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シンシアちゃんとの出会い

 さてさて、またもや小説世界に入って来た私。

 本日のお出迎えはヨーティアにサラマンディア。そして初めましての火の女神様である。

「久し振りね、ヨーティアにサラマンディア。で…?」

 私は首を傾げる。見た目は如何にも火属性なので何の女神様かは一目で分かったが…

「お初にお目にかかります。創造神ミナティ様。私は火の女神フレイジアと申します。」

 あ、フレイジアね。よろしく。

「ミナティ様。私をそんなに見つめて、何か気になる事がございますか?」

 フレイジアがクスクス笑う。いや、だってさ。この女神様真っ赤なんだよ。一言で言い表わすとアニメで火の精霊を描いたら絶対こうなるよな、っていう見た目。

 長い真紅の髪は所々外にハネていて、まるで炎のよう。褐色の肌は実に妖艶で見事なナイスバディ。紅い瞳は強い意志を宿し、衣装も真紅でやはり炎を思わせるデザインである。

 これで火属性以外だったら、完璧に見た目詐欺だ。

「あ、いや…正に火の女神様だな、と。」

 私はポロリと漏らした。

「あらあら。光栄でございます。」

 フレイジアは非常に嬉しそうだ。

「良かったわね、フレイジア。」

 ヨーティアは何処か羨ましそうだ。

「誠に。私も早くミナティ様にそう言って頂けるよう精進せねば。」

 うん?どういう事?

「女神にとって、一目で何の女神か判別されるというのは非常に名誉なのです。…何せ皆、似たような外見ですので。」

 ヨーティアが説明してくれた。

 あ、そゆ事。まあ確かに皆同じような装いだもんね。あ!それで皆、自分専用のアイテムを欲しがったとか?そういう事なら、なるべく早く良いアイテムを考えてあげよう。


   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「ミナティ様。エメット侯爵令嬢がいらっしゃいました。」

 クレメンティアが厳かにロザリーちゃんを案内して来た。ロザリーちゃん、待ってたよ!

「いらっしゃい、沙織。」

 私は満面の笑みでロザリーちゃんを迎える。

「ごきげんよう、美奈…っと!ミナティ様。」

 ロザリーちゃんは恭しく一礼する。

「いいよ、美奈子で。」

 私はカラカラと笑う。

「いえ、そういう訳には…」

 ロザリーちゃんは躊躇っている。

「いいって。事情を知っている人たちの前でまで貴族令嬢しなくても。…皆もいいよね?」

 周囲を見ると、複雑そうな表情を浮かべながらも頷いている。

「ね?だからさ、美奈子って呼んでよ。私だって沙織って呼んでるんだし。」

 私だって女神様たちが納得していないのは分かっているけどさ。けど、せめて私の前でだけでも貴族令嬢の仮面を脱いで息抜きしたって罰は当たらないと思う。

 ロザリーちゃんだって、場に応じて使い分ける事くらい出来る筈だし。 

「うん。ありがとう、美奈子。」

 ロザリーちゃんが納得した所で早速本題。

「で、シンシアちゃんは、どう?」

 シンシアちゃんが私たちに会ってくれるかどうか、ちょっと心配だったんだ。

「うん。美奈子には話してもいいって。」

「本当?」

 その朗報に私は喜んだが、ふと引っ掛かった。

「私になら?」

「そう。創造神ミナティ様がシンシアの話を聞きたがっているって言ったら快諾してくれた。」

 何だと?

「え…、沙織。私が創造神って事、話したの?」

 私は愕然となる。それ、大丈夫なのか?

「え? 駄目だった…?」

 私とロザリーちゃんは数秒見つめ合い、ソロソロと周囲を見回す。すると

「ディレノス公爵令嬢には、くれぐれも他言無用と申し上げて下さいませ。」

 クレメンティアが盛大な溜め息を吐いた後、そう言った。

 私たちはコクコクと頷いた。


   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 何はともあれ私とロザリーちゃんはディレノス公爵邸までやって来た。お供はヨーティアとサラマンディア。フレイジアはどんなに擬態しても、あの見た目はどうにもならなかったのでお留守番して貰う事になった。フレイジアはとても不満気だったが、流石にザ・火の女神様を連れて歩くと目立って仕方無い。

「ようこそおいで下さいました、ロザリー=エメット様。」 

 そう言って執事さんはシンシアちゃんの元へ案内してくれた。

「いらっしゃい、ロザリー。」

 部屋に入ると、これまた凄まじい美少女が出迎えてくれた。

「シンシア。元気そうで良かったわ。」

 そう言って二人はハグを交わす。

「そしてこちらが創造神ミナティ様。それからヨーティア様にサラマンディア様。」 

 ロザリーちゃんが紹介すると、シンシアちゃんは美しいカーテシーを見せてくれた。

「お初にお目にかかります、創造神ミナティ様。ヨーティア様、サラマンディア様。」

 そうして顔を上げたシンシアちゃん。うほ~、お美しい~! 

 シンシアちゃんはロザリーちゃんとは別系統の美少女である。

 サラサラで癖一つ無いストレートな青銀の髪は腰まである。抜けるように白い肌に髪と同じ青銀の瞳は不思議と冷たい印象を与えない。

 まるで月の女神のような少女は、どこまでも優しい雰囲気を纏っている。

 “ふわぁ~、リュンヌとはまた違った月の女神様だわ~”

 シンシアって、確か月の女神様の名前だったよね?うわぁ~、何てピッタリな名前~! 

 と、一人感心していた。

「さて、創造神ミナティ様。私に聞きたい事がお有りだと伺っておりますが。」

 シンシアちゃんはにこやかに切り出す。

 

 

 








 




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