表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/85

ダンジョン(仮)を調査する

「大丈夫か?」

「はい。問題ありません。そちらはどうですか?」 

「ああ、こちらも問題無い。」

 サラマンディア神殿の神官たちは無事を確認し合い、先へと進んで行く。



 モルト領で突如ダンジョンと思しき洞窟が出現騒ぎがあった後に各地を調査した所、案の定と言うべきか幾つものダンジョンだと疑われる場所が見つかった。

 当然現地では騒ぎが起こったが、すかさずサラマンディア神殿が探索と警護にあたり、今はダンジョンだと疑われる場所の周辺は原則立入禁止になっている。



「気をつけて下さいよ。」

 神官のクレアは先行するエマに声を掛ける。二人が潜入している場所はモルト領のものと同じ洞窟である。

「ああ。しかし、本当にこれは何なんだろうな?」

 エマは首を傾げるも、周囲への警戒は怠らない。

 無言で進むこと十数分、二人はそれを発見した。

「…階段があるな……」

「そうですね。」

 二人は顔を見合わせる。 

「一度戻るぞ。」

「その方が良いでしょうね。」

 二人はモルト領での事を思い出し、一旦洞窟を出る事にした。



 クレアとエマが探索していたのは王都から少し離れたディレノス公爵領に出現した洞窟だ。

 創造神の友人だというディレノス公爵家の三女シンシアが調査し発見したものだ。

 シンシアはモルト領での話しを聞き、早速両親に頼み込み調査を依頼すると共に自らも領内を歩いて回ったらしい。

 モルト領での出来事を参考に森の中を散策していたら、非常に怪しい洞窟を発見したとの事だったが…

「何とも出来過ぎな気がしますよね。」

 クレアがポツリと呟く。

「まあな。しかし、シンシア嬢が嘘をつく理由は無い。」 

「そうなんですが…何とも気味が悪いです。」

「まあ。余り気にするな。私たちは任務を全うするのみだ。」

「…そうですね。」

 そんな会話をしながら二人は洞窟を後にした、



「という訳だ。」  

 あれから定期的に女神たちは会合を持って近況を報告し合っている。

「う〜ん。何だかなぁ~」

 ソランツァは渋い表情で首を傾げる。

 あれから幾つもダンジョンだと疑われる場所が発見され、その都度サラマンディア神殿の神官たちや現地の騎士団が調査にあたっている。

「幾ら何でも急すぎない?」

 ソランツァの疑問は尤もである。

 モルト領のダンジョン(仮)が発見されてからというもの、幾つもその疑いの場所が発見されたが…その頻度が異常なまでに高いのだ。まるで、モルト領の洞窟が発見されるのを待ってから次々に他の場所を出現させたかのように… 

「それは言えるな。」

 サラマンディアも同意する。それは実際に現場に足を運ぶサラマンディアこそ肌で感じている事だ。

「まあ何にせよ、調査を進めて行くしか今は手段は無いな。一刻も早く、あの方の世界を取り戻す為にも。」

「そうだね。」

 女神たちは創造神が作り上げた世界が大好きだ。優しい彼女が愛する世界を取り戻したいと、皆が願っている。

 その為にも早くこの奇妙な現象が起こる原因を突き止めるべく女神たちは静かに動き出す。 

 

  

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ