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ノエリアのいる生徒会の話です。
(何故こんな結果に…)
時は少し戻り掲示板に張り出される前にノエリアは生徒会宛に届けられた結果表を見て焦っていた。
「フォセット・シャルダン嬢はノエリア嬢の妹君だっけ?とても優秀なんだね」
「有り難う御座います。しかし妹はセヴァロス様に褒めて頂く程の者ではありませんわ」
結果を見ながら話すのはアベル・セヴァロス・ヴェスタル。艶のある黒髪に爽やかな印象の緑色の目をしていたがその顔立ちと雰囲気は少し生真面目な印象を与えるので一見すると近寄り難いものがあった。
しかし話してみると意外と気さくで穏やかな性格なので生徒達にも人気がある彼はこのヴェスタル国の第三王子で現生徒会長。
この国ではミドルネームがある時はファーストネームを呼んではならない決まりがあり皆は彼の気さくな性格も好ましく思い親しみを込めてセヴァロス様と呼んでいた。
この生徒会の長である彼には現在隠し事があった。
それは理事長からフォセットの事で事前に説明を受けていたのはこの場で彼のみなので本来なら皆にフォセットの事は話すべきではあるのだが今の生徒会には彼女の姉のノエリアがいるため念のために…との措置として黙っている事になっていた。
理事長から話があってからセヴァロスも二人の事は出来るだけ気に掛けるようしていて何かあればすぐに対処出来るようにと構えていた。
今も知らない振りをして話すとノエリアは少し顔が曇っていたのでなんとなく彼女の心境は穏やかではないような気がしていた。
「そうかな?これだけの成績をとるなら授業を理解してないと無理だと思うけど?」
「確かにこれは凄いよね。マナーは感性もあるし教師の主観が強く入るから満点ではないけど座学では全てが満点だし魔法の実践も満点で魔力測定もSランク。
こんな人はなかなかいないし今までは1位がセヴァロス様だったけど彼女は一度で見事に差を見せつけたから私も今ある妙な噂が嘘だとわかったよ」
セヴァロスから順位表の紙を受け取り目を通しながら感心するのは生徒会副会長のオビディオ・ベスター。彼はベスター伯爵家の次男で茶の髪に青い目で若干冷たい印象を与えていて普段から眼鏡を掛けているので余計に近寄り難い雰囲気だったがそこも彼の魅力の一つでもあり王子に引けを取らない容姿で生徒達にも人気があった。
彼もフォセットを褒めると生徒会のトップの二人が認めた事になりノエリアは内心腹立たしさが増した。
「妹はとても面倒臭がりですからたまに性格に問題があると言われてますので噂もその関係かもしれませんわね」
ノエリアは腹立たしさをなんとか押し込めてにこやかに話していたがそろそろ限界だった。
「セヴァロス様。やることを思い出しましたので戻りますわね」
「わかった。妹君に会えたらおめでとうと伝えておいてくれ」
「承知しました。有り難う御座います」
ノエリアが退室してからセヴァロスも腰を上げた。
「悪いが私も出る。鍵は閉めてくれ」
「はい」
残っていた役員に後を頼むと彼はノエリアを尾行した。
密かに付いて行くと彼女は妹のフォセットの手首を強引に掴み何処かへ行こうとしていたがフォセットは友人も連れていた。
(なるほど証人か…なかなか賢いな)
セヴァロスはノエリアの様子も見ながらこの時のフォセットが咄嗟の判断でとった行動が一枚上手だったので感心した。
そして空き教室に入ると扉を閉められた。中の様子を確認したかったが気付かれた時の事を考えて諦めた。暫くして先に出てきたのはフォセットと彼女の友人で次にノエリアだった。
その友人の話では意外そうな一面を見たらしいがフォセットは困った顔をしているだけで彼女は友人を見る振りをして一瞬だけ気配を消していたセヴァロスを見て知らぬ振りをした。
これで気付かれていた事を察して彼も教室に戻ることにした。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
登場人物の紹介です。宜しければご利用下さい。
ノエリア…シャルダン男爵家の双子の姉
アベル・セヴァロス・ヴェスタル…この国の第三王子で生徒会長
オビディオ・ベスター…ベスター伯爵家の次男




