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思いがけない再会2ー3

「もう落ち着いた?」

 ハルモニア様が優しく尋ねてくる。

「…うん。ありがとう、葉月さん。」

 しばらくワンワン泣きじゃくった私の頭をハルモニア様は撫でてくれる。

 懐かしいな。昔、私が泣いていると葉月さんも真知子さんもよくこうやって頭を撫でて、慰めてくれたんだ。

「みーちゃん。はい、どうぞ。」

 アンジェラ様に差し出されたのは、グレープジュース?綺麗な紫色をした飲み物だ。

「? ありがとう、真知子さん。」

 私はそれを受け取り、一口飲む。

「あ!美味しい!」

 それは紛れもなくグレープジュースだった。 

 …そういえば私、この世界の食べ物・飲み物を口にしたのは初めてだよ。

 真知子さん、私の好きな物を覚えていてくれたんだね。



「でも、吃驚したなぁ〜」

 私は心の底からそう思った。まさか死に別れた人たちに、この世界で再会するなんて、夢にも思わないじゃない。

 私が落ち着いた所でお茶会を開始。

 …お茶会が開かれる前にジュース飲んじゃったよ…と焦ったが、あれは泣きじゃくる私の為にロザリーちゃんが別に用意したものだったらしい。ロザリーちゃん、ありがとう。

「私たちも吃驚したわ。まさか創造神が美奈ちゃんだったなんて。」

 マリーゼ様がそう言うと、他の皆もウンウンと頷いている。うっ、すんません…

「でも嬉しいな。美奈子ちゃんもこっちに来ているなんて。創造神だったのは意外だけど。」

 あ、それについてはきちんと説明しとかないとね。

「あ、えっとね。私、こっちの世界に転生した訳じゃ無いんだ。」

「え?」

 ロザリーちゃんとシンシアちゃん以外の皆は驚いた表情だ。まあ、そうだよね。

 という訳で、改めてその辺りを説明する事に。

「という事は、この世界って美奈子ちゃんが作ったの?」

 ロザリーちゃんとシンシアちゃんも一緒に説明してくれて何とか説明し終わった時、ハルモニア様はポカンとした表情で呟く。

「ここ、乙女ゲームの中じゃ無かったのね…」

 と、これはソニア様。何か残念そうな表情だけど、何か期待してたのかな?なんか、ごめんね。

「けど、納得だわ。だから沙織ちゃんも朝香ちゃんも私たちを誘ったのね。」

 カトレア様は得心がいったという感じだ。

「?」

 私が首を傾げると

「沙織ちゃんと朝香ちゃんは断罪被害者同士、話し合いをしないかって私たちに呼び掛けたの。」

 へぇ。

「最初はお互いの近況報告だったけど…そこでソニア様、佐保さんが自分は断罪される事を知っていたって告白し始めたの。」  

 佐保さん…

「そこで佐保さんと沙織さんが生前の知り合いだった事が分かって。それから皆、私も私もっ!て皆が告白を始めたのよ。」

 フローレ様がそう教えてくれた。

「それから沙織ちゃんが高木美奈子を知っている人は?って皆に尋ねて、その結果皆がみーちゃんの事を知っている事が分かったの。」

 アンジェラ様はコロコロと笑いながら話してくれた。

 ふわぁ~、何つ~偶然!それで六人も一遍に見つかった訳か。納得。

「完全に偶然という訳では無いよ。」

 ロザリーちゃんは苦笑しながら話す。

「ある程度条件を絞ってから声を掛けたから。」

 条件?どんな条件?

「まず、断罪された令嬢の対応には二種類ある事に注目したの。」

 シンシアちゃんも笑いながら説明してくれる。

「つまり冷静に対処した人と、狼狽え取り乱した人にね。」

 ほうほう。

「前世の記憶持ちなら、自分が悪役令嬢の役割だという事は分かっている筈だし、断罪されるのが分かっているならば回避か、それが無理ならその時に少しでも有利になるよう行動する筈だと考えたのよ。現に私もロザリーも事前に色々準備して、あの場に臨んだもの。」

 シンシアちゃんの言葉に私は頷いた。

「私たちがそうなんだから、他の人も同じ筈だと踏んだの。そしてそれが大当たりしたって訳。」

 なる程〜!

 「それにね、美奈子。私たちがこの世界に転生する条件に、生前美奈子と何かしらの接点があった人じゃないか、とも考えたの。」

 え?

「美奈子がこの世界に呼ばれたのは、よく分からない“悪意ある侵略者”からこの世界を守ってくれって、こっちの世界の女神様にお願いされたんでしょう?」

「うん。」

「だとしたら私たちは美奈子の力になるよう、この世界に生まれ変わったんじゃないかって、そう思うのよ。」

「………」

 私は呆然となった。そんな風に考えた事が無かったよ…










 

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