私は両親と相談して淑女学校でも飛び級制度はあるのでそれを利用するために入学した。
この制度を利用するためには約半年程授業を受けないと試験は受けられないと言うことでその間は真面目に授業を受けて半年過ぎたらすぐに試験を受けると卒業資格を得ることが出来て一応は対面を保つことが出来たので卒業資格を得られた時には両親もホッとしていた。
その様子を見ながらこの時にどれだけ両親に迷惑や心配を掛けたのかを思い知り改めて頭を下げると「ちゃんと成長したならもういい」と許して貰えた。
「フォセット…」
「お帰りなさい」
全てが終わり私は改めてフォセットの部屋を訪ねると彼女は何かを察したように穏やかな表情で迎えてくれた。
この表情を見ながらあれだけ迷惑を掛けたのに特に気にしてなさそうな気がしてこの子には敵わないと感じた。
「…卒業おめでとう」
フォセットは私の様子を見て祝福してくれた。『この子はどこまで器が大きいのだろう…』彼女を見ながらそんな事を思った。
「…有難う。嫌な思いをさせてごめん…」
「うん。本当に面倒だったよ。でも最終的に気付けて良かったね」
この言い方が少し気になった…でもその表情はやはり穏やかで優しかったのでこれも彼女なりの気遣いの仕方なのだと思うと以前のようにあまり腹立たしくはならないのが不思議だった。そしてこの感覚は息苦しくなくて心地よかった。
以前の私はフォセットと比べられてると感じていて勝手に自分の息苦しい檻を作りその中で過ごしていたのだと気付かせてくれたのもフォセットだったけど…今も悔しい気持ちはあるけど嫌な程にそれが良くわかると前よりも気持ちに余裕が生まれていた。
「フォセットは本当に意地悪だし口が悪いわよね…でも今ではなんだかその態度を前にしてもあまり嫌な気分ではないし不思議な気分になるのよねぇ」
「そうなんだ?ノエリアに報告。縁があって私はキャラメツ伯爵家に嫁ぐ事になったよ。そこで研究しながらやりたいようにやるつもりだからノエリアも頑張ってね」
え?キャラメツ伯爵家?それって…エビーチェ様の家に嫁入りってことよね。どれだけ仲良しなのかしら?…こんな事を思いながら思わず苦笑していた。
「なんだか寂しくなるわね…」
「転移魔法で一瞬だからいつでも帰れるよ」
確かに嫁ぎ先に転移魔道具を設置すると毎日でも帰って来れる…この時に私のこの感情を返せと言いたくなった。
「ねぇ。何かあればあの子の時みたいに一緒にいてくれない?」
「状況によるかな」
「そこは折角和解したからいいよって言ってくれないの?」
この時に少しだけエビーチェ様に嫉妬するとフォセットは何かを察したような表情になってふふっと笑っていてなんだか少しだけ居心地が悪かった。
「なによ」
「いや。ノエリアは可愛いなって思ってね。ずっとそのままでいたら私はノエリアと一緒にエビーチェ樣と楽しくやってただろうなって思った。本当に状況によるけど出来る限りいられるようにするよ」
「やはり意地悪よね」
「そうかな?その辺りはわからないけどね」
少しおどけたように肩を竦めるフォセットの様子を見て私もなんだか笑ってしまうとフォセットは優しく微笑んでいた。
早くこうなりたかった…でもあの事があったから今は余計にそう思えるなら今までの私の行動も無駄ではなかったのかなとも思えた。
複雑ではあるけど…認めざるをえない。今までの私は本当に小さな世界しか見ようとせずにこの子を遠ざけて自分の可能性も潰していた。
こんな事はまだ悔しさが勝ってる今は口に出来ないけど…何れは笑って言えるようになるのかな。
昔のように穏やかな雰囲気で一緒の時を過しながらそんな未来を想像するとなんだか明るくなった気がした。
「フォセット…有難う…」
「うん」
この子はやはり特に何も言わずに私を受け止めてくれる。
双子って本当に良いものなのね…今まで避けてた自分がなんだか馬鹿みたいに思えたのと同時にずっとこの時を待っていてくれたフォセットに感謝していた。
ここまでお付き合いくださった皆様有難うございました。
フォセットとノエリアは無事に仲良しさんに…なったのかな?
次が最終回となります。




