23、
此方で本編は最終回です。
各々がやれるだけの事をして迎えた追加試験の当日。
三人は同じ部屋の離れた位置に座らされて同じ条件の下で試験官の見守る中で今回は筆記試験のみをする事となった。これは実技試験では他の生徒達も見ていて証人となるので不正が出来ないためとの判断だった。
そして結果はノエリアは惜しくも僅差で敗れミルトネアは今までの行いが出たのか前回よりも更に差を付けられていた。
「さて、これで明確になりましたね。公の場でも学内でも君達の流した噂で学園側も困った状況になりましたから二人にはこのまま留年してもらいます。
キャラメツ伯爵令嬢。君も災難だったけど前よりもしっかりと解けていたよ」
「本当ですか!ではフォセット様のお陰です」
結果が更に良かったとなるとエビーチェの緊張も解れて笑みを浮かべいた。
「理事長様。お呼びでしょうか」
「君も結果を知るべきだと思ってね」
「…なるほど。でもキャラメツ伯爵令嬢様には敵わなかったのでは?」
「凄い自信だね。その通りだよ」
「そばで見てたら彼女の優秀さがわかりますよ。エビーチェ様おめでとうございます」
「フォセット様有難う。貴女のおかげよ」
この日まで寮に泊まっていたフォセットは理事長に呼ばれて現れるとノエリア達は睨んでいたがフォセットはそれを無視してこの結果は当然の事だといわんばかりに話すと理事長も満足そうな表情で頷きエビーチェは改めて最後まで付き合ってくれた彼女に感謝していた。
そしてエビーチェはやりきった自分に自信を持ちやっと帰路の途に就く事が出来た。
別れ際にエビーチェは見送りに来てくれていたフォセットに感謝して「また会いましょう」と約束してから別れた。
(これで私の役目も終わったよね?)
その後のノエリアはもう一度やり直すのが嫌なのと生徒会で目立っていただけに皆からの陰口を恐れて理事長に直談判して卒業試験を受けさせて貰えるよう訴えたが逆に『留年が嫌なら…』と退学を勧められてしまい返答に困っていた。
これはミルトネアも同様で既にやらかしてしまったがためにどうにもならず両親から『キッチリやり直すか退学を…』と勧められて他の生徒達に後ろ指をさされたくなくて決断を渋っていると退学する事になった。
*****
「どの道これは我が家の醜聞には変わりないんだよねぇ…」
「そうですねぇ…本当に阿呆だな…」
やっと領地の屋敷に戻れたキリアックとフォセットは書斎でテーブルを挟んで話しながら自然と重い溜め息が漏れていた。
「それで?ノエリアの話は?」
「想像通り…」
キリアックは執務机の一部を指して彼女もそれを見て頷いた。
「なるほど…」
「フォセットに頼んでいいかい?」
「嫌です…」
「フォセットならって凄いんだけど?」
「面倒ですよ」
「そう言わずに会うだけでも…」
「勘弁して…」
とても嫌そうに即答で拒否したそれは婚約の話でノエリアに来ていたものがフォセットに来るようになっていた。
「お嬢様。キャラメツ家からです」
平行線を辿る話し合いをしていると執事が手紙を持って来たのでフォセットはすぐに目を通して口許を引き攣らせていた。
キリアックも気になり手紙を読ませてもらうとニヤリと笑った。
「かなり気に入られたね?」
「みたいですね…ご令嬢からも是非にとか…」
「でもこの家ならいいんじゃない?」
「まぁそうですね…」
何気ないこの返事が悪かった。キリアックはすぐに手配して顔合わせをする事になった。
相手はエビーチェの兄で卒業式に両親とエビーチェ本人から彼女を助けてくれた令嬢の話を聞いて興味を持ったらしいとのことだった。
フォセットは特に何もしてないと話しても聞き入れて貰えずエビーチェと共に「是非とも我が家に!」と押されてしまい圧が凄くて頷くしかなかったがそれは渋々だった。
更にとどめはハドマーだった。彼はフォセットと研究するのが楽しいので「ペリオルビーについての生態に興味はないか?」と提案されて揺らぐとハンネスがすぐにキリアックからの入れ知恵を披露して「この領地の蜂蜜は好きかね?」と追い打ちを掛けるとフォセットはこの領地の蜂蜜が大好きなので食い意地に負けた。
こうして話が纏まるとハンネスがかなり喜びすぐに手配していてキリアックもその勢いに乗りフォセットが慌てている間に婚約迄の全ての手続きが手早く済んでしまっていた。
こうなると逃げられず仕方なく受け入れてその後はキャラメツ伯爵家の領地で研究をするハドマーと一緒にペリオルビーの可能性を広げて領地が更に繁栄して彼女は結婚後も自由で楽しく過ごした。
ここまで読んでくださって有難うございます。
ザックリ人物紹介。
フォセット…ノエリアの妹。やっと片付いたけど複雑。エビーチェの頑張りは喜ばしいのだが…まさか食い意地で婚約が決まるとは…と最後の最後で自分の食い意地が恨めしい
ノエリア…フォセットの姉。まさか負けるとは思わず凹んだが今後の選択に悩み中
エビーチェ…フォセットの友人。自信はなかったがやればやるだけ成果が出るので少し自信を持った。これを兄に話すと兄も興味を持ち更に両親からも好印象だったと知りキャラメツ家でフォセットの外堀り埋めた
ミルトネア…侯爵令嬢。ここまで惨敗するとは…と未だ信じられないが状況証拠が揃ってるので何も言えなくなった。流石に留年はプライドが許さなかった




