27. 結婚初夜(2)
※ 今回、初夜の表現が少々あります。苦手な方は申し訳ありませんが読み飛ばして下さい。
※ 2025/4/26 加筆修正済
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その夜、結論からいうとふたりの初夜は無事に終わった。
エドワードが無垢なエリザベスをとても大切に扱ったのはいうまでもない。
エリザベスにとっては性行為という未知の領域体験は、何もかも全てが驚きの連続であった。
現実に自分よりも身体が大きく、若く逞しい男の裸体が自分の真上に突然覆いかぶさってきた時、エリザベスは、エドワードの大きな身体に自分がぺしゃんこに押し潰される恐怖に慄いた。
だが、直ぐにそんなのは心配ご無用と理解する。
エドワードは常にエリザベスの身体を気遣いながら、夜の営みをリードしてくれたからだ。
※ ※
その間、エリザベスはなんとも甘美な夢見心地のような……不思議な感覚に陥っていた──。
『うっ……!』
『あ、平気かい?』
『…ええ……大丈夫…』
エドワードはエリザベスの髪の毛に顔を埋めている。
『ああ、何だろう……君の髪からとてもいい香りがするよ』
『あ……そうなの、イランイランていうアロマオイルよ、お母様がつけろって……』
『ああ、イランイランか、ふふ、君の母上はさすがだね……』
エドワードはにやっと嬉しそうに笑った。
どうやらイランイランが初夜に適したオイルだと、エドワードは承知していたようだ。
『ふ、可愛いよ……』
エドワードが顔をあげてエリザベスに微笑むと、キラキラと蒼い眼が、より熱を帯びたように怪しげに輝きだして、エリザベスの胸を指で触れていく。
『うっ……!』
身体と身体を重ねた体温の温かさと、頭に血がめぐり狂うような高揚感が、エリザベスを更に夢見心地にさせた。
エドワードはエリザベスの下半身へと下りていく。
『……あっ!』
エリザベスは自分でもびっくりするような、恥ずかしい声がでてしまう──。
何とも擽ったいような、メイドにアロマオイルのマッサージをされてる時の気持ち良さ?
──んん~。それともちょっと違うわ……。
エドワードに身体を触られると、どんどん身体が高揚して頭の天辺まで火照り出すようだ。
『はあ……』
エリザベスはどうしようもなく、身体をしならせて息を吐いた。
『ああ、なんて君は綺麗なんだ……』
エドワードはエリザベスの姿を嬉しそうに眼を細めて、エリザベスの体を優しく愛撫する。
エドワードは、エリザベスの身体を真綿のように何処までも優しく大切に扱った──。
※
『リズ、いいですね、妻は大人しくされるがままにですからね!』
エリザベスは朦朧とした意識の中、母の声を思い出していた。
──なるほど…これがお母様のおっしゃる通りされるがままにということね……。
エリザベスの初体験は、甘美すぎて眩暈がしてきた。
意識が遠のいていく中、おぼろげに何度も何度もエドワードが『愛してるよ…』と囁く声だけが遠くから聞こえた。
その間、エリザベスの頭に浮かんだのは──結婚式のくちづけの瞬間に感じた己の直感だった。
──そう、エドワードに触られるのはけっして嫌ではない。
それどころかこれはいい、とってもいい! できたら何度でもして欲しいくらいだ。
たとえエドワードに対する愛情があるとは思えないけど。
自分の心の中が分からなくてもこれはして欲しい──
とエリザベスは良家の子女にあるまじき感情が湧きあがっていく。
エドワードとの初めての夜──。
彼女は朦朧した状態の中でぼおっと感じていた。
※ 投稿してから1週間が経ちました。
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今後ともよろしくお願い致します。<(_ _)>




