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10/27

10、


 試験が終わり数日後に全ての試験の結果が発表となった。

 高等部の校舎は学年毎に違うのでフォセット達は三年棟の掲示板が張り出されるエリアに来ていた。

『1位、フォセット・シャルダン』この結果に掲示板を見に来た生徒達がどよめいていた。


「流石フォセットね!あれだけ分かりやすく教えられるなら当然の結果ではあるのかしら?」


 フォセットは自分の事のように喜ぶエビーチェが可愛くて思わず優しく微笑んでいた。


「エビーチェは18位だね」

「前は実技で足を引っ張っていて30位に近かったの」


 点数は筆記と実技が半分ずつの合計点で採点されていてエビーチェにしてみると今までを比較してもこれは大健闘だった。

 しかしフォセットにしてみると筆記が問題なくて実技が…と言うなら彼女の普段の様子からしてその可能性はもっと伸びると感じていたのでこの結果には少し不満そうにしていた。


「そうなんだ?エビーチェなら後少し頑張れば10位以内も狙えると思うけどなぁ?」

「そうなったら凄いわね!」


 そう言いつつもなんだか他人事のような彼女の様子にフォセットは少しだけ眉尻を下げたがこれは自分が自覚しなければ他者が何を話しても意味はないと感じて余計な事を言うのはやめた。


「なるよ。まだ伸び代はあるからね」

「それじゃあまた教えてくれる?」

「私で良ければ」


 二人は結果の詳細等も見終えると静かに離れようとしていた。


「フォセットちょっといいかしら!」


 いきなりノエリアが声を掛けて来てそのままフォセットの手首を掴むと強引に何処かへ連れて行こうとした。


「エビーチェもついて来て」


 ここで思い掛けない事をしたフォセットにノエリアはフォセットを睨んだが彼女は相変わらず飄々としていて考えが読めないノエリアは仕方なくそのままフォセットを引っ張りフォセットはエビーチェを掴んでいた手を離すことなくそのまま連れられた場所は空き部屋だった。

 そこは専門教科を教える講義室で今は誰もおらず密会場所にには適していた。

 この学園には普通科目の他にも何か一つでも知識を得て貰うために選択教科と言う授業がありそこではその道の学者や専門的な技術を持つ者達が週に二回程教えに来る場所だったが生徒達は学者達との縁を作ると将来的にも自分達に良いとして貪欲に学ぶ姿勢を見せる者が多かった。

 この講義についてはテストに影響はないのでテスト前になると講義も休みになっていた。


「なぜ他の生徒を連れて来てるのよ!」

「おや?何が不都合でも?」


 三人以外に人が居ないことでノエリアも少しだけ気が緩み本性が出ていて腹立たしそうにしていたが流石にエビーチェが居る前では迂闊な事は出来なかったので言葉を選ぶしかなかった。フォセットはこれを狙っていて平然と白を切っていた。


「まぁ、貴女が言いたいのはわかりますよ。ただ私も話しましたよね?一応大人しくはしていても必要があればキッチリやらせて貰うと。

 今回はここで手を抜くのは他の方にも失礼ですから余計に波風を立てることになると判断しました。

 貴女には心当りがあるかはわかりませんけれど…こういう形で実力を出さなければならなくなったきっかけと言いますか…原因がありましてね?その理由なんですけど以前に不可解な事がありまして元学友(クラスメイト)から妙な手紙を受け取ったんですよねぇ。

 確かにその方とは面識はありますけどその関係性はクラスが一緒と言うだけで交流はあまりなかったんです。

 それなのにその手紙は不可解な内容で全く身に覚えもありませんから何かの間違いかと思ってその当時にしっかりと調べてみたんですよ。そしたら思ってもみなかった()()()がありまして書類に目を通しながら『こんな事になってるとは…』と驚きましたよ。

 先日は私がここに居る経緯も話しましたよね。その上での結果ですからこの状況も察して下さい。私も板挟みなので貴女も今後の言動にはくれぐれも気を付けて下さいね」

「…」


 全てを話さず含むように話すとノエリアは心当たりがあり悔しそうに唇を噛んだ。


「まぁ、そういう事です。私から話せるのは貴女こそ大人しくするべきだった。これ以外にありませんしこれ以上の話は何もありません。では生徒会の書紀殿。ご機嫌よう」


 フォセットはここで敢えて嫌味っぽく『生徒会の…』と話したあとはエビーチェを連れて教室を後にしたが一人になり腹立たしそうにしていたノエリアも長居すると疑われると感じてすぐに退室していた。


「なんだか普段のイメージと違ったわね」


 廊下を歩きながらエビーチェは普段の学園でのノエリアは品行方正な印象だったのを思い出していて先程の妹の成績を喜ばず腹立たしそうにする姿とかけ離れていて戸惑っていた。


「そうだねぇ…あれが本性ではあるよねぇ。しかしまさかあんな公衆の面前で直接接触してくるとは…それであの態度なら愚かにも程がある。エビーチェもあまり口外しない方が身のためだから黙っててね」

「そうね。知らない間に巻き込まれたら困るから黙ってるわ」


 顔を見なくてもわかるほどフォセットは面倒臭そうな話し方をしていたのでエビーチェもなんとなく面倒事を察する事が出来ると自然と困った顔になっていた。





ここまで読んでくださってありがとうございます。

登場人物の紹介。宜しければご利用下さい。

フォセット…シャルダン男爵家の双子の妹。

ノエリア…シャルダン男爵家の双子の姉。

エビーチェ…キャラメツ伯爵家の令嬢

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