セーラちゃんとの出会い
マリーゼ様のお母様、シェフレラ様の案内でとある一室に案内された私たち。
「さあ、どうぞ。」
シェフレラ様が扉を開け、私に入室を促す。
「あ、ありがとうございます。」
お礼を言って扉を潜ると、ソニア様・アンジェラ様・ハルモニア様・カトレア様。そして初めましてのお嬢様ーーこの人が多分セーラ様ーーが待っていた。
この五人が立ち上がり優雅にカーテシー。う〜ん、優雅。そして圧巻!
「どうぞ、お顔を上げて下さい。」
そう声を掛けると、一斉に顔を上げる。
「こんにちは。葉月さんに真知子さん。佐保さんに智恵乃さんも。」
私は微笑って挨拶をする。ここにはセーラちゃんがいるけど、彼女も同類らしいから別に隠す必要は無いか、と彼女たちの前世の名を口にする。
すると
「お初にお目にかかります、創造神ミナティ様。セーラ=モルトと申します。」
セーラちゃんが一歩前に進み出て一礼する。
「あ、初めまして…」
分かっていたけど、このセーラちゃんもとんでもない美少女だ。
見事なブロンドのストレートヘアに金の瞳に抜けるように白い肌。その姿はまるで光の女神のよう。
「そして私の前世の名は…上田桃恵です。」
「…桃恵ちゃんなの…?」
私はウルウルしてくる。
上田桃恵ちゃんは、小学生の時のクラスメイトだ。
当時から既にクラスから浮いて孤立していた私に何かと構ってきていた子だった。
桃恵ちゃん自身は別の仲良しグループに入っていたけれど、彼女の正義感からか何かにつけ私に話し掛けてきては彼女のグループに入れてくれていた。
当然といえば当然だけど、その度にグループの他の子からは白い目で見られ邪険にされたものだが、グループ行動をしなければいけない時は本当に助かった。
それにしても、あのグループ行動ってどうにかならないものだろうか?集団行動が出来るように、みたいな意図はあるんだろうが…人によっては拷問でしかないんだよね、あれ。
「ふふ、美奈子ちゃんが創造神様だったなんて…本当に驚いたわ。」
セーラちゃんはクスクス笑いながら言う。
セーラちゃんはこれまで傷心が深く、領地で静養していたのだそう。しかし、ソニア様やハルモニア様たちが今回復学したのを期に、自分も前に進まなければ!と一念発起したそうな。
「でもまあ、それは表向き。お母様たちを納得させる為の理由付けよ。」
そう言ってセーラちゃんはニッコリ笑う。
表向き?本当の理由は別にあるの?
私がそう思った事を察知したのか
「ええ。」
セーラちゃんは頷いて
「本当の目的は美奈子ちゃんに会う事よ。」
「え?」
「美奈子ちゃんの事はハルモニア様たちから伺ったわ。今、とても大変な事をお願いされている事もね。」
セーラちゃんは私の手を取り
「そんな美奈子ちゃんの力になりたいの。」
真剣な眼差しで私を見つめてくる。
「美奈子ちゃん。私にもお手伝いをさせて。」
「…いいの?」
私は少し呆然として聞き返す。
「勿論よ。」
セーラちゃんは力強く頷く。
「ねえ、美奈子ちゃん。良かったら今度、うちの領地に来ない?」
突然のセーラちゃんのお誘いに私は目を丸くする。
「え、いいの?」
お誘いは嬉しい限りだが…言っては何だが、セーラちゃんはいわば病み上がり。そんな時にお誘いに乗ってもいいのだろうか?迷惑じゃない?
「別に今日明日の話しじゃないわ。…あのね、創造神の美奈子ちゃんに見て貰いたいものがあるの。」
セーラちゃんは苦笑混じりで答える。
あ、そうなんだ。それならいいのかな?なら、お願いします。
「良かった。ありがとう、美奈子ちゃん。」
セーラちゃんはホッとした表情になる。うん?何か領地で困った事がある?
その後私たちは、あっちの世界での話しに盛り上がり、お茶会はお開きになった。




