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思いがけない再会2ー1

「お初にお目にかかります、ミナティ様。」

 ロザリーちゃんの部屋で待っていた総勢六人のお嬢様たち、私が部屋に入ると立ち上がり一斉にカーテシー。…この人数で一斉に見ると凄い迫力だ。お嬢様一人一人がすんごい美少女だし所作も優雅。優雅にはとんと縁が無く、知識も無い私が見ても非常に洗練された美しさである。

「ほら、美奈子も挨拶して。」

 そんなお嬢様たちの美しさに見惚れて呆けていると、ロザリーちゃんがこっそり耳打ちしてくれた。

 何でも女王様や女神様の前では、声を掛けられるまであの姿勢のままなんだそう。特に私は最高位の女神様なので、声が掛かるまでピクリとも動けないんだそうな。

 それを聞いて慌てて挨拶を返したのは言うまでも無い。



「では、自己紹介からですわね。」

 眩いばかりの金髪に、アメジストのような深い紫の瞳のお嬢様はハルモニア=ユゼット公爵令嬢。

 続いて赤みが強い金、というかオレンジ色の髪と深い緑の瞳が印象的なお嬢様はアンジェラ=ミスレル侯爵令嬢。

 次に淡い水色の髪に同じ淡い水色の瞳のお嬢様はソニア=スピレイ伯爵令嬢。

 その横に座っている少し赤みが入った銀髪、ピンクシルバーとでもいう感じの髪色に金の瞳が美しいお嬢様はカトレア=ブリンゲル侯爵令嬢。

 そしてプラチナブロンドに青い瞳のお嬢様はフローレ=カニンガム伯爵令嬢。

 最後に青銀の髪に紫の瞳のお嬢様はマリーゼ=オルゴット伯爵令嬢。

 …一遍に覚える自信、全くねぇ…

 しかしこのマリーゼ様。何だか見覚えがあるなぁ〜とぼんやり思っていたら、何とまあ女王様の姪だって。女王様の妹の娘さんなんだそう。

 そう言われてみれば、髪と瞳の色が女王様と同じだよ…この世界も、世間って意外と狭い…のかな?

 眼福物のお嬢様たちをボケ〜っと鑑賞していられたのもここまでだった…



「それで、美奈…ミナティ様にお越し頂いたのは他でもございません。この方々にお会いになって頂きたかったのでございます。」 

 この会合はロザリーちゃんが主催だそうで、ロザリーちゃんが話し始める。…ロザリーちゃんの中身が沙織だと知っているからか、畏まったロザリーちゃんを見るのは何だか不思議な気分になる。 

「と言いますのも…」

 ロザリーちゃんは皆の顔を見てから

「私たちは、全員例の“断罪被害者”であり…」

 じっと私の目を見つめる。

「“前世”の記憶を持っているのです。」

 ああ、やっぱりそうだったんだね。



 この前ロザリーちゃんが言っていたもんね。前世の記憶を持っている人が六人見つかったって。 

 そして今日、この部屋に六人待っていたから、もしかしたらそうじゃないかな?って思ってたんだ。

「それでね、美奈子。」 

 おや?ロザリーちゃんが私を美奈子って呼んだ…そして口調が砕けたぞ?

「この六人の前世の名前なんだけど…」

 ロザリーちゃんが皆を見て、皆が頷く。

「美奈子ちゃん、久しぶりね。私は浅川葉月よ。」 

「…え?」

 ハルモニア様が名乗った名に、私は目を瞠る。

「みーちゃん、元気そうで良かったわ。私は工藤真知子。」

 アンジェラ様々が名乗る。

「………」 

 私は言葉が出て来ない。…もしかして、他の人たちも?

「美奈ちゃん、久しぶり。私は岡島佐保。」

 ソニア様の名に涙が滲んでくる。

「………」

「美奈子、久しぶり。私は石崎智恵乃。」

 カトレア様の名を聞いて私は涙が溢れてきた。

「美奈子ちゃん。私は梅田弥生よ。」

 これはフローレ様。もう、もう私…

「美奈ちゃん。私は有本桜だよ。」

 マリーゼ様まで!

 六人の名を聞いて、とうとう私は号泣してしまった。




  

 

 





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