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クリソプレーズの瞳 ~ルービンシュタイン公爵夫人は懺悔して夫と娘を愛したい!  作者: 星野 満


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96. ロバートの欲情

※ 今回は少々、性交のシーンがありますので苦手な方は読み飛ばしてください。<(_ _)>

※ 2025/5/21 修正済み

※ ※ ※ ※



ロバートは週末の夜は、たいていは市街地区の娼婦館ラピス・ルージュ・ラズリの娼婦のエバの所へ行く。

だが、先日の王妃の拝顔で王太子には厳しい監視がついた。



このまま娼館に行けば、自分はともかくエバまでお咎めを受けるやもしれん。

ロバートとエバとの関係は長い。既に2~3年くらいは続いている。



ロバートはエバといる一時(ひととき)は、王子の地位も立場も忘れて数少ない癒やしの場になっていた。



いまだにロバートは“フレディ”としてエバの前で気軽に()()()()()()を演じているのは、とても心地よかったのだ。



これもエバが余計な詮索もせず、常にロバートに()()()()()だけを与えることに徹してきたからだ。

異国の奴隷で売られてきた彼女は若いが、色々と苦労しているのであろう。



将来、ロバートはエバを平民にして、人並みの生活を与える段取りも考慮していた。

奴隷を平民にするのは、王侯貴族でもなかなか簡単ではない。それなりの対応が必要となってくる。



ロバートは、王宮内の側妃は無理だとしても、王都にこじんまりとした別邸に住まわせようと、自分なりにエバを大切にしようと考えていたのだ。



※ ※



ふと周りをみると、どうやら王妃の配下の侍女が見ていた。



──ふん仕方がない、当分は大人しくしよう



ロバートは、夕食を終えて一服すると、護衛騎士を下がらせて一人自分の寝室へと向う。



寝室内に入ると侍従や侍女が誰一人いない。

部屋も明かりが薄暗く、奥の天蓋ベッドの両サイドテーブルの、ランプの灯りしかついていなかった。




『ん……?』




何か変だとロバートは感じた。



『おい、誰もいないのか?』と叫んだが、返事はなかった。




だが──()()()()()()()()()()



ロバートはじっと止まった。




──まさか、刺客か?



ロバートは一目散に壁に掛かってた飾り用の剣に近づき、その金色のさやから素早く剣を抜いた。


そして右手で光る剣を持ち身構えた。




『誰だ、そこにいるのか!』



誰も答えない、し〜んとしている室内だが、天蓋ベッドからは人の気配がした。



ロバートはベッドにそっと近づき、カーテンをバッと開けた!



『曲者、何奴(なにやつ)だ──!』


『ひぃ……!』


『!?』


ロバートの突き出した、鋭い剣の刃先には女の顔が──


()()()!』


大声をあげるロバート。



『ロバート殿下……』



そこには(あら)わなネグリジェ姿の、マーガレットがベッドの上に座っていた。


長いブラウンの髪を腰までたらして、いつもとはずいぶん纏った雰囲気が違う。


だが、紛れもなく妻のマーガレットだ。



呆気にとられながら、ロバートは持っていた剣を(おろ)した。



『!! どうした、何故ここにいる?』


『殿下……』


マーガレットは泣き出しそうな顔をしていた。



それでもベッドから立ち上がり、そのままよろよろと震えながらロバートに抱きつく。



『お、おい……マーガレット?』

ロバートはびっくりして、持っていた剣を落とした。



『殿下、抱いてください……』


『な……!』


『お願い、わたしを抱いて!』



悲痛なくらいのマーガレットの弱々しい叫び。



それでもマーガレットは、ロバートの広い背中に細い腕をまわして、ギュッと自分の身体をつけて離そうとはしない。


『マリー、お前は……?』



ようやくロバートもマーガレットの行動を理解した。


まさか、大人しいマリーがこんな大胆な()()()をするなんて、初めてのことだった。



驚きとともにロバートは、何か新鮮な妻の行動に嬉しさも感じた。



ロバートはマーガレットを抱き返した。



『あぁ…殿下……』


『マリー、俺に顔をよくみせろ…』


マーガレットの顎を手でくいっとあげた。



薄明かりの中、浮かび上がるマーガレットの顔は、いつもより念入りな化粧でやたらと唇が赤い。



目元の周りに銀色のアイシャドウをつけてるのか、キラキラと輝き瞳が潤んでいてとても美しい。

いつもの、幼い顔に似合った薄化粧とは違う、妖艶さがそこにはあった。



『とても綺麗だ……』


思わずロバートはマーガレットに口づけをした。



『うっ──!?』



ロバートはマーガレットと口づけながら、自分の体が何か異質なものが駆け巡るのを感じた。



気づくとマーガレットから、不思議な香りがする。


彼女の口や髪、抱いてる華奢な身体から全て漂ってくる。



──なんだ、とても甘くムスクに似たような、とても悩ましい香り。


やたらと下半身がなにやら(うず)いてくる。




──ああ、この香りは何処かで……そうだあれだ!



ロバートは娼婦館の似た香りを思い出した。



だが、もっと強い──。


目の前に女人がいれば、男は性欲を刺激されて、先ず逆らえない匂いだ。



『マリー、まさかお前、()()を……?』



ロバートは、マーガレットが媚薬を使用してることに気がついた。



『ああ、もう何もおっしゃらないで、ロバート様、私を抱いて…』


『分かった…⋯抱いてやる……』



ロバートは、そのままマーガレットを軽々と抱きあげてベッドになだれ込む。



『あ……』



エドワードに倒されたマーガレット、

彼女の瞳は歓びに打ちひしがれた。



まだ今宵は始まったばかり。



ロバートはこの夜、久方ぶりにマーガレットを抱いたのだった。






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