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パパと娘の卵焼き戦争勃発

作者: 鈴音あき

超短編。

文字数は974文字。

あっという間に完読!

よろしくお願いします。

私は帰ってくるなりパパに向かって文句を言った。


「パパ! どうして卵焼きの味付けを変えてくれないの!?」


父子家庭の私たち。


ママは私たちを置いて出て行ってしまった。


ママに棄てられた者同士、支えあって生活をし始めてそろそろ二年が経つ。


その間に起きた変化は、パパのお仕事が変わったことと、私が小学生から中学生になったこと。


小学生までは給食だったからパパも私も食事に関しては朝と夜のことを考えれば良かったのだけど。


私が通う公立中学は給食ではない。


全員お弁当を持参しなければならない。


隣の市は全部の小中学校が給食なのに。


今は隣の市にわざわざ引っ越す家庭もあるのだとか。


でも私たち親子は転居はしなかった。


だってあっちは何もないんだもの。


これからいろんな施設が増えたりするのかもしれないけど、公共交通機関が充実しているこちらの方が住みやすい。


私たちはそんなに困る事はないと、この時までは軽い気持ちで生活をしていた。


だから、私たち親子は朝からお弁当を作らなければならない。


お弁当を中学から作る事が決まって、パパも職場にお弁当を持っていくことになり、おかずはパパが作り、私がお弁当箱に詰める。


そう 親子会議できめたのだ。


家事はなるべく手分けして、どちらかが負担が重くならないように二人で相談して決めていたのだけど。


このお弁当作りでちょっとした親子喧嘩が頻繁に起きている。


私は卵焼きは甘い味付けが好きなのだけど。


パパは私とは真逆の塩味が好き。


パパは子供のときから卵には塩を入れて食べてきた。


私は捨てられたママの味付けに慣れていて、塩味の卵焼きははっきり言ってキライ。


お弁当に入れる卵焼きはおかずはパパが作るので、どうしても塩味なのだ。


あ……。


もしかしたらパパがお弁当のおかず作り担当になったのは、塩味の卵焼きをどうしても食べたかったからなのかな?


……だとしたら、完全に確信犯だ!


パパズルい!


パパサイテー!


腹黒オヤジ!


私にはそんなそぶりも感じさせずに平然としているなんて!


これはまだ子供な私へのオトナの悪い例だ。


純粋に、朝早くから起きておかずを作るのが大変だから、パパが代わってくれたのだと思っていたのに。


その可能性に気づいた私は腹が立ってきた。


どうやってパパに意趣返しができるかな!?


私は自分の部屋に入ると、これからパパと私の卵焼きの味付けバトルを制することが出来るのかを、本当に、真剣に、考え始めた。



とても、とても、とーっても! 些細な事。


親子喧嘩ってこんなことから始まってどんどん拗れていってしまうのかなぁ……。

なんて思いながら、お互いの主張を押し付けあった後、ふと気づけば笑い話になっている。


そのきっかけを書いてみたかっただけのお話です。

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