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王都の外へ行ってみよう!!

 今日もこの世界にやって参りました!

 昨日の夜は、何だか断罪イベントとその後を書いていたら止まらなくなってしまって、少々寝不足だ…

 特に女王様の姪が断罪されて、その後王宮を絡めての大騒動!ってな感じのシチュを書きながら、何故かこれは絶対に書き上げなきゃ!って義務感がムクムク湧き上がって来てさ。…こんな事、今まで無かったんだけどな……

 さて、本日のお出迎えはお久しぶりのエスターシャにポレーナ。後は…何かド金髪に青い瞳の幼女がニコニコ笑っている。フィーンよりもう少しだけ小さい感じ。七〜八歳くらい?…これで背中に翼があったらザ・エンジェルだが。この子、何の女神様だろう?

「お久しぶりでございます、ミナティ様。」

 エスターシャが恭しく一礼する。 

「あ、うん。久しぶり、エスターシャにポレーナ。…で、その子は?」

 私が金髪碧眼の子に視線を向けると

「初めまして、ミナティ様!太陽の女神ソランツァです!」

 とっても元気で良い挨拶が返ってきた。うん、とってもいい子だ。

 それにしてもフィーンといい、こんな小さな子でも女神様になれるものなんだね?

「これでも成人しておりますよ?神官が女神に昇格する際、外見はある程度いじれるのです。」

 ポレーナが教えてくれた。

 え?そうなの?

「はい。ですが、“ある程度”です。」

 ん?それは一体?

「まず本人の容姿は基本的にいじる事は出来ません。せいぜい少し若く見せるか、逆に年上に見せるくらいです。」

 あ、そうなの?意外に使い勝手悪そうだね。

「そうですね。」

 …否定はしないんだ。

「あ!あとね〜、身長はちょっとだけいじれるよ〜!それと色!」

 身長と色?

「そうだよ。色はフレイジアがやってた〜!」

 あ。あれ、生まれつきじゃないのね…

「そうですね。とはいえ、彼女は元々赤髪ではありましたよ。ただ、元はいわゆるストロベリーブロンドと言うのでしょうか?…もう少しピンクがかった光沢のある髪色でしたね。」

 エスターシャが補足する。

 なる程。そこからあの真紅にしたのね。確かにストロベリーブロンドよりも真紅の方が火の女神っぽいもんね。

「でね。私、神官だった時から小さくて皆に子どもみたいだ!ってず〜っと言われてたから、思い切って子どもの姿になったの!」

 ソランツァが得意気に主張する。あ…そうだったんだ。てかソランツァって元々はどれくらいの大きさだったんだろう…?

「う〜ん、ちょうどフィーンとリュンヌの間くらいかな?」

 ソランツァは律儀に答えてくれた。


   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 さて、今日は重大な目的があるんだ。それは…

「ねえ。今日、王都の外へ行こう!!」

 私はこの為に頑張って王都郊外を描写したのだ。

「承知致しました。ミナティ様、頑張りましたね。」

 そうでしょう、そうでしょう?私、頑張った!褒めて褒めて!

「では準備をして参ります。しばらくお待ち下さいませ。」  

 そう言ってポレーナが下がって行く。

 ポレーナを待っている間、エスターシャ、ソランツァと他愛ないおしゃべりをしていると

「ミナティ様。エメット侯爵令嬢とディレノス公爵令嬢がお越しになられました。」

 クレメンティアがロザリーちゃんとシンシアちゃんを案内してきた。

「お〜、沙織にあーちゃん!私が来たのが良く分かったね?」 

 私が驚いていると

「ふふ。美奈子が来たら教えて貰えるよう、神殿にお願いしていたからね。」

 ロザリーちゃんがウインクして答える。

「あ、そうなんだ。」

 神殿から連絡があったなら納得だ。

「それで、今日はどうしたの?」

「ふふん!結果報告。」

「結果報告?」

「そう。あれから私たち以外の転生者を見つけたのよ。」

 シンシアちゃんは得意気に報告してくれる。

「へえ!二人とも仕事早いわ!」

 私が感心していると

「運良く一遍に見つかったのよ。」

 ロザリーちゃんもとても嬉しそうだ。  

「へぇ凄〜い!…一遍に、って事は何人か見つかったの?何人くらい?」 

「うふふ〜ん。聞いて驚け!何と一遍に六人よ!」

 ぉわおぅ〜!二人が得意気な訳だね。て事は二人を合わせて計八人が今分かっている転生者って事か。

「それでね。美奈子といつ顔合わせしようかって相談に来たんだけど…何か用事があるの?」

 ロザリーちゃんが周囲を見回して尋ねる。お〜、鋭い!

「うんとね。今から王都の外へ行く予定なんだけど…」

「あら、そうなんだ。…良ければ私たちも一緒に行っても良い?」

 ロザリーちゃんが聞いてくる。

「私は嬉しいけど…良いかな?」

 私はエスターシャとクレメンティアに尋ねる。 

「問題ありません。」

 エスターシャが頷く。

「ミナティ様がよろしいのでしたら何も問題ございません。」

 クレメンティアも承諾してくれた。

「じゃ、一緒に行こう!」

 私はこの二人ともう一度お出掛け出来るのが凄く嬉しかった。



「で、何処まで行く予定なの?」

 ロザリーちゃんが尋ねてくる。

 王都を抜け、美しい田園風景が広がる中を私たちを乗せた馬車はゆったりと走っている。

 私とロザリーちゃん、シンシアちゃんは仲良く馬車に揺られながら楽しくおしゃべりしている。

 女神様たちは馬車に乗らずとも同伴出来るらしく、今は隠形して同行している。…別に何も疚しい事は無いけど、人に女神様が随行している場面を目撃されたら説明が面倒臭い。

「ん〜と、この近くの森まで行こうかな?と。」

「ああ。“魔法使いの森”ね。」

 魔法使いの森。それは先代の大魔法使いマリエルが現役時代に住処にしていた森である。

 大魔法使いが住んでいた事で危険な猛獣は駆逐され尽くし、森は美しく整備されている。因みに現在は現大魔法使いフレデリカ=リッツによって管理されている。

 その為貴族・庶民問わず、王都住人の憩いの場として重宝されているのだ。

 そして、この森で一番人気なのが…

「うわぁ~、綺麗〜!!」

 森に入ってしばらくすると開けた場所に出る。

 そこにあるのは大きな美しい湖と千々に咲き乱れる花畑である。

「ここでランチにしましょう。」

 シンシアはさっさとピクニックの準備を始める。

 馭者には昼食にする旨を伝えて、帰る時間まで自由時間とする。一緒についてきた令嬢の侍女たちにもお昼の準備が終わり次第、帰る時間まで休憩とした。

「ふふ。今になって、二人とこんな時間を持てるなんて夢にも思わなかったなぁ…」

 私は二人と仲良く腰掛け、美味しいサンドイッチを摘みながら美しく煌めく湖畔を眺めつつしみじみと呟く。

「だってさ。あーちゃんとは結局最初以外会えないままだったし、沙織はある日突然いなくなっちゃったし…」

 ロザリーちゃんとシンシアちゃんは、私の言葉に衝撃を受けたらしい。二人とも愕然とした表情を浮かべている。

「あ!ごめん!責めてる訳じゃ無いからね!!」

 私は慌てて弁明する。

「…美奈子〜!」

「おわ!」

 二人は突然私に抱きついてきた。

「美奈子…ごめんね。貴女を置いていって…一人にして、ごめんね…」

 二人は何度も何度もそう呟きながら私の頭や背中を優しく撫でてくれた。


 その様子を同伴したエスターシャ、ポレーナ、ソランツァは穏やかな瞳で見守っていた。


 







 



 



 


 




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